新福岡空港建設を考える 第十集

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88NASAしさん
需要予測は「期待値」 経済成長前提、疑問多く

 本当に福岡空港は六年後に限界を迎えるのか−。国や福岡県、福岡市でつくる福岡空港調査連絡調整会議が了承した
将来需要予測は、潜在的需要を見込んだ“期待値”といえる内容。実際には頭打ちとなっている旅客数と離着陸回数に
ついて、右肩上がりで上昇を続けるとしており、数々の疑問が浮かぶ。将来像をめぐる議論が新たな段階に入るのを前に、
分析の前提条件をチェックした。 【1面参照】
     ◇
 ●福岡空港リポート
 ■滑走路の容量
 今回の需要予測でかぎを握るのが、福岡空港の滑走路処理容量の限界値をめぐる議論。
同空港の滑走路は二千八百メートル一本で、一時間当たり最大三十二回、年間十四万五千
回が現空港の処理能力だ。 需要予測では、二〇一二年度に全国の旅客数自体が〇四年度比で
6−13%増え、福岡都市圏の人口増に加え、羽田や名古屋など福岡空港の主要路線の相手地
域の人口増などを背景に、離着陸回数は処理容量を八千回−一万六千回超えるとした。
 国土交通省は、福岡空港の容量オーバーが全国の航空ネットワークに影響するとし「予約は取
りにくく、国内外の交流にも支障をきたす」と強調。福岡空港そのものについても一〇年代前半
になれば(1)新規路線の開設や既存路線の増便は不可能になる(2)一日中、ダイヤの遅延が
発生しやすくなる−などの問題が浮上すると指摘している。 だが、航空会社の間には、施設改善
や滑走路進入時間の見直し、管制能力の向上などで、離着陸回数は増やせるとの指摘も根強い。
 大手航空会社の関係者は「海外の空港では、一時間に四十回を超える離着陸実績もあり、容量拡大は可能。
官民で知恵を絞るべきだ」と話す。
                 6/27西日本新聞(焦点FOCUS)