息こらえの練習

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6アスリート名無しさん
かなり前のことになりますが、高校生の時、語学留学で1年間アメリカにいました。
その時、ホームステイ先の二人の娘(姉は13歳、妹は9歳)に誘われてダイビングのライセンスを取得しました。
そこではスイムキャップを顔にかぶっての陸上での息こらえ訓練を体験しました。
インストラクターの説明では、狙いは2つ。1つは視覚を奪われた状態で息こらえをすることによって、
パニックにならない精神力を身につけること、2つ目は完全にエアーが消失した場合に備えての空気の2度吸い
(一回吐いた空気の中にまだ酸素が含まれているので、それを利用して潜水を続ける)の練習だということでした。
かなり苦しかったけど、9歳の子も含めて、みんな3分近くは頑張りましたよ。
帰国してから知人のダイバーにこの話をすると、日本ではほとんどやっていない訓練とのことで珍しがられました。
大学でシンクロの選手もこの訓練をしていた事を聞いてちょっと驚きました。
最近の日本のダイビング講習では、あまり息こらえ訓練をやらないみたいですね。
私がアメリカで受けた講習では、ダイビングの前提として、息こらえと潜水はみっちりやりました。と言うよりも、
これはダイビングの大前提で、できて当たり前。できなければ、初めから講習は受けさせないという感じでした。
私も初めは息こらえは1分程度でしたが、姉妹の姉が4分、妹の方もまだ9歳なのに3分近く息を止めるので、
私も年下の子に負けてなるものかという気持ちと、大和なでしこの意地にかけて必死に練習し、
講習が始まるまでに3分半まで記録を延ばしました。潜水も、日本にいた時には15mが限界でしたが、
姉妹が二人とも100m近くまで行くので意地になったのと、二人が応援してくれるので、頑張って最高で90m
まで何とか行けるようにしました(もちろんフィン無し、ゴーグルとノーズクリップのみ使用)。
おかげで、ダイビング講習前の泳力テストは、すんなりクリアーできましたよ。テスト内容は、
泳ぎ方は自由で1キロ泳ぐのと息こらえと潜水です。最低ラインが明示されるわけではなく、
できるところまでやって、チェックされるというやり方でした。私は息こらえ3分10秒、
潜水70mでクリアーしました。他の人も、だいたい息こらえは2分30秒以上、潜水は50m
以上やってましたから、その辺が最低ラインだったのではないでしょうか。
それとアメリカでは、陸上での息こらえ訓練も含め、万が一に備えた訓練をかなり念入りにやりました。
バディで、一人が息を吸い、もう一人が息を吐き出した状態で一緒に潜り、一方が相手の鼻をつまんで
お互いの口と口をぴったり合わせ、息を交換し合って4分近く潜り、最後に相手の鼻をつまんでいる方が
自分の鼻から残った息を出して浮上する訓練なんていうのもやらされました。
最初は、苦しそうだし難しそうだし何だか恥ずかしいので、できるかどうか不安でしたが、
みんな真剣でしたし互いに応援し合うので、何となくその気にさせられ、私もその姉の方と組んで一緒に
息の交換をして、4分以上潜りました。まわりのやる気に乗せられてクリアーした感じです。
そういう点で、息こらえは精神的なものが大きいと思うし、周りの環境でどんどん延びるものだと思います。
それと全体的に、危機対応能力の育成に力を入れているといった印象を受けましたね。