■■■■■■■　茂庭　５　■■■■■■■

　人呼んで、「湘南のヤンキー」。しかし、東京に行ってしまったので、これからは
「小平の…」か。それだと、イマイチ迫力に欠けるかもしれない（笑）。２０００年
に対戦した大学選抜の選手には、「あいつ、ぜってー、Ｕ−１９じゃねーよ」と言わ
れ、ジャパンユース杯では私の隣りに座っていたおっさんから、「おい、なんかおっ
さんがいるぞ」と言われてしまった彼。外示的印象で対極にいる鹿島アントラーズの
Ａくんによる初対面時における印象は「怖い〜」だったそうであったりもする。

　小学校時代はゴールプランダーズに所属。６年生の時には並み居る強豪を押し退
け、全日本少年大会にも出場している。ちなみに、同大会には後に同僚となる田辺や
小松原（現甲府）も参加していた。中学時代からチーム内で将来を嘱望され、高校１
年の時分からサテライトチームにも参加。１９９９年初頭には、Ｕ−１８ナショナル
トレセン選抜にも招集され、韓国ＦＷを速さと高さの二面で抑え込むプレーが観戦
者・関係者から高い評価を集めた。同年、ナビスコ杯でトップデビューを飾ると、後
期にはレギュラーポジションをほぼ確保。Ｊリーグトップクラスとこの時に戦えたの
は貴重な経験だっただろうと思われる。その後、Ｊ２で２年間を過ごすのだが、色々
と曲折もあり、出場できない時期も短くなかった。２００１年は主にサイドバックと
してプレー。未熟だが、独特の存在感があった。東京移籍後はＣＢまたはＳＢとして
起用されていたが、最近は専ら左ＤＦで使われている。

　ユースチームの選手としては、２年次まではこれといった結果を残せていなかった
ものの、最終学年を迎えた１９９９年は躍進の年に。トップチームに在籍しつつ、ク
ラブ選手権決勝大会から田辺と共にこっそり合流。そのまま初の決勝進出を果たした
チームの原動力となり、大会のＭＩＰ賞も獲得している。続く高円宮杯でも準決勝か
ら合流。市船を撃破して勢いに乗るエスパルスを圧倒的存在感で封殺、決勝進出を果
たしたが、その決勝では負傷もあって実力を出せず。ジュビロの前に再び膝を屈して
しまっている。

　代表への初招集は１９９９年のＳＢＳ杯で、翌年のジャパンユース杯ではＣＢのレ
ギュラーとしてプレー。以降の各合宿でも主力選手として名を連ね、アジア一次予選
に際しても、羽田と共に４バック中央を担った。が、このあと負傷が嵩んだことも
あって、以降の各合宿、アジアユース直前合宿のいずれも辞退することになってしま
う。ワールドユースも現地に帯同しながら、負傷のために大会直前での帰国を余儀な
くされてしまった。代表に関しては、どうも運がないというか、縁がない。それだけ
に先日のツーロン国際ユースは貴重な経験となったようである。
　ＣＢだけでなく左右サイドバックなどもこなす戦術的柔軟性と恵まれた身体能力の
持ち主。特に瞬発系の能力が高く、地上での一対一、空中での競り合いの両方で非常
に高い応対力を持つ。また、前線へのフィードの質も低くない。ユース時代は酷暑の
中での恐ろしく強気のラインコントロールで、対戦相手から畏怖されていたが、現在
の所は代表でもベルマーレでもそういう立場になったことはない。集中力の持続とい
う点で課題があり、持久力も不十分。Ｊ１のレベルでは相手のスピードの変化に対応
しきれないことも多い。

内容的には昨秋のものですのでご留意を。
「おい、なんかおっさんがいるぞ」ﾜﾗﾀ