うーん
この宮台の意見は合ってる部分と間違っている部分があるな
間違ってる部分から言うと鄭大均らの例を出して「帰化は容易」だといってること
そしてそれへの反論を水掛け論として切り捨てていることだな
社会学者なら、標本採集の段階でバイアスを排除するのが社会調査の基本であると知ってるはずなのに
「帰化成功者」中心に帰化が容易か否かのサンプルを取っているのは正しくない
帰化成功者が帰化が簡単というのは当たり前のことで、それだけで全体を断定するのは
社会調査の基本からして正しくない
現実に帰化はそう容易ではない(家族の反対とかいうレベルでなく、あくまで法的レベルの話で)
現に、自民党の一部から特別永住者への国籍付与法案が出ているのは
帰化がそう容易ではない現実を認識しているからだよ
そして、それを「容易か否か」という相対的な評価の問題に矮小化し、水掛け論であると切り捨てるのもおかしい
そして
「帰化がとてもメンドーだ」→「だから参政権がない。」→「だったら国籍化なくても参政権を与えろ」
のシークエンスと
「国籍が取得しにくい」→「だから参政権がない。」→「だったら国籍化なくても参政権を与えろ」の
シークエンスとはかなり異なる
「メンドー」と「取得しにくい(あるいは取得不可能)」とは、現実的な困難度のレベルが違うにもかかわらず
混同している宮台のほうがミソとクソを一緒にする議論だな
まあ、総じて宮台はこの手のエスニック問題にあまり興味がないか
現実的な知識がいまいち足りないという印象を受ける
俺は、現状の定住外国人地方参政権には疑問があるので、棚上げすべきであるという立場だが
一方で、国籍取得が想像以上に困難であるという現実をも直視すべきであって
後者をネグって、前者のみを主張するのは整合性に欠けるいい加減な議論だな
まして日頃から「社会的包摂」などと言ってる宮台ならば、怠慢といわれてもしかたないズボラさだな
で、合ってる部分はというと
「在日=強制連行」を吹聴したのは日本の左翼であるということ
たとえば、社民党の党首である某氏が「東大」卒の「美人」「弁護士」として
マスコミでもてはやされていた頃、彼女らがよく話に出していたのが「従軍慰安婦」問題
この問題は、二つの側面があり
ひとつは朝鮮、台湾、インドネシア等の人間を徴用した人種民族差別としての側面
もうひとつは男が女の性を搾取する性差別としての問題
そして、彼女が従軍慰安婦の視点として持ち出していたのは前者でなく後者
フェミニストとしては、慰安婦問題は男尊女卑の象徴であり
男どもを叩くための格好の事例として盛んに取り上げられていた
一方で、慰安婦問題が大々的に取り上げられることに眉をひそめる保守層は
これらの主張に反発していたが、その反発の対象はなぜかフェミニストでなく
韓国朝鮮人などのエスニックマイノリティに対して行われた
つまり、左派の文化人が己の主張をする際に、日本の過去の戦争の暗部を持ち出すときに
朝鮮人の問題を引き合いに出すパターンは結構あるが
左派であっても、朝鮮韓国の問題にはさほど関心がなく、というか実はどうでもよく
他の主要な意図(たとえばフェミニズム)を持ち出すために利用しているというのが実態
そして、それに対抗する保守・右翼の批判のターゲットになるのは
左派が利用しているだけで実はさほど関心のない韓国朝鮮人、という歪な状態になっている