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自分の半生でも書いてみるスレ
俺のエピソードは…
小学生の頃、いじめられていた。
石を投げられる。殴られる。
転校する時、担任が一言。
「君にはお別れ会なんて必要ないよね?」
中学生の頃。周りは小学校と同じメンバー。
暴力が続くと思いきや、とことん無視される。
休み時間は寝たふり。
給食は席をくっつけるが、誰も話に入れてくれない。入れない。
やることがないので、勉強を一生懸命やる。
人の十倍はやっただろう。そして学年で20番の成績を取れた。
あれだけ勉強して、20番。
高校生の頃。
普段は酒を飲まず、とても優しかった母親がめずらしく
酔っていた。抱き上げた俺に向かって泣きながら言った。
「ごめんね…産んでごめんね…」
どんな言葉よりも辛かった。
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:04/01/20 22:10 ID:+BpZJA1g
そんな俺にも初めての友人ができた。
高校2年の始業式。
前の席だった奴が話しかけてくれた。うれしかった。
そいつはとても面白くて、いつもクラスの中心にいた。
それでも俺と話してくれた。ほんとにうれしかった。
あるとき、トイレで用を足している(大)と、外で話し声が。
男1「おまえさあ、あいつと仲良いよな、○○。なんでよ?」
男2「そうそう、お前と性格合いそうにないのにな。」
そして、友人の声
「いや、一応席近いしさ、話しかけないとまずいと思ったのよ。
ほら、俺ってクラスの人気者じゃん?誰にでもやさしくしとかないと。
ま、それでも友達にはなれないけどね。」
トイレから出れなかった。
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:04/01/20 22:11 ID:+BpZJA1g
父親に悩みを打ち明けたことがあった。
俺は何で生きてるんだろう?何の為に生きてるんだろう?
…もう死にたいよ。
父親は俺にそっくりな無愛想な顔をして
「…生きてれば良いことがあるかもしれない。少なくとも俺は
お前の母親と出会えて、お前という息子を授かって、幸せだ。
ま、あいつ、不細工だけどな」
そんな父親が過労死で死んだ。
会社は一切認めてくれなかった。
葬式にきた数人の同僚、部下、上司は笑っていた。
彼らにとってはどうでもいいことだったんだろう。
涙は出なかった、怒りも沸かなかった。
ただ呆然としていた。
母親も俺と同じ顔をしていたのが印象的だった。
ちいさな会社に入った。
運送業者の事務だ。
皮肉なことに父親と同じ業界。
入って3ヶ月目の上司の評価
「使えない」
みんなの前でこき下ろされた。
でも、しょうがないと思ってる。
俺は、本当に使えない奴だから。
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:04/01/20 22:12 ID:+BpZJA1g
仕事は忙しかった。40度近い熱でも休まなかった。休めなかった。
それでもある意味幸せだった。
忙しさに、すべてを奪われていたから。
すべてを忘れることができたから。
会社に入ってから3年。
いまだ使えない奴扱いの俺に唯一笑顔をみせてくれる娘がいた。
その年に入ってきた新人の女の子だ。
「おはようございます」の一言と、その笑顔が俺を癒してくれた。
「変われるかもしれない。」
すでに人を好きになることを諦めていた俺がそう思った。
数ヶ月後。
いまだに笑顔を見せてくれる彼女を夕飯に誘った。
誘えた自分が誇らしく思えた。別の人間かと思った。
彼女の答えは
「もちろん、行きます。どこに連れて行ってくれるんですか?」
生まれて初めて、生まれて良かったと思えた。
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:04/01/20 22:13 ID:+BpZJA1g
告白した。
いろいろ考えて考えて…何度も練習して…。
それなのに、言えたのはたった一言。
「す…好きなんです。付き合って…ください…」
自分でも情けなくなるくらいしどろもどろだった。
「ごめんなさい。今は付き合うとか考えられないんです
いろいろやりたいことがあるんです。」
彼女はそう言った。
悲しかったけど、妙に納得してしまった。
ある意味で嬉しかったのかもしれない。彼女の断り方が。
数ヶ月後、彼女は寿退社をした。
相手とは3年付き合っていたらしい。
結婚式には呼ばれなかった。
傷心…
そんな気持ちを抱くこともなかった。
「そんなもんさ。いつものことだろ。」
いつのまにか口癖になっていた。
仕事に命をかけよう。父親のように。
今はそれしかない。
仕事だけは俺を必要としてくれている。
…やることはたくさんある。
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:04/01/20 22:13 ID:+BpZJA1g
「お前、この仕事向いてないよな?自分でもわかるだろ?
辛いだけだぞ?こんな仕事続けても。まだ若いんだから
転職でもしてみたらどうだ?」
ある時、上司から告げられた。
俺は馬鹿だけど、上司が何を言いたいのかは分かった。
次の日、辞表を出した俺に上司はうれしそうに
「お疲れさん!」
同僚たちはいつものように仕事をしていた。
いつも以上に忙しそうに。
その日夜遅くまで公園で時間を潰した。
家に帰った俺に、母親がいつもの笑顔で
「お疲れ様」といった。
「会社、辞めてきたよ」と言った俺に、一言。
「お疲れ様」
同じ笑顔だった。
424 :
:04/01/20 22:14 ID:+BpZJA1g
数ヶ月前。
職を探していた俺が、いつものように家に帰ると母親がいなかった。
夜遅くに電話が鳴った。
病院からだった。
母親の声だった。
いつもの優しい声で、具合が悪くなったので医者に言ったら
入院するように言われたこと。今日はもう面会できないから、
明日必要なものを持って病院に来て欲しいことなどを告げられた。
次の日、保険証やら着替えやらをもって病院に行った。
癌だと、医者から告げられた。
末期の胃癌だったそうだ。
もう、助からないらしい。
いつものように優しい母親。
目を見ることができなかった。
一人で家に帰って、父親に告げた。
父親の前で泣くのは、これが2回目だった。
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:04/01/20 22:14 ID:+BpZJA1g
1ヶ月ほどたった日、母親がかすれた、それでも優しい声で言った。
「もう助からないんでしょ?分かってるのよ。」
俺は黙ってしまった。
母親はいつものように優しい声で
「どう?仕事は見つかりそう?」
話題を変えた。
俺は我慢しきれずに泣いてしまった。
母親はずっと俺の手をさすっていた。
数少ない親戚が久しぶりに集まった。
「あの人は本当に良い人で…」
「惜しい人を…」
どこかで聞いた台詞であふれていた。
俺は淡々と喪主を勤つとめた。
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:04/01/20 22:16 ID:+BpZJA1g
ここ数ヶ月、ずっと独りで、とても広く感じていた家。
その日からさらに広く感じた。
骨壷は思っていたよりも軽かった。
家に帰った俺は机の上においてあったノートを手にとった。
母親の病室の、枕の下から出てきたノートだ。
日記だった。
入院してから、1ヶ月くらいから、死ぬ2,3週間前までの。
その日記は父親との会話でつづられていた。
2,3日分の日記を読んで、泣いてしまった。
書かれているのは全部俺のことだった。
最後のページから数日前の日記。
その日記だけ、俺宛だった。
○○、あなたにずっと謝りたいことがあったの。
○○がいじめられていたこと、ずっと知ってたの。
でも、私は弱い人間だからただ優しくすることしかできなかった。
学校に行こうかとも思ったけど、行けなかった。
いつも○○が優しい顔で「今日も楽しかった」って言ってたから。
だれにも言わずにがんばっている○○を裏切れなかったの。
覚えてる?高校2年の頃。私は酔ってあなたに言ってしまったね
「産んでごめん」って。
本当にごめんなさい。あのときは本当に思ったの。
あなたがこんなに辛い思いをしているのは私が産んだせいだって。
(中略)
私はあなたを産んで本当に良かった。幸せだった。
だから、あなたにも幸せになって欲しい。
あなたなら幸せになれる。お願いだから、なって。
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:04/01/20 22:16 ID:+BpZJA1g
俺は驚いた。
まさか、あそこまで潰れていた母親がそんな事を覚えてるとは
思ってもいなかったから。
ずっとそのことで悔やんでいたんだと思った。
優しくともすこし陰のある笑顔はたぶん、その後悔から来てたんだろう。
号泣した。
どこからこんなに涙があふれてくるんだろう?
死ぬことを考えていた俺は思った。幸せになろうと。
「それでも生きて行こう」
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:04/01/20 22:19 ID:+BpZJA1g