さて、自動車業界では、燃料電池の実用化目前。 航空機の世界でもコスト削減、環境問題など、難問を先送りに出来ない情勢になってきた。 そこで、そろそろ自動車業界に負けず、燃料電池を真面目に論じようじゃないか? 一応の前提として、使用する燃料電池はPEFC(固体高分子型)で、ブラシレスDCモーターでプロペラ(UDFを含む)駆動。 さて、この前提で、どの程度市場性の有る機体が出来るか? Delphi on the net! 現在の問題点は? (1)燃料の種類、搭載方法 (2)大出力モーターや制御回路の試作、製造、実証方法 (3)燃料電池の搭載場所 (4)制御回路やモーターから発生するノイズが航法機器に与える影響 (5)その他
2 :
NASAしさん :2001/07/14(土) 13:15
手元にデータがあるわけでは無いが、燃料電池(特にPEFC) は本質的に出力密度(ここでは単位重量当たりの出力としま しょうか。単位体積当たりの出力でも良いかもしれん)が低 いため、航空機用のプロペラ動力として実用化は難しいと思うぞ。 もちろん、いくつか開発プロジェクトはやられているようだ が、低出力密度が根本的な問題点だと思う。いきなり話しの腰 を折るようでスマソ。
4 :
NASAしさん :2001/07/14(土) 14:09
2だけど、最新の話し。 PEFCがもっとも出力密度が高いとは何に比べているん だい。燃料電池の中でも数種類あるんだが、PEFCは もっとも効率が悪いんだよ。変換効率70%ってのは熱を 利用した場合だ。電力としては30-35%程度だよ。まあ、 プロペラ用航空機エンジンも効率も同じくらいなのかな (私は知らん) 効率もさることながら出力密度だよ。 時間あったらWebで下記を調べてみれば良いと思う。 勉強になると思うよ。 ・燃焼型エンジン、各種電池、燃料電池の出力密度 ・燃料電池推進飛行機のプロジェクト状況 ちなみに私は(PEFCではないが)燃料電池を以前 やってた技術者+自家用ライセンサー。
オイラの従兄弟は燃料電池の研究職。 オイラは事業用操縦士と2等整備士持ってるが、アホらしくて仕事 にはしてない。 今は電機メーカーの回路設計屋。 日本の会社はコージェネ用にリン酸型が主流だったようだが、 カナダのBallard社が開発したイオン交換膜で性能が飛躍的に向上し、 ここ数年は各社PEFC(PEM)が主流。 世界中で、交換膜とPt触媒の開発競争。特許紛争中との事。 70%は電気エネルギーだけでの値。変換効率が良いので、 排出される水分も40℃位のお湯だそうだ。 ブラシレスモーターの効率は実用レベルで90%いってるので、単純に 考えると、軸出力レベルで60%以上の効率が得られる計算になる。 へたすりゃ、ガソリンエンジンの倍。
6 :
NASAしさん :2001/07/14(土) 14:38
↑ねぇねぇ、折角3番がリンク貼ってデータ出してるん だからさ、聞きかじりの数字でいたいけなROMを騙しちゃ いかんよ。
イオン交換膜はテフロンみたいなフッ素系スルホン酸膜と聞いている。 1平方フィート(30cm四方)100A位発生するって。 電気屋のオイラから見たらメチャクチャ魅力的な値だし、 フッ素系の膜と炭素(Pt混じり)電極でそんなに重くなるとは考えられん。
二次電池の類を航空機の動力に使用するのは無理があるだろう。信頼性の面で…。
9 :
NASAしさん :2001/07/14(土) 15:40
>>7 膜はそうなんだけど、それを囲む枠とかって金属でしょ。
で、それを電圧を稼ぐために何枚も重ねなきゃいけない。
おまけにそれだけだと電池単体なんだけど、その他に
電池を動かすシステム装置や場合によっては燃料を水素に
変換する装置(改質装置)も必要、更には負荷変動に対応
するためにコンデンサーか二次電池が必須。
全部合わせると重いよ〜+かさばるよ〜
>>8 いま燃料電池(も信頼性の面では不安だが)の話し
なんだから、直接は関係無いでしょ。ひょっとして、
燃料電池(=発電装置)と二次電池(=蓄電装置)と
勘違いしてない?
11 :
NASAしさん :2001/07/15(日) 00:20
12 :
NASAしさん :2001/07/15(日) 02:11
要するにプロペラ機の代替ができるまだ可能性は見えるが、 ジェット機の代替は絶対にできないわけだ。 旅客輸送の分野では見込みが薄い。 ヘリのエンジンの代替ができるほど出力が上がるのは先の事だろうし…。
13 :
NASAしさん :2001/07/15(日) 02:12
14 :
NASAしさん :2001/07/15(日) 13:35
航空機の燃料代替案には水素のほか、どんなものがあるんだろう? 水素ではへりはちょっと飛べそうにないしなあ。ましてや1には失礼だが、燃料電池 ではぜっっっっったい飛びそうにない。 またピストンに逆戻りなかな。松田は水素燃料のロータリーENG研究してるらしい けど。まあ、これは車両用だけど。
15 :
NASAしさん :2001/07/15(日) 13:53
16 :
14 :2001/07/15(日) 14:00
17 :
NASAしさん :2001/07/15(日) 21:48
グライダーを飛ばしてる友人によれば電動モーターグライダーがドイツで実用化 されたらしい。ニッケル・水素(パナソニック製)のバッテリーを使用してるらしい。
18 :
NASAしさん :2001/07/15(日) 22:15
>>17 実用?? 本当にされたの?
バッテリーの助けも借りてぎりぎり離陸できる実験機が飛んでるとは聞いていたが…。
19 :
NASAしさん :2001/07/15(日) 22:18
ディスカスのあれのように、自力で離陸はできないけど、いざとなりゃあ 使えるっていうのだったら電池でもいいような。 ほら、あれってすぐエンジンかからないとやばいみたいだし(w
20 :
NASAしさん :2001/07/15(日) 22:36
>>19 ソーラーパワーで滑空比が100位になったPW5とかあったらイイ!かも。
21 :
NASAしさん :2001/07/15(日) 22:43
ダイレクトエタノール燃料電池とエタノールエンジンの HYBRID飛行機はいかが?
22 :
NASAしさん :2001/07/15(日) 23:30
23 :
名無しさん@1周年 :2001/07/16(月) 00:11
航空機では、回生がないから、いまいちなのだ
24 :
NASAしさん :2001/07/16(月) 12:29
>>17 -18
まあ、どの時点で実用化かってのは難しいけど、おもしろそうな
話しだね。英語も含めweb上で調べてみたんだけど、見つからな
いんだが、雑誌のコピペ(?)でも良いんで詳細を教えていただ
けない?
燃料電池は出力密度が問題だから、(使う意味があるかどうかは
疑問だが)もし使われるとすると、やはりモーターグライダー
から使われ始めると思う。これはアドバンストなPEFCでいける
かもしれない。(10-15年先の話しね。)
でも、その次のステップの軽飛行機への応用に壁があるような気がする。
電動モーターグライダー。
もう、初飛行から5年位経ってるんじゃなかったっけ?
イタリアのメーカーだったと思う。市販してるよ。
「Silent」
http://www.alisport.com/pag_ing/silent_ae.htm ただ、一晩充電して、1回しか離陸できないんじゃなかったっけ?
飛行機に曳航されて離陸し、場外着陸回避用には良いかもしれないが。
燃料電池の出力密度ってNiCdとか、HMNi電池と比べてどうなの?
翼内タンクにメタノール積んで燃料電池積めば、2サイクルの不安定な
エンジンに比べて信頼性抜群な電動モーターは魅力あるよなー。
イタリアじゃなくてドイツだった。スマソ MPEG画像は魅力的。 性能的には今一だが、金貯めて買いたい。 日本製でないのが口惜しい。 機体のプラスチック樹脂と、バッテリーは日本製との噂。 あくまで噂だが。
27 :
NASAしさん :2001/07/16(月) 13:45
28 :
NASAしさん :2001/07/16(月) 15:25
>>25 (=26)
24だけど、どうもありがとう。モーターグライダーでも、
リトラクタブルでピュアーグライダーに近いタイプだね。
かっこいい。
20-30分で充電できるみたいよ。基本的に1回離陸して、
上で止めて(止まって)、あとはグライダーって事ね。
アウトランディング防止用にも使えそうだね。Ni-MHかな。
5年前から大容量のNi-MHあったかな。まあ、今後はLi
イオン電池の大容量型が手に入るようになるんで、パワー
的にももう少し余裕が出てくると思う。
29 :
NASAしさん :2001/07/16(月) 15:27
>>25 (=26)
24だけど、2次電池と燃料電池(PEFC)の出力密度調べてみた。
Ni-MH 500-900 W/kg
Liイオン 1300-1600 W/kg
PEFC 800-1500 W/リットル
PEFCでW/kg表示のもの見つからなかった。でもきっとPEFC
って水に沈むよね。ということは電池よりも出力密度が小
さいと思う。おまけにPEFCの場合、補記装置類や改質器
(メタノール使う場合)の容積って考慮されてない値だと
思うので、ますます出力密度は小さくなるはず。
ちなみに内燃エンジンの出力密度は1-2桁ほど高いと思う。
30 :
NASAしさん :2001/07/16(月) 15:27
>>27 24だけど、揚抗比(=滑空比)が高いほど小さいパワーの
動力で済む。ヘリオスってまさにグライダーだね。(飛行
船型成層圏プラットホームの飛行機版ってことね)
上も含めてリンク先拝見したけど、離陸は太陽電池の出力で
行ったのかな?あと。これは昼間は太陽電池で飛んで、その
余剰電力で水を電気分解して酸素/水素を作り、夜はその逆
反応で燃料電池を作動させるって事で良いよね。この燃料
電池ってPEFCか別のタイプか判ります?
31 :
NASAしさん :2001/07/16(月) 16:06
www.lange-flugzeugbau.com を見て下さい。 リアルプレーヤーでの動画も入っていて自力発航していく姿には感動もの。 ドイツでのニュース番組みたい 但しドイツ語 性能グラフも入っているよ。必見
>>29 >20-30分で充電できるみたいよ
ホントだ。試作機の時と大分違うな。
>でもきっとPEFCって水に沈むよね。
だったら、自動車メーカーが目の色変える程でないような気もするが。
ま、このへんは泥沼入りは避けて。
Silentのバッテリー容量は1.4KWhしか無いので、13KWのモーターを
5,6分しか回せない。実力値を考えたらもっと短いかも。
2000ft(600m)位に上がるのがせいぜいで、巡航は考えてない。
航続距離を考えるには、KWh/Kgのデータが必要かな。
水素をそのまま積むか、メタノールにして改質するのかによって違う
だろうが、燃料自体はバッテリーの重さよりはエネルギー密度が大きい
と思うので、システムを大きくする程、効率良くなるように思える。
中型の旅客機を作ってしまった方が、いい結果が生まれないだろうか?
プロペラもいいのが出てるし。
ただ、乗客は見た目で選ぶから、性能が同じでもジェットに乗りた
がるかな?
33 :
NASAしさん :2001/07/16(月) 18:20
ヘリオスみたいに液水を搭載できる環境を整えないと辛いということか…。
機関停止が即墜落に結びつくような商用旅客機に搭載するほど、 信頼に足る燃料電池って出来るんでしょうか? 電池の類って意外と継続性が無いですよ。 電気化学反応自体未解明な部分も結構多いし。。。
35 :
NASAしさん :2001/07/16(月) 18:34
34 ジェットエンジンよりは信頼性を高く作れると思うよ。勘だけど。 4つ積んで、一つアウトでも飛行を継続できる… という設計にすればいいと思う。
燃料電池+電動機という組み合わせは、まだまだ検証しなければ なりませんが、化学的にも、物理的にも無理が無いので、多分 ピストンエンジンより、信頼性(MTBF)は1桁上にできるのではないかと 思われます。おそらく、ジェットよりも上でしょう。 現に、燃料電池は人里はなれた山の上の無線中継所などで実用的に 使用され、メンテフリーで好成績を上げています。
37 :
NASAしさん :2001/07/16(月) 19:09
なんてったって、地球軌道上でも使用するくらいなんだから信頼性はバツグンでしょう。
燃料電池も問題だけど、モーターはどうかな? 強磁性体って、ほとんどが重たい金属の塊じゃん。 重かったらメリット無いよね? だれかモーター重量のデータ無い? それともたいしたこと無いのかな? 話に寄与できずにすみません。
>>37 >信頼性バツグン
でもアポロ計画の当時は「トンデモ君」で、ユニットごと、使うたび、
毎回特性が一定しなかったらしい。
ま、30年前の話で今は問題無いらしい。
今でも、燃料電池っていうと当時のイメージで話す人が多いですが。
40 :
NASAしさん :2001/07/16(月) 23:14
24だけど、
>>32 >航続距離を考えるには、KWh/Kgのデータが必要かな。
燃料電池は発電装置なんで、このデータってないよ。
おっしゃる通り、燃料混みのエネルギー密度を考える
事は航続距離を考える上で意味あるかもしれない。
でも燃料電池だと燃料(水素 or メタノールなど)
自体は発電するわけでないから、出力密度(W/kg)の分母
に燃料重量も入ってくるんじゃないかな。、ますます
厳しくなるよ。旅客機考えるなら、グライダー以上の
揚抗比を持つ機体をつくって、ヘリオスみたいによたよた
離陸しなきゃならないと思う。そんなの可能かな。
>>36 山中のメンテフリーの燃料電池って聞いた事ないぞ。
>>37 ,
>>39 それはアルカリ燃料電池って奴で、今新聞などに載ってる
PEFCとは(原理は同じだけど)基本的に別モノだぞ。
41 :
NASAしさん :2001/07/17(火) 01:22
小型機の場合、LPG化が先行しませんか?
42 :
NASAしさん :2001/07/17(火) 11:53
>>40 燃料と、エネルギー変換機を分けて考えた方が良さそう。
手元の資料でNECAR2(1995年当時)のユニットの資料があったよ。
1000W/l 700W/Kg だそうだ。
という事は、150KW位のユニットは200Kg位?
多分写真で見る限りだが、現在のNECAR4では、体積、重量とも半分以下
になっているように見えるが数字は見つからなかった。
モーター重量は、0.7KW/Kg(短時間定格)として
同じく200Kg
インバーター回路なんて、せいぜい10Kg位
合計410Kg位か?
FCユニットを最新の物にして希望的に見積もって、300Kg
Continetal O-200が補機込みの重量で、114Kgだから、
エネルギー変換機と見れば、約3〜4倍の重さがあるって事か。
燃料の方を見ると、
ガソリンのエネルギー密度を9.8KWh/l位、比重を0.75として、
約13KWh/kg 実際の変換効率は30%として、約4KWh/kgと考えられる。
液体水素、(複合材のタンクを使用したとして)又はメタノール
を燃料電池に利用できるのはどの程度のエネルギー密度と
見積もればいいんだろうか?
先は、遠いかな〜
>>41 ブタンを燃料にする燃料電池発電ユニットが出てたので、それも良い選択肢かも
>>43 インバータ使うんですか?
インバータの素子って、寿命が短くて、
環境の変化にすごく弱いし、負荷が掛かると落ちることがありますよ?
お話を拝見していると大変興味深いが、
研究段階ですね。工場で量産って訳にはなかなか行きそうに無い…。
直流電源から、ブラシレスモーター回すから、三相交流作らにゃならんわ。
>>44 インバータにも色々有るけど、もしかして、ピストンエンジンの点火回路に
入ってる奴?あれは、インバータ違い。
ここで言うインバータ回路はエアコンや電車などに使われるドライブ兼制御回路
の事。MOS-FETやIGBTモジュールなので、放熱さえ気をつければ、非常に信頼性
高いですよ。
>>45 私が言ってるのもIGBTの事です。産業機械や電車では放熱どころかクーラーで冷却してますが…。
>>46 バッテリーフォークリフトでは、あんまり聞かないけど、
100 - 200KW程度ではどうですか?
クーラーで冷却って電車ぐらいじゃないのか? 普通は空冷か水冷でしょう。 旅客機飛ばせるような大容量の素子だと地上では しっかり冷却しないとだめでしょうね。
49 :
NASAしさん :2001/07/17(火) 21:25
24です。
>>46 のクーラーは水冷のことと思われ。
エアコンで表面の空気冷やしてもあんまり意味ないでしょ。
>>43 ガソリン改質型PEFCもあるんで、とりあえずガソリンを使うと
仮定すると、結論的にはどうなります?やっぱり重すぎる
(=同じ重量ではパワーが足らない)でないですか。
問題山積みなのは承知の上。 そこのところをどうクリアするべきか?がこのスレのミソ じゃないのかい? 「出来る?」「出来ないヨ。」って会話じゃ厨房でも出来るわな。 電動モーターのメリットは、回転数が低くてもトルクが出せるという 事。 だから、プロペラの翼面積や直径を思い切り大きくして、ゆっくりした 回転数にすれば、プロペラ効率が格段に良くなると思われる。 その辺で、現在60〜70%位のプロペラ効率を90%以上に持っていけると 考えるのは希望的に過ぎるか? 又、200Kgの重量増加でも、その分座席を減らし、効率が向上した分 燃料搭載量を減らせば、C172クラスの機体で複座の練習機には使える。 エンジンに比べ、維持費を安く出来れば、対抗できるんじゃない? 航空ガソリンじゃなく、自動車用の無鉛ガスが使えればそれだけでも ランニングコストは大きく違うぞ。
51 :
NASAしさん :2001/07/18(水) 11:11
俺はこのスレで燃料電池否定派で何回か書いてるんだけど、 このスレが出来るまで、「自動車が燃料電池になるんだから 飛行機も燃料電池になる」などと書きこんでいる人が大勢 この板にいたと思う。 このスレが出来たことで、その難しさを理解する人が増えた なら、それだけでこのスレが出来た意味があると思う。(1 さん、ありがとう) で、俺は否定派だが、燃料電池飛行機を飛ばしてみたいとも 思っている少々ひねくれものである。で対策だが、 --- 長いので続く ----
52 :
NASAしさん :2001/07/18(水) 11:12
--- 続き ------------------ (ちょっと口調が変わります) 現実的なところで2-4名乗りの軽飛行機に限ります。 将来的にPEFCの出力密度が少し上がる事も加味して、揚抗比 をできるだけ大きくする(40以上あるいは50以上が要るかも) +高強度軽量素材(CFRP製でしょうか)にする。すなわち、 高性能モーターグライダーのような機体であれば、将来的 (10年先?)には可能なのかと思います。 このサイズ以上の機体となると難しい。 効率が一番高い燃料電池はSOFCと言いまして。セラミックス製 の燃料電池で効率が発電効率が60-65%になり、PEFCの1.5-2倍 になります。こいつを加圧方式といって燃料ガスおよび空気を 加圧して供給することにより更に効率が上がります。これが 究極の燃料電池でありガイシュツのようにNASAもこの方式を採 っているようですが、モノ自体はまだまだ研究段階。 この加圧型SOFCでかつ揚抗比50,全CFRPというのがかなり究極 に近いかと思いますが、これでどのくらいの大きさの機体が 造れて、何人乗れるでしょうか。大きくなると出力密度ももっ とあげないといけないと思います。 いずれも定量的評価しておらず申し訳無し。
53 :
吾輩は名無しである :2001/07/18(水) 11:40
まずは、軽量で高出力の燃料電池を作ること。 低電圧でも高出力のエンジンの開発も忘れずに。 機体の方は、後からでもどうにでもなる。 そう考えると、まずは燃料電池車を普及して、動力への応用を計る方が先では
54 :
NASAしさん :2001/07/18(水) 11:44
ここまで考える必要ないのかもしれないけど、 あるいは考えると泥沼に入っていくかもしれないけど、 何故「燃料電池」が航空機に必要なのか?って事は考え なくて良いのかな。 1. 低エミッション? 2. 高燃費? 3. いずれ原油がなくなるから? 4. 低コスト? 5. それとも「燃料電池」を使う事自体が目的? 個人的には1がメインなのかなと思う。次いで2。 低コストには成りようがないと思うので、4は却下 (むしろコスト増が許容範囲なのか否かという制約 条件になると思う) ただ、航空機の場合は1,2は既存の内燃機関の改良改善 の余地が大きいのではないかと感じる。3については 代替燃料で内燃機関の方が現実的だと思う。 もちろん、こんな事言ったら話しが続かなくなるのは 判ってるんで気にしないで下さい。ただ、頭の片隅に おいておけば、燃料電池適用を議論する際の燃料選び の参考になるかもね。
>>51 ,52
確かに、思いつき厨房のイージーな書き込みにイラっとするお気持ちは理解
できます。私も厨房の一人ですが、、、
ま、そこは押さえて押さえて、でも、本当は作りたいんでしょ。FCPlane?
実はNASAへレジュメ送ったりしてません?
それはさておき。
L/Dを大きくすると、燃費や巡航性能が良くなるとは思われるが、
主翼のアスペクト比を大きくする必要が有って、構造重量の著しい増加を招く。
構造材料にCFRPを使ったとしても、増加分を吸収するには限度が有る。
上昇率を決めるのは出力/荷重なので、重量増加は避けたい。
この辺のジレンマが設計の難しい(楽しい)所かな?
ガイシュツのSilentのアスペクト比は14 L/Dは31、なので、
最新のグライダーがそれぞれAR30以上でL/D50〜60というのに比べると、
かなり見劣りする。
しかし、非力なパワーで、上昇率を稼ぐには自重を減らすしか方法が無いの
でしょう。
最新のグライダーがMaxW=400Kg程度に対して、Silentのそれは300Kgに
過ぎません。
ついでに脱線すると、Silentのプロペラ直径は1.9mという大口径で1300rpmという
通常の半分以下の低い角速度で回しています。
燃料電池を積んだ商用機を作るのであれば、L/Dの追求はせいぜい現在の機体の倍
位(15〜20?)で、軽量化を考えた方が得策のように思えます。
そして、大口径プロペラで、効率の向上を図るってのは?
又、燃料電池ユニットは、規模が大きい程、効率が良くなりませんか?
例えば、交換膜の面積が2倍になっても、マニホールドやボルト穴の面積が倍に
成るわけではないので、性能は倍以上になる。ってな事がオイラのネタ本には
書いてあるんですが。
だったら、一気にYS-11クラスの代替機を考えちゃった方が良くないですか?
56 :
NASAしさん :2001/07/18(水) 12:50
燃料電池がどのくらい低エミッションに貢献するかは議論の余地があるように思う
>>56 まーね。実際水素燃料の供給源は油田の副産物ってのが有望らしいしね。
でも、今の化石のような有鉛ピストンエンジンよりはまともだし、
メンテコストも下がると思うが?
58 :
1です :2001/07/19(木) 11:14
>>54 私がこのスレを立てたのは、操縦と整備の両方の経験者として、今のジェネアビ
で多用されている古典的なピストンエンジンを何とか代替させられないか?
と考えたからです。
燃費が悪く、頻繁にプラグを磨いたり、点火タイミングを調整したり、ほとんど
毎週面倒見なければまともに飛ばず、鉛入りのガソリン使って有害廃棄物垂れ流し。
整備しても、操縦しても気分の良いものでは有りません。
経営的(なんて偉そうな事言えませんが)に見ても、50時間ごとに1日機体が寝て
しまう現状では、話になりません。
更に、自動車用ガソリンの倍の価格の有鉛ガソリンを何故使わなければならな
いのか?
そこで、燃料電池のメリットは、
1、低エミッション。
2、低燃費。
3、保守点検間隔の延長によるサービスコスト低減
に有ると考えています。
とは、いうものの、このような事が一朝一夕に出来るとは考えて
おりません。
ところで、PEFCや、SOFCって、高度の上昇による気圧の低下って
どの程度影響有るんでしょう?
ターボチャージャーみたいに加圧する必要有りますかね?
59 :
:2001/07/19(木) 14:08
>>57 高温ガス炉で水から生成という方法もあるぞ >水素製造。
>>59 そのエネルギー源はどこから持って来るの?
製造コストは安くなるの?
61 :
NASAしさん :2001/07/19(木) 14:33
>>60 いやいや地上で生成する方法ということ。高速ガス炉って,HTGRのことね。
安くなると思うよ。多分。何より,CO2フリーであるというところが良い。
62 :
NASAしさん :2001/07/19(木) 14:46
>>58 (=1)
54です、なるほど、文面から切実に現状が伝わってきます
ね。現実的には自動車用エンジンの転用等、既存内燃機関
の改良に注力するという事になるんではないでしょうか。
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=space&key=989014246 燃料電池(PEFC,SOFC)は(本当はいろいろ複雑な話しが
有るんですが)基本的には燃料あるいは空気を加圧した方
が効率は高くなります。SOFCの場合は空気は飛行中に割
と簡単に圧縮できるのではと思います。PEFCの場合は、
燃料を何にするかにも依るんですが、加圧水素を使うなら
元々加圧されているので、改めて加圧しなくて良いのでは
と思います。
63 :
NASAしさん :2001/07/19(木) 14:49
↑ あっ、もちろん燃料電池で飛べると仮定した場合ですよ。
64 :
吾輩は名無しである :2001/07/19(木) 16:26
たぶん飛べるよ。着陸はどうかしらんが
>>62 >現実的には自動車用エンジンの転用等、既存内燃機関
の改良に注力するという事になるんではないでしょうか。
たしかにその辺が常識的な線でしょう。
しかし、ポルシェもトヨタも自動車用エンジンの航空機転用をやってますが、
商業的には成功してませんね。
ライカミングやコンチネンタル用の燃料、着火電子制御装置を作るのも
アイデアとしては悪くないかもしれません。
個人的には、点火時期の制御だけでも非接触にしたい。
今のバネで接点がカチャカチャする奴はクラシックカーか?とハンマーで
ぶち壊したくなります。
でも、それを頑張って作り、FAAの認定を取った当たりで、自動車業界じゃ
既に燃料電池全盛なんて事になっていたら、目も当てられないと思いません?
66 :
NASAしさん :2001/07/19(木) 22:14
>>65 >でも、それを頑張って作り、FAAの認定を取った当たりで、
>自動車業界じゃ既に燃料電池全盛なんて事になっていたら、
>目も当てられないと思いません?
思いません。仮に自動車でPEFCが普及したところで、それが
航空機への転用可能という事ではないというのがこのスレの
流れでしょう。
なにか、自動車用の機関と、航空機用の機関に大きな隔たりがあるように 書いておられますが、どんな点が違うのでしょう? 極端な例ですが、大抵の自動車エンジンは、細かい事言わなければ、 出力と重心点に注意し、エンジンマウントと、クランクシャフトを 改造して積み替えるだけで、とりあえず、飛行機を飛ばす事は出来ます。 自動車用の燃料電池が実用化されたと想定して、航空機用に転用する際の問題点 をご提示して頂けると有り難いのですが。
68 :
NASAしさん :2001/07/20(金) 00:48
>>67 出力密度の一点につきる。
って優香、最初からこのスレ読みなよ(リンクも含めて)
>>68 じゃ、結論としては、出力密度を上げれば良いだけって事ですね?
もっと、根本的な要因があるのかと思いました。
方法としては、廃熱も利用して更にエネルギーを回収して
しまうというのは?
更にモーターや、機体の設計を根本からやり直して、重量軽減すれば
良いですね。
例えば、尾翼では、主翼の揚力の約5%程をロスしているので、
カナード方式にして更に揚力を稼ぐ。
操縦感覚の違いで、パイロットにはなじみにくいかも知れませんが、
曲技でもしない限りは慣れの問題。ここで、L/Dを10%UP。
モーターは磁性体と界磁の材料、形状について航空機用に設計されたものは
有りません。本格的に設計し直せば、相当重量軽減できると思われます。
ハウジングの材質、形状も、現在の般用DCモーターはオーバースペックで
重過ぎます。
改良の余地は充分有ると思いますが。
70 :
NASAしさん :2001/07/20(金) 13:49
>>69 上げれば良いだけ...って簡単に言うけど、燃料電池
(PEFC)の出力密度ってのはその構造と何を電解質に
使うかによってほぼ決まるので何倍にも向上しない。
内燃機関に比べて、同じ重量,同じ体積当たり1/10以
下しか出力が出ない。これが本質的な問題。
(なんか話しが最初に戻って進まないな)
具体例で示すと、
>>29 ,
>>43 あるように、現状では
2次電池よりも出力密度が小さい。この2次電池の
出力密度で飛ばせるのは
>>25 にある単座のグライダ
ー。低速大口径の高効率プロペラを使っているらしい。
という事は燃料電池では上記単座グライダーですら
現状では飛ばせない。下記リンクにあるように、
http://lib1.nippon-foundation.or.jp/1996/0241/contents/146.htm 非力なエンジンの場合、全体の重量(機体+エンジン
+燃料+人間)を軽くして揚抗比を上げる事が必要。
上記の単座グライダーは300kgでL/D=31。
以下は私見になるが、
将来的にPEFCの出力密度はそれなりに上がるから、上
記グライダーは飛ばせるようになると思う。モーター
及びプロペラの更なる改良(ってこの単座グライダー
の場合よりどれくらい向上するか不明だが)も考慮して、
この重量/揚抗比に近い設計でどのくらいの大きさの機体
を造ることができるかという事になる。強度等考慮すれ
ば、2-4人乗りの軽飛行機(というよりモーターグライダー
に近いか)が限界ではないかと思う。だから、このクラス
で良いのであれば、将来的(20年以上先?)にはPEFC飛行
機は可能かと思う。
だから、廃熱を利用して、発電するなり、推進力を上げる方法も あるよね。 それに、モーターグライダーにこだわっているようだが、 モーターグライダーは、L/Dは良いが、馬力/荷重=上昇性能は 必ずしも良くない。 余分のペイロードを積む余地も無い。 機体の軽量化を図るなら、旅客機みたいに低アスペクト比で、 L/D = 7位の方が良いんだよ。 機体のL/Dが同じでも、システム全体のエネルギー変換効率が良ければ 目的は達せられる訳だよね。 廃熱の回収まで考えると装置が大掛かりになってしまうだろうから、 取りあえずモーターグライダーには積めない。 機体は双発の旅客機位の方が良いじゃないの。 自動車だって、実験はバスから始まって、小型車に収まるように なったのは最近の事だよ。 俺だったら、YS-11やC-130クラスの機体をテストベッドにする。 YS-11だったら丁度いい中古が有るだろうし。 座席数が半分に減っても、運航コストが半額以下になればいい 計算だね。
72 :
NASAしさん :2001/07/20(金) 14:29
グライダーのペイロードを馬鹿にしてはいけません。 両翼内に合計180kgとかの液体を搭載して3Gでグリグリ旋回しても平気ですよ!
73 :
NASAしさん :2001/07/20(金) 14:44
>>71 90℃の廃熱をどうやって電気に変えるんだよ?
お茶しか沸かせないぞ(藁
というより、文面から察するに、
>>71 は
>>70 の
言ってる事を理解してないようだな。
>>72 いや、あの、機体強度の問題じゃ無くて、馬力/荷重の話です。
でも、180Kgを燃料と燃料電池とモーターに割り振って30KW位の
実験機だったら飛びそうだな。
だれか金出してくれ。改造も整備も操縦も全部俺がやる。
>>73 あのね、L/Dは重量とトレードオフなの。
L/Dと軽量化を両立させるような文章書くほうが分ってないの。
沸点90℃以下の液体を媒質に使って熱機関を回せば充分だろ。
?熱力勉強したことないのか?
ゼーベック効果もあるでよ
76 :
True/False :2001/07/20(金) 16:29
ひょっとして71=74でしょうか。 直線水平飛行時、L/Dは推力重量比と等しいです。 L/D=7とするならば重量の1/7の推力を発生する 必要があります。 しかし何度も指摘されているとおり、パワー密度が低く よってプロペラへの入力馬力も、発生する推力も 小さいものになり、つまりは推力重量比が低くなります。 繰り返しますが、「L/D=W/T」です。
>>76 L/Dを大きくするには必然的にWが大きくなります。
グライダーのように、乗員だけでペイロードを考えなくてよい場合には
ひたすらL/Dを追求しても良いのです。むしろW/Sは大きい方が高速性能
が良くなる。
しかし、少しでも実用性を考えると、離陸性能、上昇性能は無視できない。
だから、Silentは滑空比が低下する事を承知の上で、アスペクト比を
低くして、低L/Dで妥協したのです。そして構造部を軽量化できた分で、
バッテリーを積んだ。
ですから、実験に使う機体はアスペクト比もL/Dもそこそこで、ペイ
ロードが大きな機体を使用し、エネルギー回収率を大きくする実験
をした方が意味あると思える。
Wを論じるときに最大離陸重量だけを見るのではなく、空虚重量との
差を考える必要も有るのではないかな?
Wが小さければ、Tが小さくてもいい訳だし。
一般にエネルギー変換効率はシステムを大きくしたほうが
上がりますよね。
又どうどう巡りになりそうだが。あえて旅客機改造を進めたい。
>>75 ゼーベック効果の効率は良くないので、(10%位)
低沸点液体(代替フロン、アンモニア、他)によるタービン駆動?の方が
良いかも?
ついでに、モーターやインバータ回路の廃熱も回収すれば100点満点 ってうまく行く訳無いよな。
79 :
True/False :2001/07/20(金) 19:25
>>77 「W/TがL/Dより小さいと、そもそも飛べない」
と言っているのです。
そして燃料電池の出力密度では、W/Tは30とかそんな値になってしまう。
お判りいただけないようなのでここまでとします。
80 :
NASAしさん :2001/07/20(金) 22:47
>>79 70ですが、True/Falseさん、他所のスレでもご活躍のよう
ですが、さすが良く判ってらっしゃる。L/D=W/Tってきちん
と書かなかったからいけなかったのかな。参考リンクに一
応あったんですけどね。
>>77 「変換効率10%の熱電素子(藁」ってのも凄いが、低沸点
気体を使った機関にしても、PEFC飛行機に載せたら出力
密度が下がる一方だからますます飛べないぞ。
81 :
True/False :2001/07/21(土) 15:56
>>79 訂正
「小さいと」では逆でした。
>>80 さんは訂正して読んでくださったようですが。
82 :
NASAしさん :
2001/07/21(土) 22:21 70 (=80)ですが、
>>74 >180Kgを燃料と燃料電池とモーターに割り振って30KW位の
>実験機だったら飛びそうだな。 だれか金出してくれ。
>改造も整備も操縦も全部俺がやる。
出力等の数字の妥当性はさて置き、高性能グライダーなら
燃料電池で飛ばせる可能性あると思います。NALってプロ
ジェクト公募ってやってませんでしたっけ。NEDOはプロ
ジェクト公募やってるんだけどこのネタは無理かな?
まあ官庁に頼らず、民間スポンサー(どこかの金持ち)が
つかまる方が早く進むと思うんですけどね。私は操縦なら
できるんですが、PEFCを含めて改造も整備もできないんで、
期待してます。頑張って下さい。