今回の事件で一部メディアが自己責任の問題としている。
果たしてそうだろうか。
確かに、危険な地域に行く以上、自分に危害が加えられることを覚悟して
行っているのだろうし、それで拘束され、最悪殺害されたとしても、これらは
「自己責任」の範疇だろう。
しかし、今般の事件においてはどうか。
拘束されたことまでは、前述したように自己責任だ。
しかし、この結果として、日本国政府に脅しをかけられる。このことまで
自己責任ということができるのだろうか。
すなわち、日本国政府が自衛隊派遣をしなければ、今般の要求には
ならなかったのであり、かかる自体まで自己責任ということはまさに
ファシズムの表出ではないか。
我々は、近代原理にのっとり、国家に従う自由とこれに抵抗する自由とを
持ち合わせている。
抵抗したがゆえに、「自己に」危害が加えられる。これは自己責任である。
しかし、今回の事件は、彼らの行動は国家の政策がゆえに拡大したのであり、
拘束された3人の自己責任の問題ではない。
強いて言えば、国家の政策がゆえの「国家の」自己責任であり、これを
3人の自己責任に置き換えることは、まさに国家に従わないものは許されない
とするファシズムそのものではないか。