【再建を】東日本フェリー3【果たせるか】

このエントリーをはてなブックマークに追加
488NASAしさん
奈良盆地の北寄りにある法隆寺の寒さは格別です。とくに正月から3月の初めごろまでが、もっとも厳しい寒波に見舞われる季節です。



正月、金堂や大講堂で行われる「修正会」の法要は、法隆寺を代表する行事です。冷たい風に叩かれる金堂の大きな扉。
隙間から吹き込む寒風。そのたびに堂内の燈明のあかり

が揺れ動き、仏前で焚かれる香の煙が神秘的な雰囲気を醸しだしています。修行僧にとって仏の顔が優しくも見えたり、恐
ろしくも思えるひとときでもあります。ピーンと張り詰めた緊張感とともに、一つの安堵感のようなものを覚え、それは仏に抱かれ、
救われるとの思いにかられているからかもしれません。


吉祥悔過に続いて、「夢殿の十一面観音悔過」や「金堂壁画焼損自粛法要」、「西円堂の薬師悔過」、玄奘三蔵の命日に行われる「三蔵会」などの諸行事があり
、法隆寺にとって最も忙しい時期でもあります。

毎年5月16日から、夏の代表的行事である「夏安居」が始まります。夏安居とは、インドで仏教が発祥したころからの習慣で、雨季の約90日間、僧たちが托鉢を行わず、一つの場所に籠って修学することをいいます。




法隆寺の夏安居は、聖徳太子の遺命によって行われたとする伝承があり、8月15日

まで毎日、西室で説法を行ない、各年ごとに法華経と勝鬘経・維摩経の講義が行われます。


夏安居の時期に「法隆寺夏季大学」があります。


老若男女を問わず全国各地から集まって来られる毎年千人近い受講者が、仏教や仏教史、仏教美術、建築、考古などについて学習され、その受講者の一部の人々は、
境内の子院に宿泊して4泊5日を過ごされます。

かつては蚊に悩まされ、一睡もすることなく一夜を過ごした方も珍しくなく、蚊の大群と戦う受講者の姿が、夏季大学の風物詩であったころを懐かしむ方も多々いらっしゃいます。