658 :
U-名無しさん:
『あるところに、生活がとても苦しい母子家庭があった。
母親が、どんなに時間をおして働いても、子供二人がいる生活は楽にならなかった。
母親は、せめて年越しキムチだけでも食べさせようと、毎年大晦日に子供たちを焼肉屋に連れて行く。
しかし、何の具も入っていない「キムチ汁」を、2杯注文する余裕もない母親は、
やむなく1杯のキムチ汁を頼むと、それを母子で分けて飲んだ。
焼肉屋の主人は、その母子に気づかれないよう、そっと半杯ぶんのキムチ汁をサービスしたのだった。
その後、その母子はしばらく姿を見せなかったが、焼肉屋の主人は大晦日になると毎年、
この母子のために予約席を取っておいた。
数年の年が流れたある年の大晦日、成長した子供二人と母親が現れる。
待ちわびた焼肉屋の夫婦に、母親はこう告げる。
「あのー……キムチ汁……三人前なのですが……よろしいニダか?」