技術系社員が語るソニー再建への道 part4

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つづき)
だから、現状のソニーは組織の性質からして大規模ソフト開発に向いていない。
これが放置されてて、ソフトウェア化の波に乗り遅れるのは必然なのです。

ただし有効な試金石はあって、ハード勢力に迫害されて実力を出し切れてない
ソフト屋を集めて一旗あげようというプロジェクトが80年代半ばに発足した。
そしてプロジェクトでは、ソフトを見下す社内のハード屋を先導するために、
彼らを遥かに凌駕し、ソフトも熟知するハードウェアのリーダーを某H立の
中央研究所からお招きした。これがNEWS一派の誕生話です。

技術とは知識や経験量だけでなく、それをどう使うかの運用理念が大きく
成果を変えるといっていい。NEWS一派は、商売とは別に、水面下でソニー
の技術と理念を推進させる上で大きな役割を果たしたと言える。
NEWS=Network Work Station、つまりソニーのIT基礎技術の発祥でも
あるし、CG/ゲーム、AIBOなどの"下地"となっていった。
しかし、この10年の経理主義でその文化は鎮火させられたようにみえる。

文系の経理屋はキャッシュを生まないものを否定し、技術の"下地"という
ものを理解しない。しないというよりも、技術に主導を取らせないために
理解しようとしない。とにかく自分達の手柄が目立つように、目の前の
キャッシュだけで話をつけようとする。
その傍らで、せっかくハードとソフトが融合しようとする自然な動きが
技術主導で生まれても、それはあえなく刈り取られてしまう。

ま、こんなとこです。
私もその間ッ最中にいて、刈り取られた側の人間です。