【じか、に潮風】新日本海フェリーsec9【の日本海】

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675NASAしさん
 舞鶴から敦賀を経て小樽に行くすずらん丸が私が初めて乗った長距離フェリーである。就航し
て二航海目だったと思う。なにしろ総トン数九、三〇〇トン、全長一六〇.五メートル、初代の
大阪商船のあるぜんちな丸とほぼ同じ長さということで感激し、期待して乗ったのだが、就航直
後、しかも長距離フェリー草分けの時期だから、いろいろと段取りの苦労があって結果は散々だ
った。
 まず車の積み方が悪く前方に重い車が入ったのでスクリューが浮いてしまって予定通りの速
力がでず、五時間も遅れて小樽に着いてしまった。もう一つは司厨員がケンカして下船してしま
い人手不足のため船内の食堂が開けず大騒ぎ、乗客大会が開かれて船長に詰め寄るという
一幕があった。東京の夕刊紙にまでこの不手際が報道された。
 もっとも現在は航路も唯一の日本海航路であり、なかなかサービスも定着して好評のようで
ある。創業期の苦労話である。