◆◇◆　横浜F・マリノス　part684　◆◇◆

それを知ってのことか、サポーターはクラブを糾弾するような行動をあえて起こして
いない。だが、それに甘えていいはずもない。齋藤社長の「期待を持たされている
サポーターもたくさんいると感じるが、俊輔くん自身が出した結論なので、それに尽きる」
というコメントだけでは不十分だ。クラブは何かしらの経過説明を行うべきだろう。

そしてすべてを「最後は本人の意思だから」で終わらせようとするのは危険すぎる。
5月の正式オファー時、齋藤社長は「クラブは一枚岩となって…」と発言したが、
本当にそうだったのか。実際には10日の急展開以降、クラブ内では足並みの乱れが
生じていた。本来、中村俊輔獲得という大事の前には、「不手際の責任を誰が取るか」
など実に些細なことだったはずだ。結果として獲得に失敗したからというのではなく、
一枚岩になって戦うべきとき、それができていなかったという点で、横浜FM首脳陣の
責任は大きい。

戦力的、営業的な損失と同時に、サポーターを含めたクラブ全体に精神的な喪失感
すら残してしまった一連の出来事は、単なる補強策の失敗としてではなく、クラブとして
の在り方を問い直す好機ととらえたい。戦うべきときに、同じ方向を見られない悪しき
体質。それが改善されないかぎり、横浜FMに明るい未来はない。