サッカー専門新聞-EL GOLAZO Part12
日本代表がおかしい。ある一部の選手間で殺伐とした空気が流れている。
その一方、集中力のない選手が揚々と胸を張る―。
さて、どうしたものか。
数ヶ月後にワールドカップを控える日本代表から、
緊張感が全く伝わってこない。この表現を百歩譲っても、活気がない、ということになろう。
練習中での積極的な声出しなど皆無。
何となく紅白戦をして、何となくシュート練習をして、
何となくバスに乗ってホテルに帰る。そんな酷い状況なのである。
一部の暴発しそうな関係を除けば…。
スタメン組とサブ組の紅白戦のシーンだった。
両者がもつれ、ラインを微妙に割っていないボールが転々と転がった。
サブ組の長谷部が「出てない!」と言うと「出たよ!出た!マイボール!残念!」と
小野が長谷部を挑発するように立て続けに言った。
それはチームメイトの間から出るジョークの類ではなく、
明らかに悪意がこもっていた。
長谷部は少々困惑した表情を浮かべ、対戦相手の小野に渋々従った。
福西、遠藤に覇気がないことはよくわかった。
言葉は悪いが。ヘラヘラして歩いている。
パスミスをしても追いかけないし、ボールを受けてもすぐ簡単に叩いてしまう。
挙げ句の果てには明らかにロングシュートのチャンスでも横パス。
昨日のロングシュートの練習は何だったのだろうか。
疲れているのはわかるが、それはサブ組も一緒である。
とにかく必死さが伝わってこない。
小笠原が長谷部に対して特に厳しいチャージをしているのは公然の事実だ。
ポジション的に近いものもあるのだろう。やけに敵視している。
それ自体は悪いことだとは思わないが、紅白戦でも、
長谷部のシャツをあからさまに引っ張ってボールを奪った。何度も、である。
明らかにファウルであるはずのプレーだった。
それでもジーコ監督は、小笠原のファウルを黙認した。
長谷部はその度に憮然とした表情で立ち上がり、プレーを続けた。
誰が福西を、遠藤を、そして小笠原を戒めるのか?主将?いや、違う。
チーム全体で良い雰囲気にもっていかなければならない。
それとも日本代表はそんな一部の選手達の「仲良しクラブ」なのか?
こんなことがまかり通ってしまうのは「スタメンが決まっている」という事情。
たとえ練習で素晴らしいプレーを見せても、決して覆らないという事情。
一体何のためのアメリカ遠征なのか。
一つだけ言えることは、この雰囲気を作ったのは
他ならぬジーコ監督であることは間違いない。