秋雄の孫がやってきた モンテディオ山形Part33

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950U-日刊東北さん
みちのくJ・山形
新生モンテディオの魅力E
山形MF林が右SBで復活

山形MF林晃平(25)が新天地でスピードと輝きを取り戻す。
昨年まで所属していた川崎Fではオーバートレーニング症候群に苦しんだ。
今期は心機一転。右サイドバックにも挑戦するなど復活を期す。

林がサッカー人生初めてのポジションに挑戦している。
プロ入り時はFW。その後はMFに転向し、今年は右サイドバックで奮闘中だ。
「小学5年のときはGKだったから完全制覇ですね(笑い)。高校のときは絶対FWという気持ちだったが、今は試合に出ることが大事」
と飢えた思いを隠さない。

不本意な1年に終わった03年シーズン。
体に起こった異変がすべてだった。
「ちょっとした動きで意気が上がる。アップ段階で体がしんどくなる」
診断の結果は「オーバートレーニング症候群」。
練習量と休養のバランスが崩れたときに起こる慢性疲労の状態だ。

C大阪MF森島、清水MF市川らも同じ症状で長期離脱した経験を持つ。
林は選手寮を離れ、山口県の実家に1週間帰省するなど静養に努めた。
だが復調には2ヶ月の時を要した。実戦の場からは遠ざかり、出場機会を失った。

好調時の肉体は躍動感にあふれていた。
川崎F移籍1年目の01年、現浦和FWエメルソン(22)と2トップを組み、39試合9得点の成績を残した。
「エメの影でチョコチョコやっただけです」と謙遜する。
だが、当時は100b走でエメルソンに走り勝ったこともある。
「今でも苦しいときにはエメに100b走で勝ったことを思い出して励みにしている」とエピソードを闘志に変える。
キャンプ中盤で右太ももに軽い肉離れを起こしたが
「関東遠征には間に合いますよ」と表情は明るい。
回復までの時間が読めないオーバートレーニング症候群と違い、復帰までの計算が出来ている。
新天地で、復活を期す林の1年が始まった。