>>631 救急車で係りつけの産婦人科に搬送された小栗鼠。エアマスクをつけたままストレッチャーに乗せられそのまま分娩室へ。少年襟とマスコッツ、ついて来てくれた近所のカズナリ兄さんの目の前で、バタンと鉄の扉が閉まる。
「ママ…ママ…ママぁ」
「大丈夫やって少年襟くん、君のママは強いよ…んでなんでお前は不気味な図体でオタついてんねん」
オロオロ廊下を歩き回る少年襟に優しく声をかけ、同じく落ち着かないシャウエッセンマンには容赦ない廻し蹴りを入れるカズナリ兄さん。弾みでソーセージが零れて廊下の隅に転がって行き、ロビー君とインコ怪人がそれを慌てて追いかけるが、インコ怪人が足をもつらせてすっ転ぶ。
「廊下では静かにしなさい!」
分娩室から顔を出した看護婦さんに怒られてマスコッツはその場にフリーズ。少年襟はカズナリ兄さんの手をギュッと握りながら看護婦さんに問いかける。
「あの…あの、ママは?赤ちゃんはどうなるんですか?」
「…心配ないのよ、ここにはとっても腕のいいお医者さんがいるんだから」
答える前に一瞬間があったのに気づき、カズナリ兄さんは少年襟の手を強く握り返す。