28 :
名無しさん@社会人:
哲学板で聞こうとずっと思ってたんだけど、日本のアカデミズムの思想界で大陸系が主流で
英米系が衰退したのはなぜ?
日本で英米系が強いのは科学哲学と倫理学系かな?経済思想も経済学部は近経ばっかなのにねえ。
日本思想史の研究でこういうのないかな?
29 :
名無しさん@社会人:05/03/14 12:33:28
戦前は国立大は大陸系、私立大は英米系だった。
戦後は国立大は引き続いて大陸系、私立大は遊園地に商売替えした。
30 :
名無しさん@社会人:05/03/14 12:44:57
戦前の英米派は1930年代の政治的動揺の中で左右の大陸派に両翼包囲されて殲滅された。
戦後は左のマルクス主義が圧倒的に強かったから、近代経済学を除く文系の学問は大部分大陸派に占められていた。
散発的にゲリラ的な活動をする英米派もいたけど、学内政治ではほとんど無力だった。
近代経済学は社会科学の中で一番論理的厳密性が高かったので、マル経の政治的圧力に対してなんとか
対抗することができた。もちろん、それには科学哲学を取り入れて方法論を厳密にしようとした経済学者の
必死の努力も大きい。
近代経済学はマル経との長年に渡る死闘を経て、冷戦の崩壊でついにマジョリティの地位を占めたけど
、今でもマル経の残党はゴロゴロいてなかなか排除できない。
他の社会科学なんて死んだも同然だ。
31 :
名無しさん@社会人:05/03/14 12:55:03
日本の英米系が蹴散らされたのって、現実世界で自由主義が左右の共同体主義に
蹴散らされたのと同じだよな。
自由主義者は政治を必要悪と考えるから、政治的な人間が多い共同体主義の団結した
パワーには勝てない。
378 :名無しさん@社会人:05/03/08 21:03:15
エイヤーは、一九三三年にウィーンからアイザイア・バーリンに送った熱狂的な手紙の中で簡潔に
述べているが、「現在のドイツの哲学者たちはみな、詐欺師かばか者です。まさにハイデガーについて
考えることが彼らを病ませているのです」。
ウィーンの実証主義者たちにとって、ハイデガーの著作は反動的、反科学的な形而上学への回帰であり、
この形而上学は政治的には汎ドイツ主義的野心と結託しているのである。これに続く十年は、
悲しいことにカルナップの懸念が正しかったことを証明し、その多くがユダヤ人であったウィーン学団
の主要メンバーはみな、一九三八年のナチスドイツとの「併合」の時に周辺の国々に逃れた。
バートランド・ラッセルが述べているように、「これらの人々が甘受した厳しい論理的訓練が、熱狂的な
ドグマの感染に対する免疫を与えたように思われる・・・・・・」。
ハイデガーは一九三三年に国家社会主義に熱烈な政治的関与を見せ、その後沈黙を深めたが、そのことも
また彼の追随者たちを悩ませた。
サイモン・クリッチリー 『ヨーロッパ大陸の哲学』 岩波書店 より
身にしみる文章だなあ・・・
33 :
名無しさん@社会人:05/03/14 13:27:40
戦後日本の近経学者の戦いはドラマにしたら面白いかも