悪いのはアラブ?アメリカ?

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182某スレからのコピペ
騒がしい報道でほてった頭を冷やそうと、本棚の奥にあった加藤周一(国語入試によく出る人だYO!)の本を取り出して読んでみた。
いいこと書いてあったから、ちょっと長めだけど引用するね。(ベトナム戦争をテーマにしたグレアム・グリーンの小説「静かなアメリカ人」の)
 主人公のアメリカ人は、結婚とか女の幸福とかいうことに対する単純な信念に基き、命の恩人である英国人記者に女のことで迷惑をかける。
しかしそれだけでなく、問題のアメリカ人には、厄介なことに、あの民主主義に対しても、女に対する場合と同じように、単純な信念がある。
単純な信念があり、現地の政治情勢に対する綿密な知識がない。また、現地の人間に対する愛情のないことは、言うまでもない。
その結果は、たとえ手違いであるにしても、出盛りの市場で女子供を大勢殺すことになる。そうなっても、当人の主観は潔白なのだ。
彼は惨状を前にして、英国人記者に「とにかく彼らは民主主義のために死んだ」と平然として言う。
「潔白とは狂気だ」と英国人の記者は結論する。「潔白な人間を非難することはできない。彼らはいつも無罪である。
できることは、彼らを制するか、除くかだ」。(加藤周一「グレアム・グリーンとカトリシズムの一面」より)今回の米国人の反応、ベトナム以来変わっていないねー。