月刊FC岐阜 ワイド版 上
集金術 北九州に学ぶ
FC岐阜とギラヴァンツ北九州の成績
岐阜 北九州
2010年 13勝17敗6分(14位) 1勝23敗12分(19位=最下位)
2011年 4勝20敗4分(20位=最下位) 11勝10敗7分(8位)
※2011年は第30節まで
FC岐阜は、昨季の14位に続いて今季も低迷し、現在最下位。今西和男社長は
9月22日の自治体などとの会合で、「J1に上がるには資金が必要だ」と
金銭支援を求めた。
だが、同じような財政規模でも、今季の北九州は元日本代表の三浦泰年監督を
迎えるなどチームを補強し、上位に食い込む。「何が違うのか」。
そう思ってギラヴァンツ北九州を視察したFC岐阜広報担当林幹広さん(35)が
痛感したのは、集金力の差だった。
ファンサービスで、多くのチームが観客の一部を無料で招待する。FC岐阜は
昨年の入場者計55950人のうち4割が無料招待。北九州は1割だった。
FC岐阜も来季に向けて、今まで無料だった招待用のチケットを買い上げて
もらうよう、企業に1口50万円〜100万円の援助を頼む方針だという。リピー
ターが増えることを期待して無料招待を続けてきたが、1試合当たりの平均
観客数はほぼ横ばいと成果は出ていない。
来季はJ2の開催日が日曜日となり、観客が減る可能性もある。「日曜の
ナイターだと、翌日の学校や仕事のことを考え足が遠のく。夜の早い地方の
クラブは痛手だ」とFC岐阜の林さんは嘆く。
成績次第ではスポンサーですら協力をしぶりかねない。ある社長は「低迷の
理由が説明されなければ、減額もある」ときっぱり。 (田嶋慶彦)
2011年(平成23年)10月9日 日曜日 朝日新聞