名波インタビュー
−−:卓越したパスセンスと広い視野は、彼を天才レフティと形容されてきた。
名波:天才とは思っていない。小さい頃からの積み重ねた努力。
人よりたくさん左足でさわっているという自信はある。
−−:名波のプレーの奥の深さはオフ・ザ・ボールにある。
名波:ボールがない時、ボールが来る前は空いたスペースを意識している。
あとはそこに味方の選手が走りこめるか、いてくれるかが問題だと思う。
空いたスペース・浮いた味方を早く探さなければ、あのぽポジションは勤まらない。
−−:中山雅史へのラストパス
名波:95年のデビューから一緒にやってきて、中山さんのすごい成長速度を目の当たりにしてきた。
調子がいい時も苦しい時も一緒にプレーしてきたので、中山さんに出してゴールが決まると
喜びは倍増するし、チームの勢いも乗るので、決めてくれればいいですね。(w
とてつもなく尊敬しているし、彼にヘタクソと言えるのも現役選手では俺だけ。
そのギャップを楽しんでいる。
−−:パスするときに意識していること
名波:味方選手が意図しているところに、どれくらい受けやすいボールを出してやれるか。
その選手の足元のプレーエリアがあるので・・・うちで言うと、俊哉なら足元、特に右足につけたら
ミスはしないから・・・川口なら足元よりもスペースにつければ、躍動感あふれるプレーができる。
−−:試合の中で自分のイメージ通りに出せるパスは多いですか?
名波:5m以内のパスは100%ミスしてはいけない。それを除けば、50%以上だが、100%には到底届かない。
藤田:すごいパスが通ったように見えても、普通にそこに出すと思って、僕は走っているし、
名波はそういう姿勢の時はこういうところを狙うという特徴のあるプレーをしただけ。
逆に、まわりで見ているほうが、すごいパスを出すな、と思うかもしれない。
−−:敵や観客が意表をつかれながら、チームメイトはそのパスを理解している。
名波:ボールと人が動けば動くほどイマジネーションが膨らんで、ゴール(シュート)まで、
みんなが同じ絵を描ける。
去年の2ndの京都戦のゴールシーン
河村→藤田→服部→河村→名波→福西→名波→高原→藤田→中山
名波:グループで、良いイメージで、良いゴールが生まれた時は本当にうれしい。
アシストした人だけでなく、からんだ人全員に声をかけて、ナイスゴールと讃えあうことが
これからもしたいことです。
−−:理想のサッカーとは
名波:簡単に言うと、レアルの調子のいいとき。GKからボールが出て、パスを10〜15本つなげて
フィニッシュまでもっていく。その間に個人の特徴、ドリブル・フェイント・トリッキーなトラップなどを
駆使しながら、フィニッシュまで持っていくのが理想。
名波:今まで通り、ゲームではチームに貢献して、自分のスタイルを貫いてやっていきたい。
逆に、自分を犠牲にするところもたくさんあるだろう。あとは、よく言われている若手育成にも
積極的に協力したい。伝えられることは伝えたい。