強く愛されるチームをめざして・・・・・・ 最後まで攻め続けて勝つ!
FC東京監督 ハラ ヒロミ
国立競技場へようこそ。
梅雨も明け、暑い季節がやってきました。
近頃はナイトゲームでも、ピッチの上はうだるような熱気です。
いかにコンディションを維持して戦うかということが、ことさら試される時期になりました。
ただ、FC東京はこの厳しい環境をうまく乗り切れるのではないかと思います。
確かに私は、攻めも守りも速く、走り回るプレーを求めます。
そのため体力的に高いレベルを選手には要求しています。
それでも選手たちは激しい練習を怠らず、日々向上してくれました。
また、チームが次第に成熟に向かいつつあることで、無駄な体力の消耗を抑えてくれるようになりました。
いつも突っ込んでいくばかりでは、たとえどんなに鍛えている選手でも後半運動量が落ちてしまいます。
ですが試合の流れと状況に応じてラインコントロールを柔軟に考えられるようになったため、
メリハリがつくようになってきたのです。
最後まで足が止まらないFC東京は、どんなチームに対しても脅威になることができるはずです。
先発選手と控え選手を同等に扱い、誰かが調子を落としても必ずバックアップを取れるようになってきた
のも大きな成長です。
試合をご覧になると、キックオフのときにピッチに立っていない選手でも、途中で投入されると
決して見劣りのしない、あるいはまた別の持ち味を活かしてプレーしてくれることが
おわかりいただけるでしょう。
このサッカーの成熟度の向上と、全選手のモチベーションの高さが、
夏の間私たちの後押しをしてくれることを信じています。
そしてこのことに裏打ちされた走力を活かして、今日も最後まで攻め続けます。
さて、暑さは選手の体力を奪うだけではありません。
高温多湿の中では、ついイライラしてしまうことがあります。
接触プレーが多いサッカーでは、特に我を忘れがちになるシーズンです。
ただしFC東京には、誰かに文句を言って足を止める選手はいません。
アツくなることで、何か大切なことを忘れてしまうプレーヤーはいないのです。
不満を言っているくらいなら、すぐ次の展開を考えなければならないのが
途切れなくプレーが続くサッカーの特徴です。
また、観客のみなさんが観に来ているのが『プレー』だということを考えても、
私は『不服申し立て』に時間を使うのはおかしいと考えています。
同じように、私は必要以上の『時間稼ぎ』を良しとしません。
時間の浪費を観に来ていただいているとは思わないからです。
最後の最後まで攻めることで、満足してスタジアムを後にしてもらえると信じています。
もっとも、抗議や時間潰しをしないからといって、負けていいゲームはありません。
私たちは勝って、なおかつサッカーのおもしろさをわかってもらえる試合を常に目指します。
どうか今日も最後まで、熱いご声援よろしくお願いいたします。