清水エスパルス Part.2

このエントリーをはてなブックマークに追加
98U-名無しさん
抑えていた感情が、試合後のロッカー室で爆発した。西野朗監督と抱き合い、2人して泣いた。
大黒と組んだ『OA砲』もこの日限り。最後まで仕事人に徹したアラウージョが、日本で初めて
見せた涙だった。

「きょうが最後だから勝ちたかった。すごく寂しいよ。一番の思い出はタイトルを獲れたことです。
どこにいっても自分の仕事は変わらない。ゴールを挙げること。そして代表を目指したい」
柏に1点をリードされた後半40分、同点弾を左足で決めた。生き返ったJ1王者は2分後、
FW松波のゴールで逆転。さらにロスタイムには松波からのパスでA砲がトドメの1発だ。
今季41得点で98年磐田・中山の年間最多レコードも更新。去り際も記録男だった。

アラウージョの実父が病に倒れ、まだ19歳のアンドレーザ夫人の両親もブラジル帰国を熱望。
G大阪は倍額の年俸1億4000万円で引き留めたが、妻はすでに帰国しており、終盤は
単身で戦った。苦渋の決断を下したのは10月初旬。そこから別れがつらくなった。
昨年在籍し、1年でクビになった清水では話し相手もいなかったが、G大阪は違った。
大黒らの真似をしてはしが使えるようになり、豚丼が好物になった。DF宮本が
イタリア料理店で開いてくれたお別れ会では「いつか代表で対戦しよう」と約束した。
MFフェルナンジーニョは「ブラジルでは食べられないよ」と、吉野家の豚丼を
買ってきてくれた。甘いにおいに涙が出そうになったが、こらえて食べた。

「ウチのシンボル。彼も去るのが惜しいと思ってくれている。セレソン(ブラジル代表)
に入って、活躍してほしい」。指揮官の目も真っ赤だった。新天地はクルゼイロ。
大黒という最強の相棒と別れ、これからそれぞれの道を歩き出す。

http://www.sanspo.com/soccer/top/st200512/st2005121804.html