【捨てる名言】

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念仏の機に三品あり。
上根は、妻子を帯し家にありながら、著せずして往生す。
中根は、妻子をすつるといへども、住処と衣食とを帯して、著せずして往生す。
下根は、万事を捨離して往生す。
我等は下根のものなれば、いっさいを捨ずは定て臨終に諸事に著して往生を損ずべきもの
なり。よくよく心に思量すべし。

現代語訳:念仏をする衆生には三段階がある。
上の段階のものは、妻子を持ち家に住みながら執着することなく往生を遂げる。
中等の者は、妻子を捨てる(出家)が、衣食住を離れず執着もしないで往生する。
下等の者は、一切を捨てて往生する。
私などは下等の根機であるから、一切を捨てないと、きっと臨終の時になって、万事に執
着して、往生をしそこなうはずである。よくよく心におもいめぐらせねばならない。

  一遍上人全集 播州法語集 春秋社より