神保・宮台の丸激トークオンデマンド16

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105 ◆xFCNEKOPO.
さて、いまパート1を見終わったのですが、山崎さんは想像以上に無茶苦茶ですね。
視点が完全に郵貯の企業経営、企業としての政府の運営というミクロのレベルに留まっていて、
マクロ経済のお金の流れとか、物価とかいったことに考えが及んでいません。

たとえば、「いまは金利が低いから借金が増えずに助かっている」
「景気が回復したら、金利があがって財政が破綻する」といった趣旨の発言にそれが
あらわれています。これは物価変動を無視して名目値だけに注目したトンデモ発言です。
デフレ下では、金利が高止まりして借金は重みを増します。これは教科書にも議論の余地無く
断定的に書かれている常識です。

名目金利 = 実質金利 + 物価上昇率・・・金利と物価の関係を表す簡単な式です。

いまはデフレであり物価上昇率はマイナスです。名目金利は低くても、
実質金利は高くなっています。そして不況のため経済成長率が伸び悩んでいます。
106 ◆xFCNEKOPO. :2005/09/19(月) 02:14:17
政府の債務が膨れ上がって返済できなくならないようにするには、まず
 名目経済成長率 > 長期国債の利率(名目金利) 
という条件を満たすことが大前提です。

小泉就任後のGDPの・成長率と 長期国債の利率
      名目GDP ☆名目成長率  実質国内総生産 実質成長率  ☆長期国債の利率
 2001年度 501.3    ▲2.4     509.5         ▲1.1        1.4
 2002年度 497.5    ▲0.7      513.5           0.8        1.0
 2003年度 501.6      0.8      524.0          2.0        1.4
 2004年度 *505.5    *0.8     *534.0          *1.9        1.5

☆のついている2つの項目を比較してください。名目経済成長率が伸び悩み、
長期国債の利率を下回っていることがよくわかります。これでは借金は返せません。
デフレ下では借金が重みをまし、返済がきつくなるということがよくわかると思います。
↓の資料でもわかるように、いまでも政府はものすごい勢いで借金を増やしていて、
10年以上ほぼ変わらないペースで伸び続けています。

国及び地方の債務残高の国際比較(対GDP比)
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/007.htm

政府の借金を返すためには、まずデフレからの脱却が必要です。
デフレから脱却しなければ、名目成長率が伸びずに借金は膨れ上がるばかりです。