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NASAしさん:
〇新千歳に学ぶ
中部国際空港会社が、魅力的な空港として参考にしているのが、北海道の新千歳空港だ。
総収入四百三十二億円のうち、「非航空部門」の売り上げ比率が75%(三百二十八億円)
と飛び抜けて高い。
到着ロビーには、大型水槽が置かれ、イトウやアメマスなど北海道の魚が回遊している。
二階から四階まで、吹き抜けの多目的スペースがあり、多目的スペースを取り囲むように
百店舗の物販・飲食店が営業し、観光客やビジネス客でにぎわっている。
「カニなどの海産物をはじめ、チョコレート、乳製品、農産物、ラーメン、工芸品と、北海道
は土産物の種類に恵まれている。それが人気の理由でしょう」。旅客ターミナルビルを運営
する北海道空港総務課長の佐藤憲司さん(38)はそう分析するが、ほかにも“仕掛け”がさ
れている。
館内のあちこちに、ブロンズ像や壁画などの芸術作品や飛行機の模型が配置され、ラベ
ンダーやランなど約八千鉢の花が館内を彩る。この空港のために設立された栽培会社が、
近くのハウスから運び入れた花だ。
多目的スペースでは連日のように、農産物試食販売や工芸品展示会などのイベントが開
催され、客を飽きさせない。
「中部が着目しているのはこうした“遊び心”なんですよ」と、新千歳空港を視察に訪れた
ことのある中部国際空港会社の社員らは口をそろえる。