H-IIA/Bロケット総合スレ part 28

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487NASAしさん
三菱重工来年にも、「H2A」3割値下げ、欧米ロケット並みに。
2008/01/07, 日本経済新聞

三菱重工業は衛星打ち上げに使う国産大型ロケット「H2A」の打ち上げ価格を二〇〇九年をメドに三割
引き下げ、欧米の競合他社並みの七十億円程度にする。ロケットを制御するプログラムの開発など事業
体制を抜本的に見直し、受注から打ち上げまでの納期も三分の二となる一年に短縮する。欧米のライバ
ルに対抗できる価格と納期を備え、商業衛星の打ち上げ市場への参入をめざす。
世界の商業衛星打ち上げ需要は年二十機程度。打ち上げるロケットは欧州アリアンスペースが半分を占
め、ロシア・クルニチェフや米シーローンチが続く。三菱重工は昨春、H2Aロケット事業を国から引き継い
だが、衛星の受注実績は〇七年度に打ち上げた分を含め政府系衛星二機、〇八年度は同一機にとどまる。
民間事業として採算を確保するには「最低でも年三回打ち上げが必要」(三菱重工)とみており、通信や放
送などに使う商業衛星打ち上げへの参入が不可欠になっている。
価格引き下げと納期短縮を実現する柱がプログラム開発と生産・検査体制の見直し。打ち上げごとに一か
らつくってきた飛行経路などの制御プログラムは今後、成功時に使ったプログラムに調整を加える方式に
変更。作成期間を従来の三分の一となる三カ月に縮める。
飛島工場(愛知県飛島村)での機体生産は注文生産から見込み生産に切り替える。最大で年間五機を前
倒しで製造する体制を整え納期を一年に短縮、年間四―五回打ち上げられるようにする。
飛島工場と打ち上げ場の種子島宇宙センター(鹿児島県)で重複して実施していた機体検査は種子島に集
約する。現在は三菱重工が担う打ち上げ場の整備は発射直後の補修を三菱重工が実施し、定期整備は政
府が請け負うことや、国の研究に生かすために政府が飛行データを有償で買い取る方向で詰めている。
一連の対策で約百億円の打ち上げ価格は七十億円程度まで下げることが可能とみている。衛星通信会社な
どの打ち上げ希望時期に対応しやすくなり、まず、〇九年一―三月に打ち上げる商業衛星の受注を目指す。
最大手のアリアンの打ち上げ価格は六十億―七十億円。H2Aは受注から打ち上げまでの納期ではクルニチ
ェフやシーローンチより有利な立場に立つ。三菱重工は価格と時期の両面で競争力を高め、競合に対抗する。