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名無しさん@お腹いっぱい。:
人間からバクテリアからイチョウの落日からブラックホールまで、
この宇宙の多様な「現象」を統べるのはたった「4つ」の力―――
電磁気力・強い力・弱い力・重力だと物理学は明らかにしました。
そして最新物理学の「量子重力理論」は、
この「4つ」の力が同じ一つの力であるという結論を出そうとしています。
つまり物理学的対象としてのこの宇宙は、「画一」なのです。
均質でノッペラボウな「力」が、只ひたすら数式の上を滑っていきます。
これからどんな「方程式」が記されようと、どんな「法則」が発見されようと、
それは単にコンクリートの上にコンクリートを塗るような「画一」なのです。
ですから自然科学の魅力というものは死にました。
換言すれば人間にとって「自然」は死んだのです。
これからは、科学という「彫刻刀」は脇役になり、
社会や日常で作動していることが意識もされなくなります。
これからの主役は、人間のなす「想いの力=想像力」です。
自然を超えた超自然的な想像=創造がまず人間の頭の中で起こります。
それをできるだけイメージそのままに、
「科学」という彫刻刀が物質という「画材」を彫り資本主義の流通に「商品」として流す役割に
どんどん堕落していきます。
かつて自然を数式で記すことが「神の意志」を知ることだと考えられていた幸福な時代が
ヨーロッパには有りました。
しかし、もはや2000年代において、
「自然科学」は小説家にとっての「紙とインキ」になり下がったのです。