[611] URL 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/06(Tue) 11:18:56
重たい掲示板に投稿したのですが消されてしまいましたので、そこに載せたURLだけ転載しておきます。
「反証可能性」の定義
インターネット百科事典からの転載ですが、よくまとめてあると思います。特に「反証可能でない仮説」と「陰謀論」についての議論はこの
件に関して参考に値するでしょう。陰謀論的な議論は、なにかと補足をつけてもとの仮説自体が反証可能でなくなってしまうのです。
http://www.wikipedia.org/wiki/Falsifiability 天文学学会誌データベース
「月の石」(lunar rocks)、またレーザー反射鏡を使った実験(lunar laser ranging)で検索すると、それぞれに関した研究論文が何百とヒット
します。
http://adsabs.harvard.edu/abstract_service.html 副島さん、「月着陸はなかった論」完全版をお待ちしています。
[618] エネルギー 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/06(Tue) 23:36:38
>simonさん
運動エネルギーは速度の2乗に比例するから、脱出速度を使うならばその2乗で比較しなければ意味がないです。質量x速度=運動量
ですが、この数値はあまり意味がありません。燃料の重さは(燃料の質が変わらないとして)エネルギー量に比例するから、エネルギー
を比較する必要があります。
ジョーさんの計算は重力ポテンシャルから計算しているので計算方法が異なっているがこちらが正しい。重力ポテンシャル(マイナス量な
ので、その絶対値は重力圏離脱のためのエネルギーに等しい)は
天体の質量に比例し、天体の半径に反比例するので、物体の質量を同じとすると100/4=25倍。着陸+離脱で同量のエネルギーが必要
と概算すると確かに(質量比で)最初の地球の重力圏離脱には月での着陸、離陸の約10倍のオーダーのエネルギーがかかる。
ただし、ここで宇宙船の質量が約1/20だから、実際に必要なエネルギーは約1/200.つまり、月探査船はロケットの1/200のオーダーの
エネルギーを積んでいればいいことになる。こう考えると不思議ではないですよね。
[620] 論点のすり替え 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/07(Wed) 00:00:10
しかし、ここの弟子の人はまだ「アポロはやらせだった可能性がある」と言い張るのでしょうか。下に「やったからできたんだろうというのは
思考停止」という人がいるが、それは論点のすり替えである。やったのか、やらなかったのかということがこの論争の中心のはず。理系の
人が説明しないのは、説明できないからではなくて、物理の基本すら理解しようとしない人たちにもわかるような説明を考えるのが面倒だ
し時間もないから説明しないのではないか。少なくとも私はそうだった。
下に引いた「反証可能性」のウェブ記事から引用する。
(引用はじめ)
There are other examples of theories, however, that are much less controversial as examples of unfalsifiable claims. Some so-
called "conspiracy theories," at least as defended by some people, are essentially unfalsifiable because, whenever evidence is
presented that tends to falsify the theory, it is explained away, for example, by positing that the evidence is fabricated and spread
by the conspirators.
(引用終わり)
要するに、陰謀論というのは反証可能ではない場合が多い。その仮説に反する証拠が出てきたら、陰謀をたくらむ者によって証拠がねつ
造され、広められたからだという「反論」をして論点をすり替えるからだ、ということです。月の石にしても、反射鏡にしても、科学的な反論
があるわけではない。「反射鏡をロケットで送り込んでばらまく(笑)ことは理論的に可能」というのは典型的な反証不可能な議論です。も
しそういう仮説を立てるのならば、「理論的に可能」ではなく、「実際にそうあった」という仮説を立ててください。そうすれば議論上同じ土
俵に立てます。
断言するが、月に行った論に対する科学的に有効な反論はまだない。月に行っていないかもしれないという者は確かな証拠を示してほし
い。
[624] じろうさんへ 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/07(Wed) 01:43:45
繰り返しになって申し訳ないですが、2つ聞きます。
1)レーザー反射鏡が月に設置されていること、月の石が大量に地球に持ち込まれていることに疑念をはさむだけの証拠が存在します
か。(じろうさんの「月の砂」の話は興味深いですが、プラズマを通すという処理を巨大な岩全体にほどこす技術は存在しますか。)
2) 1)を認めた上で、レーザー反射鏡を月に設置し、大量の月の石をアポロ計画以外の方法で(まったく自国・他国の政府関係者、研
究者、天文家、軍事情報網を逃れて、国内で秘密予算を取り、関係者全員を口封じして)地球に持ち帰ることは、反射鏡や月の石を実験
で使い出した1970年代に可能でしたか。
この2点が崩れない限り、月に行った論は崩れません。月に行かなかった論について、同様の仮説(月に行っていなかったとしなければ
説明がつかない現象)を立てることができますか。できないならば、二つの議論が「どっちもどっち」とはとても言うことができないでしょう。
今のところ、この議論は引き分けではありませんよ。
[629] 終結 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/08(Thu) 00:04:29
まあ、今回の件は、間違いを指摘したら副島氏に罵倒されたので売り言葉に買い言葉で言い返したという部分もあるので、別にもういい
です。(「クーンの反証可能性」などと書いてあったので、多少科学を勉強した者としてはつっこみたくなった、というつまらないプライドもあ
るわけで。)
副島氏の、現在の日本の閉塞感についてなんとかしたいという気持ちには共感する。行き過ぎたアメリカ支配に異議申し立てしたいとい
うのも賛成。しかし、脆弱な議論は最後には淘汰される。本当に現状打開したいなら、臥薪嘗胆、現実の生活でこつこつ実力を積んで挽
回するしかない。世界基準の知識を身につけるしかない。
って、副島さんが前からいってたことじゃないか。
アポロの件についての書き込みはこれで最後にします。またROMに戻ります。さようなら。
[630] 「大きな諸問題点に、正面から答えなさい。逃げるな」 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/08(Thu) 12:42:49
前言撤回するようで悪いのですが、今日の副島氏の掲示をみてあきれました。まだ自分の説が論破されたことに気づいていないのです
か。
残念ながらもう取り返しがつかないほど副島氏の言説への信頼は傷つきました。今のところ、副島氏の月に行かなかった論は、詭弁のフ
ルコース。
●反論不可能な陰謀論
●問題のすり替え
●人格攻撃
●権威主義
これが他の政治・経済の言論にあてはまらないといえるでしょうか。
これでうやむやにするんじゃなく、「月着陸はなかった論」をお待ちしています。科学的に正々堂々と反論してください。パブリックがどちら
が正しいか判断を下すでしょう。
[631] 2つの疑問・再掲 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/08(Thu) 14:11:44
1)レーザー反射鏡が月に設置されていること、月の石が大量に地球に持ち込まれていることに疑念をはさむだけの証拠が存在します
か。(じろうさんの「月の砂」の話は興味深いですが、プラズマを通すという処理を巨大な岩全体にほどこす技術は存在しますか。)
2) 1)を認めた上で、レーザー反射鏡を月に設置し、大量の月の石を地球に持ち帰ることは、アポロ計画以外の方法で(まったく自国・
他国の政府関係者、研究者、天文家、軍事情報網を逃れて、国内で秘密予算を取り、関係者全員を口封じして)反射鏡や月の石を実験
で使い出した1970年代に可能でしたか。
この2点が崩れない限り、月に行った論は崩れません。月に行かなかった論について、同様の仮説(月に行っていなかったとしなければ
説明がつかない現象)を立てることができますか。
[635] Re[634]: 追加情報 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/09(Fri) 12:33:17
ジョーさん
>まさか、3段目の衝突地点とそののちに打ち上げられたアポロの着陸地>点とが一致しているなんてことはないですよね、
Bread'n'butterさん?
>そうすれば、レーザー反射鏡を置く手間がはぶけます。
私を指名されても困るんですが。3段目が月に「衝突」すると、なぜレーザー反射鏡を「置く」手間が省けるのですか? 月のうさぎさんが
「衝突」したロケットの残骸から反射鏡を出して「置いて」くれるのですか?(笑)
[644] たぶん今度こそ総括 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/11(Sun) 12:01:18
ここにきて、「月に行った」「行かなかった」という論争はおさまりつつあるように見えます。「月に行った」派から見れば、「行かなかった」派
の反論のネタが尽きたからだと言いたいところですが、これ以上は追及しないことにしました。山田ひろやさんの「ナチュラル・サイエンス
は政治に従属する」論も、ごく当たり前のことを書いていると思いますので、別に反論はしない。副島氏のアポロ陰謀論の弁護にはなって
いないが。(政治がなんと言おうと、地球が太陽の周りを回っている事実に変わりはない。同様にアポロが月に行った諸々の証拠も揺ら
がない。もちろん、アポロ計画に国威発揚の意図があったことは否定しない。)
しかし、このサイトの会員でこの論争に関して態度保留にしている人たち、あきらめたほうがいいと思いますよ。もう一度ぼやき430を読
んでみてください。この疑惑の根拠は副島氏が例のフォックステレビの番組を見て、何となく思いついたという程度のものなのです。
あなたたちが「じっくりと事実を検討したが、やはり月着陸はなかったと思う」などと言い出したら、このサイトを見ている一般人たちから
は、副島氏の言うことならばここの会員は何でも信じるのか、というふうにしか見えないと思う。いや、会員にしてみれば、態度保留にし
て、時間稼ぎをしてこの問題が風化するのを待つしかないのかもしれない。あえて追いつめるようなことはこれ以上申しません。
この論争で「月に行った」派の側にたって副島氏を攻撃していたのは理系の技術者・研究者ばかりということになっているようですが、私
は違います。大学では物理を専攻しましたが、現在は人文系の仕事をしています。私が反論に使ったのも、多少のインターネットのリサ
ーチと、高校の物理程度の計算のみです。別に専門家にしかわからない言い方はしていないと思う。
299 :
bloom:03/05/14 04:21
私がこの件でなぜ書き込む気になったかを振り返ってみると、憎しみと言うよりは落胆に近いものだった。日本の社会科学系学問に科学
の厳しさがないという主張には日頃から大賛成していたからだ。しかし、それゆえ、それこそ基本的な科学的な思考すらできていない氏
の主張に、唖然とし、何とか撤回してほしいと思って、注意を引こうと議論で勝負しようとした。しかし、罵倒されたり、問答無用で書き込
みを削除されたりして、今思うと多少筆が滑ってアグレッシブになったとしかいいようがない部分もある。(削除された書き込みは誰かが
某巨大掲示板に保存してくれた。)
対話の方法はともかく、現在でも譲れないのは、
竹槍で戦闘機は落とせない
という事実である。これは弟子の人たちにも気づいてほしい。アメリカの覇権に本気で対抗しようというのなら、実力をつけるしかないので
ある。仲間の兵隊が竹槍で勝てると思っているならば、その仲間は止めなければならない。日本はいま変わらなければならないが、だか
らこそ本物のみが生き残らなければならない。
京大とカリフォルニア大学が、人文・社会科学の交換留学制度をつくったところ、京大の教育の質があまりに低いとわかってカ大の方から
断ってきたと聞く。アメリカの政治的意図云々と言うより、確かに京大の教育の質が低かったということだろう。私はこのような状況に危機
感を覚える。そこで必要なのは、副島氏が常日頃主張していたように、日本の文系学問の足下を根本から見直すことだ。しかし、そこで
副島氏のアポロ陰謀論である。私はもう取り返しもつかないほど失望した。
私は会員でもないし、この場には義理もない。ただ、単なる悪意や中傷のために一連の書き込みをしたのではないことは理解して頂きた
い。
[649] pNullさんへ 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/11(Sun) 14:02:09
私のことをご心配いただきありがとうございます。経歴について細かく書かなかったためいろいろ想像されたようですが(夜中に酔っぱらっ
て論争相手に電話をかける人のサイトにプライバシーを明かしたくないので)ご心配なく。現在の仕事では逃避したらすぐ身分が危うくな
るような場所でもまれていますから。
一時期はこのサイトも活発で質の高い書き込みも多かったんですよ。特に、おくやまさんがいた頃の「アメ政」で、私は英語圏のニュース
をどう読むかを学びました。「ぼやき」も確かに昔は面白いと思った。最近は惰性で読んでいた部分もありましたがね。
ただ、会員にならなかったとしても、ここを読みに来る人間というのは、誰しもどこか副島氏の書いたものに魅力を感じて来るわけで、あな
たのいうような現実逃避、「自分自身や自分の認識を懐疑すること」の回避などの兆候を抱えているのかもしれませんね。よく考えてみま
す。
ただひとつ、現在の日本の閉塞感、停滞感を、陰謀論で解消した気になってはいけない。アポロ計画を否定して反米アイデンティティを補
強しても一つの利もない。
「信者さん」奪回作戦はどうぞ時間と余裕のある方が続けてください。私は、これから忙しくなるので、掲示板に書き込むような時間は取
れないと思います。
[668] 再現性について 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/13(Tue) 00:16:10
「人類の月面着陸を再現してみよ」ということですが、再現可能な月着陸の証拠がありますよ。それは、レーザー反射鏡の存在です。私
の最初の投稿にあるように、フランスの観測所が1997年に反射鏡を使って実験しています。アポロ計画で設置された反射鏡は3つあ
り、すべて1970年代以来実験に繰り返し使われています。テキサスの天文台が一番活発にこの実験をしているようで、また「口止めさ
れているのだ」という陰謀論が出てきそうですが、上に示したように、現にフランスの観測所が実験に使っていますし、原理上どの国の観
測所でも十分に強力なレーザーと検知器があれば実験を再現できるわけです。
前に投稿した天文学の論文データベースで納得がいくまで調べてみてください。
どこかに「反射鏡は決定的証拠にならない」というリンクがありましたが、それは、反射鏡の構造について、どの角度からレーザーを送っ
てもそのレーザーが来た方角に正確に反射するという議論でした。それならば、まず反射鏡の存在を認めるのか、そして、アポロ計画以
外に反射鏡を置いた宇宙計画があったという証拠があるのかを示さなければなりませんね。もちろん、当時の天文家、軍事情報網(ソ連
も含む)の目をかいくぐって、ということです。もしロケットから落としたというなら、そのロケットはどうなったのか。それこそ証拠が必要で
す。
[669] 私見 投稿者:Bread'n'butter 投稿日:2003/05/13(Tue) 00:21:05
今回のぼやき433では、月に行った派の人の手紙を完全に読み違えるという、国語力のなさすら露呈してしまった。副島氏の科学哲学
も、たんに自分の保身のためのおいしいとこ取りで、支離滅裂。見事な負けっぷり、とも言いたくなる。
『知の欺瞞』のソーカル事件など、人文系の学者が科学に口を出して失敗するというのはよくあること。実は、その後の反応によって、批
判された学者・学派の本質が見えてくる。ソーカルの論文を載せたカルスタ系の雑誌と学者一派は、問題をすり替えて逃げた。ジャック・
ラカン派の精神分析はほとんど宗教になっている現実が露呈した。
ジャーナリズムなら、間違いを認めて信頼回復に努める。ニューヨークタイムスは自社の記者の捏造記事に対して、検証記事を発表し
て、謝罪した。毎日新聞も同じ。両社とも信頼回復できるかわからないが、これが普通の対応ではないか。
問題は、副島氏がなぜ「間違いでした、すみません」と謝れないかではないですかね。謝れないところに副島氏の言論の本質があるので
はないか。
そして、なぜわれわれが副島氏の妄想につきあうのか。そこが一番の問題かもしれない。
[677]繰り返し言う。「月着陸はなかった論」は科学的には破綻している。 投稿者:Bread'n'butter投稿日:2003/05/13(Tue) 22:45:46
私は甘かったのだろう。「月着陸はなかった論」の屁理屈が尽きたかと思って手を引こうと思っていたら、副島氏の妄想を「信じる」人が出
てきてしまった。理科系の人は政治言論に慣れていないから、少し怒鳴られるとコロッといってしまうのかもしれない。各論で反論しても、
また「理系人間の無駄な抵抗」と括られるだけだ。
繰り返し言う。副島氏が述べた「月着陸はなかった論」のうち、科学的に有効なものはただの一つもない。もう一度ぼやき430を読んで
ほしい。山のような諸々の掲示板の書き込みにも、月着陸を否定する証拠になりうるもの(状況証拠は除く)は一つもない。あるなら理科
系掲示板に再掲せよ。心ある人が一つ残らず反論してくれるだろう。
いま副島氏が確信を持っているように見えるとしたら、それは彼が体を張った最後の抵抗を、全力で試みているからだ。副島氏は必死で
ある。この一件は、はからずも氏の評論家生命を賭けた戦いになってしまった。(「アポロ計画はないと言った副島」を相手にしてくれる出
版社があるだろうか。副島氏は「グローバリストの陰謀」などと説明するだろうが。)ゆえに氏は生き残りを賭けて言い逃れを試みている
のである。だからといって、副島氏が正しいということにはならない。もう一度書く。ぼやき430を読んでほしい。どこに疑惑があるのか。
氏はそれほど深い理由もなくこの一歩を踏み出してしまったのである。後になって再現性だの、サイエンスだの、学問だのといっても、そ
れは時間稼ぎ、議論のすり替えをしているに過ぎない。副島氏は勝ち目がないと心の片隅で思っているから、「再現してみよ」などと言っ
て時間稼ぎをしているのだろう。この議論は、どう考えても副島氏に勝ち目はない。
ごまかされてはいけない。人が集まっているのは、ある元知識人の裸踊りを眺めるためである。弟子たちも、この川を一度渡ったら、普通
の世界へは戻ってこれない。一生一緒になって裸踊りを続けるしかなくなる。日和見・態度の保留は許されない。少しでも将来のある人
は今すぐこの場を去るべきだ。
私も副島氏の政治的直観・嗅覚には感心してきたし、今でもそれに引かれる部分もある。今までの副島氏の読者ならば、アポロ計画が
アメリカの陰謀だとしても驚かないだろう。しかし、今度ばかりは明らかに、100%負け戦なのだ。このままついていっても犬死にするだ
けだ。
負けてはいけない。自分の頭で、納得がいくまで考えてください。