◆浦和レッドダイヤモンズ part197◆

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703東スポより
日替わり連載 取材のウラ側現場ノート 一般スポーツ担当

元バルセロナの大スターから立ち食いソバのお誘い℃けたが・・・

「あの時、一緒に食べておけばよかった」と後悔するものがある。それはJR赤
羽駅(東京都北区)の立ち食いそばである。15日まで来日していたFCバルセロ
ナのスポーツディレクター・ベギリスタイン氏は97年から2年半、浦和でプレー
した。元バルセロナの大スター選手だったのに、愛称チキさん≠ヘ気さ
くで、とても親切な人だった。
 ある日、浦和の練習取材を終えてタクシーで帰る際に記者の呼んだ車にチキさん
と当時在籍していたザッペラが同乗することになった。
 2人は「楽だから」と電車通勤≠していたのだ。タクシーで最寄り
駅に行き、京浜東北線で赤羽までの20分あまり、3人で一緒の時間を過ごした。
 赤羽駅に着くと2人がしきりにはしを持つマネをして「ソバ、ソバ」と
言ってくる。そばを食べよう、というのだ。あまり空腹ではなかったので
記者が断ると「ホントにいらないの?」と何度も聞いてくる。結局、駅構
内の喫茶店でジュースをごちそうになり、その場は別れた。
 しかし、後で聞けば、2人は練習後、赤羽駅で立ち食いそばを食べるこ
とが日課だったという。どうやら2人はそばが大好物だったのだ。ひょっとし
たら日本人と立ち食いそばを食べるのは、彼らなりの友好の証しだったのかもし
れない。それをあっさりと断ったのは今さらながら、ちょっと悪かったような気が
する。それに外国人のサッカー選手と立ち食いそばを食べる機会なんてないし。
いろんな意味で後悔している。

(中村亜希子)