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441U-名無しさん
ニッカン 社会面 '08人物探検隊
・ジェフ千葉普及コーチ 池上正さん ”少年サッカーのオシム” 教え子10万人
1人の少年サッカー指導者が注目を集めている。
Jリーグ・ジェフ千葉の普及コーチ、池上正さん(51)だ。
29年にわたるジュニア年代のコーチ経験から「子どもに考えさせ、自立させる」が指導のモットー。
千葉が主催する「サッカーおとどけ隊」で延べ10万人の子どもを指導してきた。
池上さんが登場すると、わずか数分で子どもたちは目を輝かせ、練習に集中する。
その指導法、指導哲学は他のスポーツや、子育てにも通じるものがある。

池上さんは、まず子どもを困らせる。
2人1組で行う簡単なシュート練習。
1人が左右の足を開いてゴールをつくり、もう1人がシュートして足と足の間を通せばゴール。
まず、子どもと組んでお手本をやってみせる。

−子ども−「開いて」。 …池上さん、かかとを付けたまま、足先だけ開く。
−子ども−(困った顔で)「ちゃんと開いてよ」。
−池上さん−「開いてるよ」。
−子ども−「またを開くの」。 …池上さん、今度はかかとを付けたまま、両ひざを開いてまた下だけ広げる。
−子ども−「ずるい!」
−池上さん−「ずるくないよ。 ちゃんと開いてるやん」。

ちょっと意地悪に見えるが、子どもが自分の意思を相手に正確に伝える言葉を、池上さんは待っているのだ。
サッカーや、野球などの少年スポーツ、そして家庭や学校教育に至るまで、子どもたちはコーチや親、
先生たちの過度の干渉の中で育っているのではないか、と池上さんは危惧を抱いている。

「コーチや親や先生たちが、あまりにも子どもにかかわりすぎて、自分で考える機会を奪っていると思うんです。
 だから、ボクは、子どもたちがまず、自分で考える機会を作るようにしています」。

続く
442U-名無しさん:2008/02/18(月) 02:31:16 ID:34ruWv4P0
続き

ジェフ千葉で「サッカーおとどけ隊」を立ち上げ、これまで延べ10万人の子どもたちに、サッカーを教えてきた。
おとどけ隊のコーチは2〜3人。
多いときは、1度に200人以上の子どもを1人で見ることもあるという。
そんな大人数を相手に、わずか数分で子どもたちの心をつかみ、子どもたちが目を輝かせて、
次のメニューを待つ雰囲気をつくり上げてしまう。

決して大声を出すことはない。
手の動きに注目させ、子どもたちを使って、指示を伝達させる。
約2時間の練習は、最初に鬼ごっこや、ドリブル練習。 最後に4対4のゲーム。
4対4のゲームでは、多くのピッチをあらかじめ用意しておいて、チームやルールは自分たちで決めさせる。
池上さんはゲームのスタートと終了の笛を吹くだけ。
その間、チームをつくれず、試合が出来ない子どもが出ても構わずメニューを進める。

「できない子どもがいてもいいんです。 次にやるときに、自分で考えてやろうとしますよ。
 ルールだって、自分たちで話し合って決めればいいんです。
 肝心なことは大人が口だししないで待ってやること」。

池上さんは、大阪のYMCAで水泳やサッカーを指導、地域の子育て支援にかかわってきた。
指導経験の中で、子どもを伸ばすには、その自立を促すことの大切さを学んだ。
教えすぎない、干渉しない。
子どもに考えさせることで、教えすぎるよりも、サッカーがうまくなることを体験した。
元GM祖母井秀隆氏に請われて千葉入り。
前日本代表監督のイビチャ・オシム氏の指導を目の当たりにしたとき、それは確信に変わった。
オシム氏も日本代表の選手たちに「考えてプレーする」ことを説いていた。

日本サッカー協会の指導者講習会で、池上さんの指導法が注目を集めている。
生徒として通う講習会で、インストラクターが池上さんの指導を参考にするほどだ。
各地で講演に呼ばれることも多い。 池上さんはコーチや保護者に語りかける。
「子どもを伸ばすには、まず大人が変わらなければいけません。
 教えすぎや、かどの干渉は子どもをつぶしますよ」。