(原文のママ)
ピーンと張り詰めた緊張観のある試合の均衡が破られたのは後半30分。
F東京が交代の選手阿部のゴールで先制したのだ。
「膠着状態を打ち破るために、変化をつける必要があった」(原監督)と、
得点の10分前に投入されたFW阿部。しかし、ボランチのひとり三浦を外して
前線の人数を増やすという交代だったため、当然、リスクを負う形での
先制ゴールだった。
宮沢ひとりになったMFの中央をF東京は左ウィング戸田の驚異的な運動量で
カバーし、何とかバランスをとっていた。しかし、やはり得点後はノーマルな
バランスに戻すべきだった。
戸田が守備でがんばり、攻撃でもケリーが効果的なカウンターをかけて
あわや2点目という場面もあった。しかし、守備には無理がかかり、東京Vの
攻撃に火をつける結果となった。
「最後の数分間は本来のヴェルディに戻れた」とアルディレス監督が語るように
終盤の東京Vは勢いづき、同点ゴールは半ば必然だった。
「あそこで勝ちきるのがわれわれの課題」と原監督。選手にも、そして監督にも、
苦い経験となった。