714 :
Midnight Run:
こんな刷れあったんだ・・・。
嬉しいな。僕のレースの話を書いてもいいですか。
僕は日本でサラリーマンしていたんだけど、どうしてもやりたい事ができて
アメリカの大学院に留学した。もちろん英語も出来ないし
専門も難しい。それにアメリカの博士課程って大切な試験に落っこちると
もう学位は取れずに辞めさせられるので怖い。貯金も足りないので
夜はバイトだった。
でも闘っていくのに気力と体力をつけたかった。だからひとりで走り始めた。
大学街は5kからハーフマラソンまでレースは毎月ある。
それも当日申込、千円以下で。
もちろんTシャツもくれるし、レース後の食べ物も出してくれる。
そして参加してるうちに、みんなで走ると楽しいことがわかってきた。
715 :
Midnight Run:03/02/07 15:53
特にアメリカ人ランナーはフレンドリーだ。
走るペースが合うと、「がんばろうね」とか言いながら一緒に行くし、
抜かされても「良い調子だね!頑張れ!!」って応援してくれる。
最初、友達もいなかった僕は
そういうランナー達に何度励まされてきただろう。
次第に地元のレースでは飽き足らず遠くのレースに
エントリーするまでになった 。
そうそう、アメリカのロードレースの参加者は結構見てると色んな人がいる。
僕はフルマラソンで長さ1m以上の星条旗とベトナム国旗を掲げながら走る
おじさんを見ました。(たぶん重さは3キロ以上だと思う)
レース後、聞いたところ彼はベトナム戦争帰還兵で、ベトナムで亡くなった米越
の戦死者の総数のマイル数をレースで走ることを人生に課しているそうです。
それがあの狂気の戦争で生き残った自分が、亡くなった同胞と敵兵に
お詫びする唯一の方法だって寂しげに笑ってた。
716 :
Midnight Run:03/02/07 15:54
また印象に残ってるランナーは、高校生がリアカー引いてるランナー。
彼とは地元のフルマラソンで出会った。
リアカーに乗せているのは、彼の弟。弟は脳性マヒで思うように走るどころか
歩くことも侭ならない。
だから家族と一緒に、地元のマラソンのレースを家の前で応援していた。
でも、或る時お兄ちゃんに言ったらしい。
「僕も出たい。走りたい。」って。
だから、お兄ちゃんはリアカーで走った。リアカーに弟を乗せて。
「いいか。お前は俺と一緒に走ってんだぞ!バテたら声掛けろ!」って。
僕は彼らの「走り」を見た。兄貴はリアカーを引きながら、
勝つつもりで走っていた。
まちろんタイムは5時間を越えそうなペースだ。でも、気持ちでは負けてるとは
僕には思えなかった。そして、弟は荷台で真っ赤な顔をして兄さんに声を掛けて
闘っていた。タイムではない、2人の爆走を、僕はたしかに見ていた。
717 :
アスリート名無しさん:03/02/07 15:55
718 :
Midnight Run:03/02/07 15:55
そして4年前。僕は暮らしていたアメリカ人の女性との婚約破棄、そして
最後の博士号試験に失敗して全てが無になろうとしていた。
「もう日本に帰ろうか。」そう思っていた。
友人も多く失い、お金もなかった。
夏だった。
719 :
Midnight Run:03/02/07 15:56
最後に地元のハーフを走ろうと思った。そして諦めようと。
当日は灼熱の日が照りつけていた。トレーニングの足りない僕は
スタミナを使い果たして、減速していった。
「やっぱり、僕は情けない人間なんだ」と認めざるを得ない。
あと、残り5キロ。街中に入ってきている。
前には警官がランナーのために通行整理をしている。
僕を認めたせいか、彼は車の進行を止めた・・・。
(間)
僕は、思わず被っていた帽子を取って、警官に有難うを言い
警官の後ろの車の列に向かって帽子を振った。
「有難う。こんな駄目な僕のために停まってもらって有難う」って。
自虐的だって?でも、そういう気持ちだったんだ。
本当に弱ってたから。本当に自信がなかったから。
折角会社辞めて外国来ても、夢破れてどうして良いかわからなかった・・・・。
720 :
Midnight Run:03/02/07 15:57
そしたら、聴こえてきたんだ。
クラクションが!
停まってる車に乗ってるオジサンがオバサンが声を出してる!
そして、目の前の警官が僕の目の前200mくらい先のランナーを指して、
"RUN! Get HIM!!"(行けぇー!ヤツを抜かせー!)って言うんだ。
そして警官のおじさんも、車の人たちも声を揃えて
"Get him! Get him!"の大合唱になった・・・。
それからは、僕はあんまり記憶がない。カッコ良く抜いたりしたら
よかったのだろうけど、僕はとにかく前に死に物狂いで走りだしたので
順位が果たしてどうなったかはもうわからなかった。
ただ走った。そして応援してくれる人がいてくれたことに、
まだ自分が走れることに,感謝したかった。
721 :
Midnight Run:03/02/07 15:59
そして、この日からもう一度、僕は走り出した。
運良く、僕の論文を気に入って呼んでくれる大学院があり
この夏、僕は博士号を取り、初めてやりたい仕事に就けることに
なりました。そして、まだ、僕は走っています。
良いこと、悪いこと、これからの人生で起こると思いますが
闘い続けるために走り続けたいと思っています。
このスレにも色んな方々がいらっしゃるとおもいますが
走ることで、皆様が、(僕が得たように)生きる前向きなチカラを
得ることが出来るように、良い走りができるように
微力ながら祈らずにはおれません。
僕も走り続けます。皆さんとも、どこかのレースで会えますように!
がんばって走り続けていきましょう!
そのうち絶対良いことあるよ!!!
そして、・・・もし、アメリカに来られることがあるなら
マイナーな草レース(5Kでも10kでも)走ってみてください。
きっと新しい世界が拓けると思います。
普通の観光では得られない、充実感をランナーの皆さんは
感じることが出来ると思います。
長文、失礼しました。