【Vorbis/FLAC】Ogg統合4【Theora/etc.】
◇Xiph.Org の設立まで◇
1998年9月、一つの事件が起こりました。
MPEG audio layer3(以下mp3)を構成するために必要な特許を持つ独Fraunhofer IIS は
その全てのエンコーダと商用のデコーダに対して特許使用料を要求し始めたのです。
これにより自由に開かれたはずのmp3の技術は、誰もが使用できるものではなくなってしまいました。
そしてその年も終わる頃、その様子をじっと見ていた一人の男がある決心をしました。
その男の名は"Christopher Montgomery"(通称 Monty)。
それまで趣味で音声圧縮の研究を行っていた彼は
mp3の代替技術の研究開発を本格的に始めることになります。
1999年も末、Montyの仕事に興味を示した"Green Witch Internet Radio 社"は
彼を雇い、Vorbisと名づけられた新しい音声圧縮技術の開発は急速に進むことになりました。
"Green Witch Internet Radio 社"は当時自社で開発をしていたストリーミングサーバ
"Icecast"のための特許料フリーのコーデックを探しており、Vorbisはその要求に合致したのです。
"Green Witch Internet Radio 社"はその後"iCast社"に吸収され、Vorbis 開発の支援は引き続き
"iCast社"によって行われました。
そうして、2000年6月20日にOgg Vorbisの最初のBetaバージョンが "iCast社"により公開されました。
→続き
しかし全てが順調にいった訳ではありませんでした。それからそう経たない内に
"iCast社"からの支援は打ち切られ、"iCast社"自体は2001年11月に事業を停止しました。
その後、Vorbisのメイン開発者のMontyとIcecastのメイン開発者のJack Moffitt、
そして"Green Witch Internet Radio 社"の元CEOであるPatrick Mahoneyを中心として
Xiph.org Foundation が設立されました。
この団体はVorbisやIcecastを始めとするXiphのプロジェクトを支援する非営利組織であり、
その資金は寄付と契約仕事に拠ります。
ちなみに資金繰りは苦しいようです。寄付できる方は寄付してあげてください。
http://www.xiph.org/ogg/vorbis/donate.html