ソニー課長はタクシー運転手殴っても許されるのか?

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887It's@名無しさん
別の夜、ひたすらにキーボードを叩く男が一人。

幼い頃、祖父に預けられた際、必ず迎えに来ると男に告げた母とはそれ以来、会っていない。
男は嘘が嫌いになった。

大学を出て新聞社に入った男は誰よりも真実を見つめる目を持とうと思った。
誰にも嘘をつかれない世界。

しかし皮肉にも男にとってそこは真実とは無縁の場所であった。
渦巻く矛盾した情報、巻き起こる正誤、男も歳をとり、時折、ため息をつく。
虚偽に振り回される日々、今日は何十通メールを読んだだろう?
しかし全ての虚偽に悪意が必ずしも無いことも学んだ。善意の嘘の存在は、母を信じたい男を慰める。

原稿のソースが間違っていたというメールが届いた。さて、これも嘘か。
彼は舌打ちをしメールを一瞥、バックスペースで正社員を消し、代わりに出向社員と入力した。