◆昨日までの警察、明日からの警察◆

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　３

とりわけ警察に関しては、警察から情報が非公式にマスコミに提供され、報道されるというのが、
日本の一般的なスタイルですので、警察を批判すると、情報が一切入らなくなる、報道できなく
なる危機に陥ります。そこで、日本の新聞・テレビは、警察を批判することができないという
状況にあります。
ですので、警察の腐敗に関しては、日本では私がほぼ独占的にやっているといっても過言ではない
状況になっています。これまで、25年間ジャーナリストとして活動してきましたけれども、
その間に100人以上の警察官をクビにしたり、刑事訴追させたり、あるいは懲戒処分に付したり
というような実績があります。
昨年も、兵庫県警の警察官らが性風俗店で業者から接待を受けていたという記事をネットや
週刊誌で書きまして、現職警察官2名が逮捕・懲戒免職されました。そのほかにも、何人もの
警察官が首になったり、懲戒処分を受けました」

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　４

　記者クラブは国や自治体の「広報部門」といってよい

寺澤：「私が選ばれた理由の2番目ですが、記者クラブ制度を長年批判してきたという
実績に対してのものだと思います。
記者クラブ制度について、過去から現在までのことを少し説明させていただきます。
日本には記者クラブという新聞社や通信社、テレビ局で構成される組織があります。これは
主要な国・地方公共団体の機関ごとに設置されており、たとえば国会記者会、司法記者クラブ、
警察庁記者クラブ、東京都庁記者クラブなどがあります。
記者クラブは、庁舎内に記者室という広大な執務室を与えられており、賃料や水道光熱費も
支払っていません。ちなみに国会記者会は、国会議事堂の隣に、国会記者会館という名前の
ビルを丸ごと一棟与えられています。記者室には、記者クラブの世話をする公務員が常駐
していますが、彼ら・彼女らの給料も税金で支払われています。

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　５

つまり記者クラブは、国や地方公共団体の広報部門といっても過言ではないと思います。
私のようなフリーランスは、記者クラブに加入することや記者室を利用することが認められて
いません。それ自体は構わないんですが、長年、国や地方公共団体は記者クラブに対してのみ
記者会見を開いたり、資料を提供してきたりしてきました。フリーランスが記者会見に参加
したい、資料を提供してほしいと要請しても、拒否されることがほとんどでした。
近年、一部のフリーランスが記者会見に参加できるようになりましたが、これにも理不尽な
条件がいくつも付けられており、それをクリアしなければなりません。

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　６

たとえば、私は何度も首相の記者会見に参加したいと要請していますが、首相官邸は、
内閣記者会（記者クラブ）の加盟社などの推薦状がなければ認めないと拒否しています。
日本では首相の記者会見が、いちげんさんお断りの会員制バーのようになっています。
実は、『自分が推薦状を書いてもいい』と言ってくれる新聞記者もいるのですが、私は、
記者会見が会員制バーのようなものではいけないと思い、あくまでも推薦状なしで参加
させろと要請しています。
付け加えますと、首相の記者会見に参加しているフリーランスが手を挙げても、司会者の
内閣広報官が指名しないため、質問ができないという状態も続いています」

げげ

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　７

　フリーランスに差別的な日本の裁判所
寺澤：「また、警察庁はいまだにフリーランスが記者会見に参加することを拒否しています。
理由はセキュリティ対策ということです。これに対して、私は2010年、警察庁の記者会見に
出席させろという仮処分を東京地方裁判所に申請しました。
すると警察庁は、フリーランスなどというものは暴力団組員やテロリストと同じである、
そのような者は記者会見に参加させるわけにはいかない、という趣旨の主張をしました。
そして東京地裁・東京高裁・最高裁までもが、その警察庁の主張を認めたのです。
そもそも裁判所自体が、フリーランスに対しては極めて差別的です。たとえば、新聞記者には
用意する裁判を傍聴するための記者席を用意しない、判決要旨などの資料を提供しないといった、
あからさまな差別を行っています。

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　８

これに対して私は過去2回、裁判を起こしています。しかし裁判所は、記者席を用意したり、
資料を提供したりするのは裁判所の義務ではない、便宜供与であると言っています。そして、
誰に対して便宜供与するかというのは裁判所の自由だ、と言っています。
つまりこれは、役所に便宜供与してもらいたかったら、あなたも役所が便宜供与してあげても
いいな、と思わせるような報道をしなさい、という意味です。このように日本では、役所の
広報部門になり下がることを良しとしないフリーランスに対する取材上の差別が続いています。
今回の受賞をきっかけに、このような取材上の差別に対して、さらに戦っていかなければ
ならないなと決意を新たにしたところです」

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　９

　秘密保護法に対して「違憲差し止め訴訟」を提訴

寺澤：「今回の受賞の3番目の理由ですが、それは、秘密保護法に対して違憲差し止めの訴訟を
起こしたことが評価されたということです。
昨年12月に秘密保護法というのが制定されまして、今年の12月に施行されると言われています。
この法律は、役所がこれは秘密であると決めたものに関しては、我々ジャーナリスト、あるいは
新聞記者も含めて、取材しようとすると、最高で懲役10年という重い罰が科せられる可能性が
あるという法律です。
しかし取材する側からすると、何がその秘密に当たるのかということが全く分からず、通常の
取材行為をしていて突然、警察なり検察から、あなたが取材しようとしているのは秘密だと、
その秘密に近づこうとしたということで逮捕されるという危険性を秘めています。
つまり、政府なり役所なりの発表したことだけを報道すれば大丈夫ですよと、そうしなさい、
という法律なのです。

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　１０

もう一つ問題があって、この法律の中では、取材に対して配慮するというような一文があります。
しかし、『取材に従事する者』という定義の中に我々フリーランスが入らないことは明らかです。
つまり、さきほど記者クラブについて説明したように、記者会見にも出られず、資料も提供されない
という人間は、秘密保護法が配慮しなさいと言っている『取材に従事する者』に該当しないだろう
ということは明らかです。
仮にフリーランスが、新聞記者などと同様に、取材に従事する者と認められたとしても、正当な
取材でなければ駄目だという一言が入っています。

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　１１

つまり、さきほども言ったように、『役所が発表したことを、役所が提供した資料で、記事に
しなさい。それが正当な取材だ』と言っているのに等しいと、私は思います。
このような法律が施行されてしまうと、日本に報道の自由・表現の自由というものがなくなるのは
明らかです。とりわけ我々フリーランスは、秘密を暴こうと活動したということで、いつ捕まっても
おかしくないという状況に置かれます。そこで、これは憲法違反であるから、施行を差し止める
訴訟を起こす必要があるということで、合計43人のフリーランスが賛同してくれて、一緒に
原告になりました」

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　１２

　最高裁に不合理な姿勢を続けさせるわけにはいかない

寺澤：「この裁判は、第一回目が6月25日に、東京地方裁判所で開かれます。
この裁判の見通しを言いますと、日本では、この法律が憲法違反であるから差し止めろという訴訟は
過去になかなかなくて、実際、認められてもいません。
それは、日本の最高裁判所の姿勢がおかしくて、たとえば今回の場合、私が秘密保護法違反で逮捕されて
『この法律は憲法違反ですよ』という主張をしたときに初めて、『憲法違反かどうかを判断して
あげましょう』というのが、日本の最高裁判所の姿勢なんです。
一般常識から考えると、実際に逮捕されてからでは遅いのではないかと思いますが、日本では
そういうことになっています。

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　１３

しかし日本では、そういう最高裁判所の姿勢に何の疑問も持たない人が司法試験を受けて、司法試験でも
そういう答えを書かなければ合格しないという法曹のシステムになっています。そこで私のように『
最高裁判所のほうがおかしいじゃないか』と思う人間は、法学部に入っても3日でやることがなくなって、
今こうしてジャーナリストをやっているわけです。
見通しが大変厳しい裁判ではあるんですけれども、最高裁判所にいつまでも理不尽な、不合理な姿勢を
続けさせているわけにもいかないので、国民的に世論を盛り上げて、『憲法違反だから法律を差し止める』
という判例を作れたらなと思います」

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　１４

　記者との主な質疑応答

―いままで警察に対峙するような取材をしてきて、具体的に警察からハラスメントを受けたことはあるか。

寺澤：「大きなことで言えば、取材をしているときに警察官に取り囲まれて、暴行を加えられ、逮捕状もなく、
警察署まで連れていかれて、取調室に入れられて、半日監禁されたということがあります。
あるいは、警視庁公安部公安総務課と言って、非合法活動をやるところがあるんですけれども、個々の
警察官に、取材中ずっと尾行された、ということがあります。
今の二つに関して、私はどちらも警察を訴えて裁判をやりました。しかし二つとも、私のほうが負けています。
その理由は、まず前者については、目撃者もいて、『寺澤は警察車両に乗りたくないと抵抗していた』という
目撃証言もあったのですが、警察官十数人が全員、『寺澤が進んで警察車両に乗り、自ら進んで警察署まで
行った』と証言しました。裁判所はそれを採用して、『寺澤が進んで警察署へ行った』という判決を書きました。

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　１５

2番目の尾行されたほうですが、こちらについて、警視庁公安部のほうは『オウム真理教の信者に会う
ということで寺澤を尾行していたけれども、その詳細は明かせないと』いう主張をしました。
しかし当時、私はオウム真理教事件に関しては全く取材をしていませんでした。そのとき取材して
いたのは、警視庁と暴力団との癒着でした。
警視庁公安部公安総務課に尾行されて、本来より一週間遅れたんですが、私はその警視庁と暴力団の
癒着に関して週刊文春に記事を書きました。その結果、警察官2名が首になって、そのほか何名もの
警察官や警察幹部が処分されました。
このように大きなものだけでも2つありますが、そのほか、現場で小突かれたりということは
無数にあります」

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　１６

―あなたが話したような司法機関や記者クラブの現状に対して、海外から圧力がかけられることはないのか。

寺澤：「以前までは日本も、海外からどう見られているかということを非常に気にしていたと思います。
しかし、このところ安倍政権になってから際立っていますが、海外かどう見られようが日本は勝手に
やるんだ、という孤立を深めるようなことをやっていると思います。
たとえば、ジャーナリズムの世界でも、海外のNGOが『日本の報道の自由は非常に悪化している』という
発表をしているけれども、そんなものは一切気にしない、日本はこれでいいんだ、記者クラブバンザイ、
という色彩をますます強めているのが、現状だと思います。
なので、海外から圧力をかけられたりすると、なおさらこの現状が悪化するのではないかと思います」

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　１７

―今回、「自由報道の世界のヒーロー100人」に寺澤さんが選ばれたことを報じた大手メディアを
知っているか。

寺澤：「私も全部の報道を見ているわけではないですが、少なくとも私自身は見ていませんし、
知り合いからこういう報道があったよと聞いたこともありません。私自身がメインストリームの
メディアから何かコメントを求められたということもありません」

―大手メディアに対してはどういうメッセージを送りたいか。

寺澤：「我々フリーランスと記者クラブにいる新聞・テレビの記者というのは、似ていますけれども、
全く違う商売だと認識しています。

★「日本の大手メディアは警察を批判できない」 　　　　　１８

ですので、現在に至るまで私が言っているのは、記者クラブメディアは堂々と大本営発表を垂れ流し
続けろ、ということです。それが、彼らの役目だと。つまり、ジャーナリズムがどうのだとか、
報道の自由がどうのだとか、そういう余計なことはもう言わなくていいということです。
実際、報道の自由・表現の自由を侵害することが火を見るよりも明らかな秘密保護法の施行に対して、
本気で反対しているのは我々フリーランスくらいで、新聞・テレビはほとんど報道しないか、あるいは
アリバイ的にちょこちょこっと報道しているだけです。その程度になってしまっていて、『これは
違憲だから絶対に施行させないようにしよう』ということでキャンペーンを張っている社なんか
一つもないと思います」

"世界のヒーロー100人"に選出のジャーナリスト、寺澤有氏が会見
BLOGOS編集部2014年05月27日 　http://blogos.com/article/87108/

　
/// 講談社2009年3月発行 /////////

”現職警官「裏金」内部告発”
仙波 敏郎 (著) 　出版社: 講談社 (2009/3/31)
税込価格1,620円　単行本: 242ページ

ISBN-10: 4062153599
ISBN-13: 978-4062153591

内容（「BOOK」データベースより）
警察の闇!腐敗、汚職、隠蔽、これが手口の全貌!「組織的犯罪」に
独り立ち向かった男の究極の人間ドラマ。

http://www.amazon.co.jp/dp/4062153599
http://honto.jp/netstore/pd-book_03105030.html
http://books.rakuten.co.jp/rb/item/6024406/
http://www.bookservice.jp/ItemDetail?cmId=2852532

/////////// 絶賛発売中！///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 61 //////////

　　　　　　全員を共犯者にする巧妙な手口

　会計課長から領収書の偽造を命じられるのは、これまで述べてきた人々だけではない。
「ママポリス」と呼ばれる夫人警察員たちも書かされる。「ママポリス」は、生活安全課に
所属する捜査権限のない女性職員だ。罪は犯していないが非行傾向が見られる少年少女、
特に一三歳未満の子どもに話を聞いたり、警察官の仕事の範疇外の事務などをしている。
　さらには、警察学校の給食スタッフまで書かされる。

///// 現職警官「裏金」内部告発 ///

▼自殺部下にパワハラ、捜査２課長を戒告処分　福島県警 （2014/6/26）

福島県警捜査２課の幹部が４月に自殺した問題で、県警は26日、自殺した
１人を含む計３人にパワハラ行為をしたとして、清野隆行・捜査２課長（45）
＝警視＝を戒告の懲戒処分にした。27日付で警務部付に更迭する。
県警によると、清野２課長は昨年５月ごろから今年４月ごろの間、いずれも
２課の警部の男性３人に「国語を習ってきたのか」「小学生みたいな文書を作るな」
「おまえは係長以下だ」と言うパワハラをした。
パワハラを受けた３人のうち、課長補佐（51）は４月28日、遺書を書いて首つり自殺
しているのが見つかった。３人とは別に、課長に次ぐポストの指導官（52）＝警視＝も
４月30日に車で首つり自殺しているのが見つかり、課長補佐の名前を挙げ
「最後まで寄り添えなくて申し訳ありません」との遺書があった。
清野２課長は1993年に警察庁採用で、2013年３月に福島県警２課長に着任した。
県警によると「部下に多大な精神的苦痛を与えたことを深くおわびします」と謝罪しているという。
県警の名和振平本部長は「大切な人材を失ったことは大きな損失で、誠に残念。
今後はハラスメント防止やメンタルヘルス対策を強化する」とコメントを出した。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2605B_W4A620C1CC1000/?n_cid=TPRN0009

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 62 ////////

　警察学校は警察官教育をする場所だから、当然、捜査費は使わない。教官が出張する
場合でも、旅費などは決まった額しか出ないので、カラ出張という手口も使えない。
そこで、生徒から「給食のおばちゃん」と親しまれている女性たちに、納入された食材の
領収書を、○○青果店、△△精肉店の名前で偽造させるのだ。
　そうやって三万、五万円の金を浮かせ、警察官としての勉強に励む生徒たちが食べる
おかずの質を下げているのだから、情けないかぎりだ。

//////// 講談社発行 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 63 ////////

　こうした情報は、県警内部のいろいろな立場の職員署員から、さまざまな角度で私の
もとに入ってきた。
「毎月毎月、ニセ領収書ばかり書かされて……」と、愚痴をこぼしていた刑事。
「仙波さん、あんた先月、東京へ出張したことになっとるで」と教えてくれた会計課員。
　告発後も、県警本部の警務部会計課員から食糧費や需用費のことでさまざまな報告があり、
資料まで渡された。厚生課では、署員の福利厚生費として年間何百万という金が動く。
年に「三〇〇万円ぐらい浮かしてます」といった情報もあった。

/////// 税込価格1,575円 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 64 ////////

　集金役の会計課長から、「もう、こんなことやめさせてや」と言われたこともある。
私は一般職員ともフランクに付き合っていたので、私の顔を見て、ついつい本音が
出たのだろう。裏金づくりに関与している者の中にも、良心は残っているのだ。
　こうして裏金づくりは、すべての警察関係者を否応なく巻き込んで行われてきた。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という、全員共犯の論理が罷り通ってきたのだ。
「警察は犯罪組織だ」と私が言うのは、そのためである。

////// 仙波 敏郎 (著) ///

中国人まで使って、保安してるから、世の中しらけるな

サークルKサンクス前にずっといる人の職務質問をまめにお願いします。

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 65 ////////

　ただし、若い警察官は除外して考えてほしい。私が裏金を告発した二〇〇五年以降に
県警に入った人たちは、ニセ領収書を書いていないと思う。書かせればたいへんなことになる。
　もっとも、若くても刑事課員と警備課員は例外だろう。彼らが書かなければ、会計課長は
別の署に駆け込んで依頼するしかない。だから、どうしてもニセ領収書を書かされることに
なってしまうのである。

////// 2009/3/31発行 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 66 ///////////

　　　　　だから、署長になると家が建つ

　こうして密かにつくられた裏金の使い道は、いったいどうなっているのだろうか。これは
はっきりしていて、愛媛県警の場合は、完全に幹部職員の懐を温めるために使われてきた。
　通常、警察の人事異動は年度替わりの春に行われる。
　八月にも小規模の異動があるが、これは私が受けたような報復人事か、よんどころない
家庭の事情がある場合のみだ。ほかに統一地方選挙がある年は二月に繰り上がるが、
通常は三月二三〜二四日頃に辞令が発令され、四月一日付で異動となる。

//////// 現職警官「裏金」内部告発 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 67 ////////////

　「所属長」と呼ばれる警察署長や県警本部の課長職以上は、必ず春に異動するが、
その際、たとえば私のいた宇和島署では、転勤していく署長に“餞別”として八〇〇万円
もの大金を渡していた。
　先にも述べたが、宇和島署では年間一二〇〇万円ほどの裏金がつくられていた。
そのうち、課長たちの交際費や実際の捜査経費として約四〇〇万円が使われていたらしい。
残りの八〇〇万円は、副署長が全額、耳を揃えて警察の封筒に入れ、署長に渡していたのだ。

//////// 講談社発行 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 68 ////////

　帯封の付いた一〇〇万円の束分八つ入った厚さ八センチの封筒を、署長は後生大事に
鞄に入れて去っていく。そして次の任地でも、転勤していくときには同じように“餞別”を
もらう。署長の任期は良くても二年で、ほとんどは一年で転勤していく。そのたびに、
数百万円の裏金が懐に入ってくるわけだ。
　なぜ、年度末のたびにこんな大盤振る舞いをするのかというと、裏金は一年で収支決算
ゼロにしておかないと、アシがつきやすいからである。年度末に金庫がカラになっても、
年度が替われば新たな裏金が入ってくる。だから惜しみなく多額の“餞別”を贈れるのだ。

/////// 税込価格1,575円 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 69 ////////

　では、署長たちは“餞別”をなにに使っているのか。
　ある会計課長から聞いた話によると、警察署から本部へ戻るときには、本部長への
“おみやげ”になるという。「本部に戻していただき、ありがとうございます」というわけだ。
また、小規模の警察署から大きな署の署長に異動になったときも、同じように「感謝の
ごあいさつ」として持っていくという。

////// 仙波 敏郎 (著) ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 70 ////////

　いわば上納金である。まるでヤクザの世界だ。異動のときには辞令交付があるので、
必ず本部長のところへ行くことになっている。そのときに金を持ってこさせるために
本部長が辞令を交付している、と言ってもいいくらいだ。
　金を持っていかなければ、次の異動では規模の同じような署に横滑りか、あるいは
異動がないまま、ということもある。異動がなければ、裏金でつくった“餞別”ももらえない。
　また、出世のためにも使われるという。

////// 2009/3/31発行 ///

むかしからの検挙率、摘発率の高さも
特高まがいのでたらめ自白の
インチキ数字嵩上げだったのかと疑う

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 71 ////////

　愛媛県警では、八〜一〇人の同期生が同時期に昇任することが多い。その中で誰を
どういう部署に配属させるかは、当人の能力とは関係なく、人事担当で県警本部ナンバー
ツーの警務部長や、県警トップの本部長の自由裁量だ。
　ということは、人事権を持つ者に百万単位の金を献上すれば、希望の部署に行き
やすくなる。たくさん献上した者の勝ちになるだろう。自分自身に実力がないぶんを
札束で補うためにも、裏金は、管理職にとってどうしても維持しなければならないものに
なっていた。

//////// 現職警官「裏金」内部告発 ///

>>222
日本の犯罪犯す者（ていうか日本人全体）はヘタレが多いから自首・出頭も多いのだろう
そんなのも検挙数にいれて膨らませてるから、日本の警察の捜査能力なんてどれほどのものか

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 72 ////////

　もう一つ、県警内では「署長になれば家が建つ」といわれている。
　実際、県警が発行している職場報には、毎回のように署長たちの「自宅自慢」が
登場する。仕事のことにはいっさい触れず、「二軒目の家を建てました」「わが家の
自慢は高さや幅を自由に調節できる応接台です」などと、写真まで載せて鼻高々である。
　ノンキャリアの人間が、額に汗して地道に働くだけで、はたして在職中に二軒も
豪邸を建てられるものだろうか――。

//////// 講談社発行 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 73 ////////

　　　　集めた裏金はトップの“餞別”と“ボーナス”に

　署長が手にする裏金は“賤別”だけではない。ボーナス時期には一〇〇万円からの金が
副署長から渡されることも珍しくない。
　私が告発をする二ヵ月ほど前、所属長のＫ・Ｈ本人から、直にこんな話を聞かされた。
　「ワシは前、松山南署で副署長をしとったんや。ボーナスが出る日に、帯封の付いた
一〇〇万円の札束を署長に渡すんだよ。決裁挟みに入れてな。どうだ、ワシは腕が切れようが」
「署長は、なんて言ったんですか？」

/////// 税込価格1,575円 ///

公安警察は組織的に予算を詐取している。
http://kie.nu/2177

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 74 ////////

「袋の中を覗き込んで、『すまんのう、こんなに』と。で、ワシはこう言うたんや。
『いやいや、私も半分（五〇万円）もらってますから』」
　日々、裏金をうまくやりくりして一〇〇万単位の金を浮かせ、それを“ボーナス”として
署長に渡して喜ばせる。自分も、なにがしかの“おこぼれ”にあずかる。「そういうことがで
きる自分は管理職として腕が立つ」と、この所属長Ｋ・Ｈは自慢したかったのだろう。
　こんなことが、つい数年前まで行われてきたのだ。異議を唱える者は、私以外に誰も
いなかった。裏金づくりを止めようとするこちらのほうが「異端」だったのである。

////// 仙波 敏郎 (著) ///

海外でもカルト指定され続け
日本でも犯罪だらけの在日カルト宗教

創価学会 統一教会は日本から出て行け

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 75 ////////

　　　　欲にまみれた「懲りない面々」

　私が八幡浜署に勤務していたときのことである。
「官舎（署長公舎）にエアコンの数が少ないんで、全部の部屋にエアコンをつけてくれ」
　単身赴任してきた新しい署長Ｆ・Ｋが、着任早々こんな要求をしてきた。
　一人暮らしなのだから、エアコンなど寝室にあれば十分じゃないかと思ったが、署では
すぐに言うとおりにした。署長の要求には逆らえない。エアコンの購入設置費用は、
当然のごとく裏金から出された。

////// 2009/3/31発行 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 76 ////////

　だが、話はここで終わらない。驚くべきことに、この署長は次に転勤していくとき、
そのエアコンを持ち帰って自分の家に取りつけたのである。
「ワシが言うてつけさせたんだ。ほしかったら、次に来る署長がまたつければええ」
　こういう理屈になるらしい。彼はいま、自分の家を二件持ち、一軒を息子名義にしている。
　こうした輩の欲望には際限がなく、裏金を使って派手に飲み食いもする。
　エアコンを持ち去った署長の前に八幡浜署にやってきた署長Ｉ・Ｈは、毎晩のように
豪遊して裏金を使い果たし、それでも足りずに五〇〇万円からの借金をつくった。

//////// 現職警官「裏金」内部告発 ///

誘導です

集団ストーカー・電磁波犯罪被害は24時間365日、何年も続きます。
そこから考えられる事として、真犯人は、
1.加害装置をコントロールする端末の前に座りっぱなし
2.無職であること
3.引きこもりであること
4.1日8時間危害を加える行為を行ったとしても、被害者に対し、ローテーションを組んで加害行為を行っている
5.仲間が必ずいる
などが考えられます。
被害者が精神病であるという前提を無視すると、面白い仮定が可能です。
貴兄らの思考ゲームのはじまりです。
さぁ、精神病の前提をはずして、犯人像を自由に語れ。

http://wc2014.2ch.net/test/read.cgi/soc/1414651762/

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 77 ////////

　I・Ｈもやはり単身赴任で、当時五三〜五四歳だった。まだ枯れるには早い年齢だ。だから
というわけでもないだろうが、あるスナックのママに入れ込み、彼女を署長室に呼び入れて、
自分の署長用の帽子を被らせて写真を撮るなど、わけのわからないことをしていた。
「女房と別れておまえと結婚する」と甘い言葉をささやき、ママのほうも真に受けていたようだ。
しかし、二年間の任期を終えるI・Ｈはそのスナックに多額の借金を残したまま、さっさと
松山に帰っていった。自分では、きれいに別れたつもりだったらしい。だが、ママのほうでは、
そうは思っていない。

//////// 講談社発行 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 78 ////////

「結婚してやる言うたのに、どうなってるんですか！」
「あんなん、冗談や」
「なんですって！じゃあ、溜まりに溜まった飲み代、すぐに払ってもらいましょう」
　ということになってしまった。
　当初、請求されたのは四〇〇万円ほどだったそうだ。それをきれいに払えばよかったものを、
I・Ｈは一銭も払わなかった。するとママは、ヤクザを連れて脅しにかかってきた。結局、
そのあと八幡浜署に赴任してきた副署長が、五〇〇万円支払って決着をつけた。

/////// 税込価格1,575円 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 79 //////////

　「本当につまらんことをしやかって。なんでワシらが、こんな尻ぬぐいせないけんのか」
　と、その副署長は怒っていたが、裏金を使い果たした末の借金だから、公には言えない。
　それに、彼はI・Ｈのしたことを怒っているのではない。せっかく裏金をつくったのに、
自分たちが使う前に借金返済へ回さなければならないから、怒ったのだ。
　裏金で借金の尻ぬぐいをしてもらった当のI・Ｈは結局、警察を辞めていった。あと一年も
すれば交通部長ぐらいにはなっていたはずなのに、その寸前にスナックのママがヤクザがらみで
県警本部に抗議しに行ったものだから、居たたまれなくなったようだ。

////// 仙波 敏郎 (著) ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 80 ////////

　しかし単なる依願退職だから、辞めたあとには、警察のほうで自動車学校の校長など
といったポストをちゃんと用意してくれるのである。
　このI・Ｈと、鉄道警察隊に配属になってからばったり出会った。「センちゃん、元気？」
と声をかけてくるので、「その後どうですか」と聞くと、こんな説教を垂れていた。
「やっぱしのう、警察は定年まで辞めたらいけんぞ」
　過去のいきさつを知る私は、「たいがいにせえよ」と思ったものである。

////// 2009/3/31発行 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 81 ////////

　　　　　裏金の使い方で上司の評価が決まる謎

　裏金は、所属長やキャリアだけでなく、警察署の各課長へも毎月分配されてきた。
　課長一人に月五万〜一〇万円、多い人は二〇万円ほどを副署長から渡され、
「これを交際費としておまえにやるから、ちゃんと領収書をまとめろ」と言われる。
　それをどう使うかは、人それぞれだ。たとえば、刑事課には下戸の課員は
ほとんどいないので、分配金を全額、部下との飲み会に使う課長が多い。
八幡浜署にいたときの交通課長は、月に三万円の分配金で課員たちを焼き肉屋に
連れて行き、飲み食いさせていた。

//////// 現職警官「裏金」内部告発 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 82 ////////

　こういう課長は、部下から「よい上司」として慕われる。分配金をすべて自分で
使う課長は、「悪い上司」としてみなから嫌われる。どちらにしても、「そんなに
酒が飲みたいのなら、自分の金で飲んだらどうですか？」と、思わざるをえないが。
　ほかに、元日に署長公告で行われる年始会にも裏金は使われた。何十万円もかけて
酒や料理を用意し、集まった署員たちにご馳走するのだ。また、県警内で行われる
柔剣道大会の慰労会や、大きな事件が解決したあとの打ち上げの会も、裏金で
賄われてきた。

//////// 講談社発行 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 83 //////////

　忘年会や送別会は署員が割り勘で飲むが、帰りに飲酒運転で事故を起こされては
困るので、裏金で購入したタクシー券が配られた。ただし、これを渡されるのは、
副署長が特別にかわいがっている部下だけだ。
　瀬戸内海に面した今治署では、署長が裏金から一〇〇万円を出してフェリーボートを
二隻貸し切りにし、署員とその家族を招待したことがある。その理由がふるっていた。
「裏金を全部自分で使うのは心苦しいから」と。彼も、「人のよい署員」と言われた。
　県警内での上司に対する評価は、こうして決まる。「裏金をみなに還元するかしないか」
だけが基準であり、「仕事ができるかどうか」はどうでもいいことなのである。

/////// 税込価格1,575円 ///

　
/// 誰も知らなかった「裏金」の実態 84 ////////

　　　　　年末のお楽しみ――署員への「つかみ分け」

　毎年一二月二八日の御用納めの日には、現場の警察官全員が、各々所属する警察署に
集まる。署が用意した昼飯の弁当を食べ、「つかみ分け」をするのが愛媛県警の長年の
慣わしだった。
「つかみ分け」とは、署員が階級に応じて上司から現金をもらうことである。巡査は
二〇〇〇円、巡査部長は三〇〇〇円、警部補は五〇〇〇円という具合に、現金が入った
封筒を直属の課長から渡される。
　むろん、弁当代も「つかみ分け」の金も、すべて裏金から出ている。おそらく、
「裏金づくりに協力してくれて、ご苦労さん」という意味合いがあるのだろう。

////// 仙波 敏郎 (著) ///