日刊朝刊に忠成記事
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思わず、こちらがまごついた。U-22代表のベトナム出発前の国内最終調整後。
柏担当記者に囲まれたFW李忠成は聞いてきた。「皆さんはベトナムに行かれるんですか?」。
行かない、と返すと、「そうですか・・・。僕がゴールを決めないばっかりに、行けないんですよね」
と申し訳なさそうに話した。こちらが同行できないのは人員的な問題。李の思い違いではあるが、
その人情深さに込められた言葉に胸が熱くなった。
(中略)
記者として、李の言動は常に楽しみにしてきた。表現力が豊かだ。東京時代に試合に使って
もらえなかった原監督との古巣戦前には「日本と韓国がやるようなもの」と日韓対決に例えた。
時にストレートすぎる物言いにヒヤヒヤすることもあるが、人間らしさが伝わってくる。
成田空港へ向かうバスに乗り込む直前に言われた。
「皆さんの思いも汲んで戦ってきます」。この、おとこ気が反町ジャパンを救うと、願っている。
【広重竜太郎】