国民は貧困・非正規増大で困り果ててる。
561 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/15(木) 20:53:49.99 ID:6v4L9GyX
/// "裏帳簿"特別会計 21 ///////////
図表1-14で示すとおり、農地保有合理化促進のために国が出している補助額は
平成一三年で一五五億円。都道府県を経由して「(社)農地保有合理化法人」という
団体に渡っている。この法人は都道府県に一つずつある農業公社(四七)と市町村の
外郭団体である農業公社(一一一)をはじめ一部の市町村(七)などが構成員となり、
約二六〇〇人の職員を抱えている。これは存在そのものが無駄な団体である。
農地改良資金貸し付けのための国の予算は二三三億円。この資金は「生産技術改良」
などの名目で機械や設備の導入に貸し付けるもので、都道府県を通して農協系金融機関
である「信連」に渡り、そこから個別農協を窓口に借り受け人に渡る。市町村でなく
農協にやらせているところがミソだ。
////////// 日本が自滅する日 ///
562 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/17(土) 09:13:51.76 ID:lQIM4mLd
/// "裏帳簿"特別会計 22 /////////////
また、地域農業改良普及センターなどという第三セクターも窓口として位置づけ
られている。無利子貸し付けであるから、この貸し付け業務では収益は生まれない。
そのための農協や第三セクターの事務費や人件費として別途莫大な予算が組まれ、
支出されている。二重払い三重払いである。このほか(特)農林漁業金融公庫を
経由した融資事業(二六九億円)も扱っている。
この特別会計では農水省職員三二一一人分(平成一〇年度)の給与も支払っている。
農水省の職員定員は四万二九九〇人であるから、全体の七%余を特別会計で負担
していることになる。なぜ一般会計で全体の給与を払わないのか。農水省に説明を
求めると、「工事の受益者負担分の中に人件費も組み込まれているので」という。
理解不能な説明である。
//// 官制経済体制が国民のお金を食い尽くす ///
563 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/17(土) 17:35:55.20 ID:lQIM4mLd
/// "裏帳簿"特別会計 23 ///////////
就農支援資金貸し付けは、新たに農業に就きたいという人を支援するために国が
二四億円を出すというふれ込みで始まった。これも都道府県、市町村や「合理化法人」、
農協がやっている事業で、国がそれに便乗したかたちだ。国が直接無利子貸し付けを
行うことにしたのだが、資金量がたった二四億円と、あまりに少額である。
しかも、その業務は外郭団体にやらせている。地方にある「青年農業者育成基金」や
「農業公社」がそれである。これらの団体には別途補助金を出している。
これは、さまざまな名目で補助金を出すという口実の下で、市町村の役所で十分
間に合うにもかかわらず、外郭団体にわざわざ仕事をやらせていることにほかならない。
都道府県や農協、合理化法人は、これらの団体を「支援」する立場だと位置づけられ
ている。そのための金は別途きちんと支出される。
要するに、訳のわからない仕組みを作って、訳のわからないことをやっているのだ。
それが利権と政党・政治家の集票・集金に結びついていくのである。
////////// ¥1,785で絶賛発売中 ///
564 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/18(日) 17:15:14.60 ID:NoiU0v35
/// "裏帳簿"特別会計 24 //////////
「仕切り」の世界――国営土地改良事業特別会計
農業構造改善事業に関しては、国営土地改良事業特別会計というのもある。
これは、一般会計から二七八〇億円を受け入れ、財投から五二五億円を借り入れて、
主に国直轄の灌漑排水や干拓事業などの「公共事業」をやっている会計である。
借入残高は一兆六七四億円に達している。そのカネの流れを図表1-15に示した。
ちなみに、公共事業には地方がやる公共事業と、国が予算の全額を出す公共事業
(直轄事業)とがあるが、地方の公共事業もその内容はほとんど中央省庁が決めている。
地方が単独で事業を行う力は自治体に残っていないので、地方もそれに従う。
事実上、地方負担分には国の裏補助もつく。だからすべての公共事業は
事実上、国がやっているといっていい。
/////////// 石井 紘基(著) ///
565 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/20(火) 23:11:53.32 ID:ph1f20Lw
/// "裏帳簿"特別会計 25 /////////
直轄事業の予算は農水省の地方農政局(全国七カ所)を通して都道府県に渡る。
この過程で、特定のコンサルタント会社に設計を委託し、施工会社も自動的に
決まっていく。談合というより、「仕切り」の世界だ。地域ごとの有力政治家が
仕切るのである。
当然のことながら、コンサルタント会社や業界・業者からの政治献金が
つきものとなっている。
・・・・・
///////// PHP研究所発行 ///
566 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/21(水) 23:21:21.45 ID:/32Rj8Q9
567 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/22(木) 20:53:30.44 ID:sTBstles
/// 官制経済を支える"闇予算"財投 1 //////////
石井 紘基 (著) 「日本が自滅する日―官制経済体制が国民のお金を食い尽くす」
PHP研究所 2002年1月出版 価格¥1,785 より
・・・・・
第三節 官制経済を支える"闇予算"財投
「財投」は「特会」「特殊法人」と不離一体
「特別会計」が"裏予算"であり財政の黒幕であるとすれば、「財政投融資計画」は
その裏予算を支える"闇予算"である。国ぐるみの投資事業(=行政ビジネス)のために
大量の資金を供給する"胴元"といってよい。先進諸国には例のない特異な制度である
とともに、日本の"歪み"の根元でもある。
////////// PHP研究所発行 ///
568 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/24(土) 10:57:31.17 ID:gmoC2myr
/// "闇予算"財投 2 /////////////
財投は特別会計とともに多くの特殊法人などの官企業と相互に不離一体の関係に
あって政官業の一大利権体制の主な資金源となっている。しかも、特別会計と財投は、
国家予算であるにもかかわらず、省庁の裁量で動くのが特徴である。
財投の原資となるのは、国民の税金の一部のほか、郵便貯金や簡易保険、さらには
厚生・国民年金の積立金などである。それら「国民の積立金」はいったん大蔵省の
資金運用部(会計上の名称で、そういう組織があるのではない。平成一三年度から
財政融資資金に名称が変わった)に繰り入れられる。その資金を社会資本の整備などの
ために「投融資」するというのが、教科書的な財投の定義である。財投の貸出残高は
四一七兆八〇〇〇億円で、年間予算額は約四三兆円(平成一二年度)にのぼる。
///////////// 2002年1月出版 ///
569 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/25(日) 08:28:41.32 ID:RoLgPCcU
/// "闇予算"財投 3 ////////////
過去一〇年ごとの残高をみると、財投が本格的に動き出した昭和五五年度末に
九三兆七〇〇〇億円あったものが、平成二年度末で二二八兆三〇〇〇億円、
平成一二度末には四一七兆八〇〇〇億円となっている。対前年比で最近の五年間を
見ても、平成八年が二一兆円、平成九年が一八兆円、平成一〇年が六兆円、
平成一一年が十三兆円、それぞれ増加している。
この結果、昭和五五年度を一としたときの平成一二年度の指数は四四.六となる。
驚異的な伸びである。
/////////// 日本が自滅する日 ///
★【なんと、GDPの5割近くが政府支出額】 官僚国家日本の正体 上
大阪市会議員 辻よしたか
日本の予算は、おかしくないか。
平成19年度の予算は、財務省の資料によると一般会計の歳入が約83兆円。特別会計の
歳入が389兆円となっている。単純に合計すると、472兆円だが、うち重複額が138兆円、
また、控除額100兆円があるので、国家予算は、234兆円となる。
ところが、国会で審議されるのは、一般会計の約83兆円のみで、これまで、特別会計は
手つかずの状態でした。各省庁の財布として暗躍してきた特別会計にいよいよメスを入ようと、
特別会計の改革は緒に就いたばかり。道路特定財源の改革にみられるように、霞ヶ関や
族議員の抵抗は、相変わらずで、ドラスティックな改革は進んでいない。
この国家予算は、世界的にみるとどうなのかなぁと調べてみると驚くことがわかった。
概数だが、先進国の名目GDPと国家予算の比率は、こんな具合となっている。
名目GDP 政府支出額 名目GDPに対する政府支出額の割合
アメリカ合衆国 1059兆円 194兆円 18.3%
ドイツ 240兆円 30兆円 12.5%
イギリス 164兆円 46兆円 28.0%
フランス 163兆円 31兆円 19.0%
日本 506兆円 234兆円 46.2%
となっており、明らかに国の運営に対して、グローバルスタンダードから見ると、いびつな
構造になっているのがわかる。ひたすら、公共事業に頼ってきた日本の経済成長の本質が
垣間見られるだろう。
★【なんと、GDPの5割近くが政府支出額】 官僚国家日本の正体 下
ある意味で小沢民主党代表のいう地方ばらまき路線は、取り上げた税金を再配分する
という意味では正解だが、日本の財政の構造的欠陥を改革する意欲は皆無ということを
証明しており、まさに彼の頭の中の時計は止まっている。一時は景気が回復したように見えても、
さらに、傷口を深くするだけで、禍根を残すことになる。本当に求められているのは、自立した
地方企業の育成が急務の課題で、公共事業頼りからの脱皮である。そこにこそ予算を投入
すべきだと私は思う。
おわかりのように、アメリカのGDPの約半分と世界第2位のGDPを誇りながら、その46.2%が
政府支出によるもので、政府がばらまく金を使うだけで、民間企業ががんばって、市場から
生み出すという健全な成長にはなっていないということがわかる。
かさむのは、膨大な公務員の人件費と運営費ばかりで、今度は、その借財が返すに
返せない状況。この負の連鎖を断ち切る、真の構造改革が急務ということをもっと知るべきだし、
マスコミをはじめ、最近の公共投資を増やすべきとする論調には、しっかり異を唱え、
公共事業という麻薬から卒業し、福祉、医療、先端技術にスタンスを置いた財政支出を
地方中心に行い、経済の構造転換を大胆にはかる必要があるだろう。
http://www.tsuji-y.com/page057.html
572 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/26(月) 21:33:06.85 ID:ReCvMKub
/// "闇予算"財投 4 ///////////
財投は、特会と同様に官僚たちにとって魅力的なカネである。一般会計よりも自由に
使えるからだ。"有能"な官僚たちは、財務省が所管する一般会計でなく財投や
特別会計を「有効利用」しようとする。
参考までに、平成一二年度財政投融資計画を見ると、財投や特殊法人は「郵便事業」
「郵便貯金」「国民年金」「簡易保険」「産業投資」「資金運用部」などの特別会計と
省庁の権限を介して連動しており、補助金関係団体につながっている。たとえば
国有林野事業特会は森林開発公団、都市開発資金融通特会は都市基盤整備公団、
空港整備特会は空港公団、電源開発促進対策特会は電源開発、石油・エネルギー特会は
石油公団といった具合で、これに財投の資金がからんでいる。さらに一般会計を加えて
複雑怪奇な予算操作が行われているのである。
//// 官制経済体制が国民のお金を食い尽くす ///
573 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/27(火) 21:13:07.18 ID:tw02eobZ
/// "闇予算"財投 5 ///////////
複雑で無定見なシステム
「財政投融資計画」は平成一二年度までは国会にもかけられなかった。一三年度から
はじめてその大枠が国会に提出され審議・議決を受けることになった。しかし、
財投は投資・運用(公会計と国家財政法になじまない)であるために決して「予算」
とはいわない。しかも、実際には長期の投資・運用計画であるにもかかわらず、
(当然のことだが)当該年度分しか議決できないという矛盾した姿になっている。
「財投」はきわめて複雑で無定見なシステムである。平成一三年度から国会提出
以外にも若干制度が変更されたが、新制度に触れる前に平成一一年度末現在の
概要を見ると以下の通りである。
////// ¥1,785で発売中 ///
574 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/28(水) 22:10:01.69 ID:92+49ZsX
/// "闇予算"財投 6 //////////
「原資(=入り口)」は大きく分けて二つある。一つ目の資金の「人り口」は、政府の
「資金運用部」から入るルートである。つまり国民が預けた郵便貯金(二五五兆円)や
厚生年金・国民年金の保険料(一四〇兆円)、その他(四八兆円)が、政府の
「資金運用部」へ預託される。その「資金運用部」は国債の引き受け等に一一五兆円を
使い、残りの三二八兆余円が「財投」に入ってくる。
もう一つのルートは、国民の簡易保険積立金(一一二兆円)のうち六〇兆円、国民が
銀行などに預けた預金等の中から政府保証債を発行するなどして調達した二二兆円、
NTTや日本たばこ産業の政府保有株配当金等の資金を運用・管理する「産業投資
特別会計」の三兆円、の合計八五兆余円だ。
////////// 石井紘基(著) ///
575 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/30(金) 22:18:16.57 ID:VOP+uOJR
/// "闇予算"財投 7 ///////////
こうして「財政投融資計画」は、四一四兆円(平成一一年度)という、とてつもない
国民の金が使える巨大なサイフとなるのである。一九六〇年代以降、ブレーキや
安全装置を備えなかったこの制度の下に、国民の金が定期便トラックで運び込まれた
のだった。
「使途(=出口)」、つまり「財投」資金の"貸し出し先"は、「政策目的」の名分で
社会資本整備、住宅対策、地域活性化、中小企業対策、国際協カなどを行う機関
である。こうした事業はすべて諸外国では税金でやるか、または民間企業がやっている
ことである。対象となる機関は地方公共団体、特殊会社、"公共事業"関係の九つの
特別会計、それに三三の特殊法人である。
「財投」の矛盾に満ちた"闇会計"ぶりの一部を指摘してみよう。
////////// PHP研究所発行 ///
576 :
名無しさんの主張:2015/01/31(土) 02:24:43.94 ID:Oewn1mMr
577 :
◆33NYKdBuTg :2015/01/31(土) 10:08:14.98 ID:QNcxR2T8
/// "闇予算"財投 8 ////////////
各年度の財政投融資計画(「予算書」)は、各機関における具体的な金の使途が
示されないきわめて抽象的かつ模糊としたものである。莫大な国民の金を使う特殊法人や
特殊会社の予算などの財務内容も出されなければ、それらの機関に例外なく巣喰う
天下り役員の給与なども公表されない。この国では、それがまかり通っている。
「財投」資金は「政策目的」に使う、ということであるが、これは詭弁である。
「財投」の当初の目的はきわめて限られた、国民生活に欠かせない基本的社会資本整備
としての鉄道や少数の港と空港、国道、電力基盤などでその財政規模もきわめて
限定的なものであった。
///////// 2002年1月出版 ///
578 :
名無しさんの主張:2015/01/31(土) 19:01:02.45 ID:RSbVlu9X
579 :
◆33NYKdBuTg :2015/02/01(日) 20:19:28.62 ID:YPHOFQs5
/// "闇予算"財投 9 //////////////
ところが、とくに一九六〇年前後から「整備法」「開発法」等の他、特殊法人などの
「設置法」、予算の「措置法」という具合に次々に新たな"事業"のための「政策」が
法定化された。
しかも、「政策」は必ずしも国会の議決がなくてもできる。そのため、閣議決定や
総理決定、政省令、通達などで無節操に増やし続けた。つまり「政策」も金も"叩けば
出せる打ち出の小槌"という事情の下での「政策目的」である。そんな「政策目的」に
客観性や正当性があるわけがない。
//////////// 日本が自滅する日 ///
580 :
◆33NYKdBuTg :2015/02/02(月) 20:47:32.33 ID:NhM3fBHi
/// "闇予算"財投 10 /////////
「財投」は「民間でできない大規模で長期の資金調達を要する事業を行う」という
タテマエも、無理矢理作られた屁理屈だ。そもそも政治・権力が経済活動に進出せず、
市場経済を健全な姿にしていれば、世界一、二の水準にあった日本の企業に大規模な
事業ができないわけはない。大規模な経済活動が企業にはできなくて行政ならできる
という理屈は、社会主義国でも通用しない。
また、大量資金の長期調達も全く同じことだ。市場を離れて行政で行えるビジネスは
原理的にあり得ない。
//// 官制経済体制が国民のお金を食い尽くす ///
581 :
名無しさんの主張:2015/02/02(月) 23:35:54.30 ID:WVpyAwrR
医療介護の関係で
一番ラクしてもうけてるのは
病院前の薬局小屋の薬剤師。
あいつら医者の指示通りにクスリを袋詰めして
管理料とか指導料とか、実質的な仕事などなにもせず
膨大な手数料収入を得る。
やってるのはスーパーレジ打ちと同じ
クスリの袋詰め作業だけ。
ひどいボッタクリ。
582 :
◆33NYKdBuTg :2015/02/03(火) 22:44:38.15 ID:1BQz5OB6
/// "闇予算"財投 11 ///////
「市場に固有の剰余価値である利息をあてにした行政の"投資"活動」とは論理矛盾
以外の何ものでもない。げんに年金、郵貯、簡保などのこうした手法での「運用」は
無惨な"失敗"を示していて、一億二七〇〇万国民を底知れぬ将来不安に陥れている
ことが何よりの証左である。大失敗は決して「バブル」のせいなどではない。
「財投」は「民間と競合しない」「民業を圧迫しない」、というのも方便である。
これについては「財投」と不離一体の制度である「特別会計」や"公共事業"、特殊法人
などとともに別の項で説明しているので、ここでは省略するが、「民間と競合しない」
「圧迫しない」というのは逆説的に言えば事実である。
////// ¥1,785で発売中 ///
583 :
◆33NYKdBuTg :2015/02/04(水) 20:49:13.88 ID:vDrdRsQw
/// "闇予算"財投 12 ////////////
つまり、民間を近づけず、民間につけ入らせることがないからである。はじめから
民間の上に君臨し、ひいては"市場"そのものを絶やすことになるという意味では
「競合」などあり得ないのである。
「財投」は「運用益で国民の年金や貯金の利息を有利に生み出す」――これもまた
「目的」とされてきた。その結果は「将来、年金は本当に受けられるのか」という
懸念を国民に生み、「貯金の利息は一〇〇万円を一年間預けて二〇〇円」にしか
ならない現実になっている。
///////// 石井紘基(著) ///
584 :
◆33NYKdBuTg :2015/02/05(木) 21:31:05.39 ID:2tuwUKx/
/// "闇予算"財投 13 ////////////
それどころか、年金も郵貯も基本的に不良債権化しているのである。このまま行けば、
ごく近い将来にも悲劇的事態を迎えることが確実だ。年金や郵貯から「財投」への
貸出残高は鰻登りに増えているが、それはすでに"使い込み総額"といっても決して
過言ではない状態になっている。
というのも、特殊法人などは、返済相当額を毎年、新たに借り入れる"サラ金地獄"に
陥っているからだ。「財投」の"使い込み"が将来返済される見込みはきわめて薄い。
請求書は必ず国民に回される。そのとき「知らなかった」では済まないツケなのである。
/////// PHP研究所発行 ///
585 :
◆33NYKdBuTg :2015/02/06(金) 22:49:06.09 ID:CV0GY279
/// "闇予算"財投 14 ///////
「財投」は市場の"疫病神"
「財投」制度の矛盾が露呈するなかで完全に行き詰まった政府は、平成一三年度か
ら「財投」制度の仕組みを少し変更した。しかしその基本的性格や役割は同じだ。つ
まり、「資金運用部」という名称がなくなり、かわりに「財政融資資金」となった。
これは郵貯や年金が"自主運用"となり、「資金運用部」への義務委託制が廃止されて
「財投債」の引き受けに替わったことに伴うものである。「財政融資資金」は郵貯や
年金、簡保の資金を直接預かる代わりに、政府保証付きの「財投債」を郵貯、年金、
簡保に引き受けさせることになっただけの話である。
政府の「財政融資資金」は従来通り郵貯、年金、簡保等から資金を調達して「財政融
資資金特別会計」を運営し、「財政投融資計画」を実施している。
///////// 2002年1月出版 ///
586 :
◆33NYKdBuTg :2015/02/07(土) 11:43:35.97 ID:qHGPIYyD
/// "闇予算"財投 15 /////////
郵貯、年金も"自主運用"になってきたとはいえ、結局はそれぞれの特別会計や
特殊法人の年金資金運用基金などで国債や「財投債」を引き受けているのである。
平成一三年度当初計画の財投貸付残高は四四〇兆円、財投計画予算額は三二兆
五〇〇〇億円で、平成一二年度決算額の三八兆三〇〇〇億円の一五%減となっている。
しかし、減ったのは郵貯、年金などに直接「財投債」を引き受けさせることにしたから
に過ぎない。借金の保証人が替わっただけだ。また、特殊法人などの財投機関が
"借金"の一部を「財投機関債」という、別のかたちで調達することになったからだ。
いずれにしても国民に回されるツケという意味では同じことである。
///// 日本が自滅する日 ///
587 :
◆33NYKdBuTg :2015/02/08(日) 08:09:57.19 ID:RdboTohy
/// "闇予算"財投 16 ///////
各々の特殊法人による「財投機関債」の発行は矛盾そのもので、無責任極まりない。
この制度導入に当たって政府は「市場原理に則した資金調達方式」などと喧伝してきた。
いわんとするところは「ダメなものなら引き受け手がつかないから自然淘汰される」
というのだ。これは笑えない話である。
そもそも「市場原理」という言葉はそのように使う言葉ではない。また、国の機関で
あり莫大な税金を注ぎ込んできて莫大な借金を負っているものを自然淘汰とはどういう
ことなのか。結局、一方に「財投債」を設けて、「機関債」の引き受け手がないところ
に対しては「財投債」で郵貯や年金の「国民の金」を注ぎ込むことになるのではないか。
//// 官制経済体制が国民のお金を食い尽くす ///
国民は貧困・非正規増大で困り果ててる。
589 :
◆33NYKdBuTg :2015/02/09(月) 23:45:01.69 ID:sSPKFj8s
/// "闇予算"財投 17 ///////////
「財投機関債」など現実に引き受け手があるのが、そもそもおかしい(平成
一三年度に調達の目途がついたのは必要額の約四〇分の一の一兆円程度)。
その理由は次章の「特殊法人」の項で述べる通りである。
郵貯、年金、簡保の「国民の金」は「財投債」でますます窮地に立たされ、
その上「機関債」にまで手を出そうものなら、いよいよもって特殊法人とともに
沈没が目に見えてくる。
「財投」は市場にとっての"疫病神"であり、国全体を抜け出すことのできない
底なし沼にはめ込んだ"怪物"なのである。
////// ¥1,785で発売中 ///
590 :
◆33NYKdBuTg :2015/02/10(火) 21:28:12.38 ID:BNjI5tHn
/// "闇予算"財投 18 ///////
国債買い切りオペで長期金利を下げた旧大蔵省の離れ業
ところで、本来なら財投の健全な運用を目指さなければならない旧大蔵省自身が、
特殊法人や公共事業への投資以外の面においても、郵貯や年金を破綻に導くような
馬鹿げた運用を行ってきた。この問題はあまり追及されていないので、以下に
指摘しておこう。
この旧大蔵省の行為は「国債買い切りオペ」と呼ばれるものだ。資金運用部資金を
使って国債を買い切ってしまうのである。平成八年六月に開始し、一回一〇〇〇億円
ずつ毎月二回、必ず買い切りオペを実施してきた。郵貯・簡保、年金資金を原資とする
巨額の資金運用部資金を持っているからこそできる離れ業だった。
///////// 石井紘基(著) ///
国民は貧困・非正規増大で困り果ててる。
592 :
名無しさんの主張:2015/02/15(日) 15:49:30.80 ID:DZb3LQ6D
593 :
告発者:2015/02/16(月) 18:33:51.57 ID:8J59nBkv
594 :
名無しさんの主張:2015/02/17(火) 13:10:17.90 ID:u+IH1nyV
日銀が将来の見えない今さえ凌げればというのを続けているのは明らかだが、誰かが、例えば官がある程度まとめなければ、市場は混乱を極めるだけだね。
どっかの国のバカな財閥社長のやりたい放題だらけになるぜ。それより日銀の自転車操業の出口戦略はどうなっているんだい?
いつまでもこんなやり方続くわけないよね。
595 :
名無しさんの主張:2015/02/17(火) 21:56:25.24 ID:IQCydnZu
崩壊?
官制?
598 :
◆33NYKdBuTg :2015/02/28(土) 20:15:16.41 ID:iQm5anzl
/// "闇予算"財投 19 ///////////
そのころすでに、政府が発行する大量の国債は、市場でだぶつき気味だった。国債
買い切りオペは、だぶつき気味の国債を買い支え、国債価格の下落を防ぐ意味があっ
た。
他方で国の財政政策は、景気対策のかけ声の下で、国債乱発型になろうとしていた。
だぶつき気味の国債が市場で売れず、価格が下落するというのは、いわば国の財政政
策に対する「市場の批判」である。買い切りオペは、この市場の批判を封じる意味が
あった。
債券市場の取引の実勢を反映するものとされる長期金利は、指標銘柄の国債の金利
で表示される。買い切りオペによって、国債価格は上昇し、長期金利は下がった。旧
大蔵省は、資金運用部資金を運用することによって、長期金利の管理まで始めたので
ある。
/////// PHP研究所発行 ///
599 :
◆33NYKdBuTg :2015/03/01(日) 12:13:55.38 ID:bqS9UkcA
/// "闇予算"財投 20 ///////////
旧大蔵省が国債買い切りオペを始めた平成八年六月、日銀は公定歩合を超低金利の
〇.五%から引き上げようと動いていた。大蔵省が国債買い切りオペを始めたねらいは、
この日銀の動きを「粉砕」することにあったとみられている。
周知の通り公定歩合操作について旧大蔵省は、大きな影響力を持っていた。しかし
このときは「超低金利の解消」が正論であり、それを論駁できない。このため旧大蔵省は
「実力」で長期金利を引き下げ、日銀の利上げを阻むという行動に出たのである。
資金運用部資金には預託金利という制度がある。預託金利とは、旧郵政省、旧厚生省が
郵貯・簡保や年金を資金運用部に預託するさいの金利だ。その預託金利は、長期金利に
連動して決められてきた。大蔵省の主導で利率が決められ、金主であるはずの郵政・
厚生両省は、それを了承するだけというのが実態である。
///////// 2002年1月出版 ///
601 :
◆33NYKdBuTg :2015/03/03(火) 00:12:00.87 ID:mffgubyI
/// "闇予算"財投 21 ///////
こうしてみると、国債買い切りオペを実施することによって長期金利を引き下げる
ことは、郵貯・簡保、年金資金の運用利回りを下げることに直結している。国債買い切り
オペの原資は資金運用部資金であり、つまるところ郵貯・簡保、年金資金である。
それを使って郵貯・簡保、年金資金の運用利回りを下げるための操作を行っていたのが
旧大蔵省なのである。
平成九年四月四日付『朝日新聞』朝刊経済面に「預託金利最低の二・七%郵貯・年金、
統合運用の矛盾拡大」という見出しの記事が掲載されている。詳しくは原文に当たって
ほしいが、要するに、預託金利が引き下げられて、年利五.五%の運用利息を稼ぎ
出さなければならない年金は大変だが、郵貯の場合は黒字になっている、というのが
この記事の主旨である。しかし、郵貯の黒字というのは、単に数字の操作にすぎない。
///// 日本が自滅する日 ///
602 :
◆33NYKdBuTg :2015/03/03(火) 21:15:06.10 ID:mffgubyI
/// "闇予算"財投 22 //////////
郵貯資金の中には、平成二、三両年度に呼び込んだ巨額の定額貯金がある。このときの
定額貯金の利率は三年以上の場合、年五.八八%だった。半年複利方式で利息がつく
ため、一〇年間預ければ年平均利回りは、税引き前で七.八五二%になる。定額貯金は
このような高金利を売り物にしてきたのである。
この記事でいう郵貯の黒字というのは、そのときどきに支払った利息しか計上しない
という計算方式だから出てくる数字でしかない。この計算方式では、定額貯金の金利は、
満期のときに一括計上するのである。つまり、郵貯の主力である定額貯金は、満期を
迎えるときまで利息はゼロという条件で計算されているのである。それでは黒字が
出ないほうがおかしい。
//// 官制経済体制が国民のお金を食い尽くす ///
603 :
◆33NYKdBuTg :2015/03/04(水) 20:37:55.97 ID:ttI1yOrV
/// "闇予算"財投 23 ////////////
こんな馬鹿げた計算方式はない。定額貯金の金利は、毎年膨らんでいる分を年ごとに
計上しておかなければ、郵貯の運営が健全であるかどうかがわからない。つまり、
平成二、三年度に預け入れた定額貯金については、毎年七.八五二%の利息を計上
しておかなければ、実態を反映した収支計算にはならないのである。
いずれにせよ巨額の定額貯金が満期を迎えた平成一二、一三両年度には、郵貯は
一挙に赤字に転落。つまり政府の国債買い切りオペは、郵貯・簡保、年金をともに
犠牲にし、乱発した国債と官制経済の胴元である財投の潰滅を回避するという
"生けにえ政策"だったのだ。
////// ¥1,785で発売中 ///
604 :
◆33NYKdBuTg :2015/03/05(木) 21:21:20.08 ID:ymiHgk4g
/// "闇予算"財投 24 ///////////
郵貯・簡保といい、年金といってもいずれも国民のカネである。国民のカネがこんな
デタラメな使い方をされている。当面問題になっているのは年金財政であり、支払いの
水準がどんどん切り下げられようとしている。少子化の影響でやむをえないような
いい方をする専門家もいるが、とんでもない。特殊法人による年金の使い込み運用と
ともに政府の国債買い切りオペが大きな原因となって年金財政が破綻している。
郵貯も額面どおりに戻らなくなる日は遠くないだろう。
旧大蔵官僚が国債買い切りオペをやった理由はわからないわけではない。すでに
書いたように、当時は、国債の値崩れを防ぐことが至上命題であった。銀行業界に
多数の天下りを引き受けさせている旧大蔵省は、銀行の守護者でなければならない。
そして政府が銀行に大量の国債を引き受けさせていることは、政府と銀行が運命共同体で
あることを意味している。
///////// 石井紘基(著) ///
605 :
◆33NYKdBuTg :2015/03/06(金) 20:14:32.40 ID:8gNinRuj
/// "闇予算"財投 25 //////////
最近の数字でいえば、民間の銀行に保有させている国債の総額は七三兆四〇〇〇億円
(平成一三年三月現在)にのぼっている。ちなみに生保も二七兆五〇〇〇億円を保有
している。平成八年六月の段階で超低金利施策が放棄されたなら(国債価格が急落して)、
銀行の経営は大きな困難に直面するという見方があった。旧大蔵省は銀行を守った
ともいえる。それは、国債の六割を保有している政府(機関)をも同時に守ったこと
になる。これも、もとはといえば無責任な借金によるバラ撒き政治の結果である。
国債買い切りオペはそうした国を潰す政策と政府を守り、国民を犠牲にしたといえる。
/////// PHP研究所発行 ///
606 :
◆33NYKdBuTg :2015/03/07(土) 10:13:52.73 ID:WobApyCM
/// "闇予算"財投 26 //////////
しかし、低金利、金融緩和という厳しさを欠いた金融政策が続くと、どの企業も
そうした経済環境にどっぷり浸かってしまう。
旧大蔵省による国債買い切りオペは平成一〇年一二月を最後に打ち切られた。
一〇年末に相次いで行われた一〇年度第三次補正予算、一一年度予算の編成で、
政府は景気対策のため財投をフルに活用した。このため資金運用部資金に余裕が
なくなり、打ち切らざるをえなかったのである。
///////// 2002年1月出版 ///
607 :
◆33NYKdBuTg :2015/03/08(日) 08:09:46.54 ID:ZwkXFO6l
/// "闇予算"財投 27 ///////
民間経済の"死"を裏づける超低金利政策
政府・自民党は橋本内閣時代「財政再建最優先」を掲げながらも、巨額の赤字国債
を発行した。このため市場では国債価格が下落し、長期金利は上昇に転じた。この事
態に直面して政府・自民党から起こったのが、日銀による国債買い切りオペの実施論
だった。「長期金利が上がると経済に悪影響を及ぼす。そうした事態を未然に防止す
るのが日銀の役割だ」というわけである。
中央銀行の国債引き受けというのは、どの国でも戦時経済で行われたパターンであっ
た。戦費調達のため、国は国債を発行する。それを買うのは中央銀行である。こうい
うことになれば、政府予算は制約がなくなり、糸の切れたタコのように財政の節度が
失われ、円の価値が下落する。中央銀行は無限に紙幣を印刷、発行する。すさまじい
インフレになり、経済は壊滅状態に陥る。
///// 日本が自滅する日 ///
608 :
◆33NYKdBuTg :2015/03/09(月) 22:17:13.26 ID:zKMACo5E
/// "闇予算"財投 28 /////////
よく知られたケースが、第一次世界大戦後のドイツであり、第二次世界大戦前後の
日本であった。日本ではそういう苦い経験があって、財政法(第五条)により国債の
日銀引き受けは禁止されたのだ。
そのため、抜け道としてとられた手段は、いったん市中銀行を通して買うという手
法だった。この方法は今でも続けられ、政府の"たれ流し財政"に貢献している。
脆弱になった日本経済に対して日銀が現実にとったのは「ゼロ金利政策」だった。
日銀が自発的にとったというよりも、強いられたといったほうが適切だろう。平成一
一年二月、短期金利の誘導目標を〇.一五%とし、その後もいっそう低下を促してい
くと宣言したのである。銀行間問取引のコール市場にどんどん資金を流し続けるから、
そこからあふれ出た資金は債券市場にも流出する。だから長期金利上昇は防止される
という理屈だった。
//// 官制経済体制が国民のお金を食い尽くす ///
609 :
◆33NYKdBuTg :
/// "闇予算"財投 29 ///////////
この時期、日本の長期金利が上昇したといっても、最高が平成一〇年一二月末の
二.〇一%であった。米金融市場は、ブラジル経済への不安とともに資金を安全な
投資先とみられる米債券に移し替える動きが活発になって国債相場が急上昇
(長期金利は急落)した一一年一月一三日でも、五.一二%だった。
つまり日本経済は、二%の長期金利でもやっていけないほど、脆弱なものとなって
しまった。その脆弱さは、公定歩合が指標となる短期金利も長期金利もともに低い
という「双子の超低金利」が定着することによってもたらされたのである。
もちろん公定歩合の決定権をもつ日銀には責任がある。また、金融政策の全体を
とり仕切ったのは旧大蔵省だ。私がいいたいのは(旧大蔵省の肩を持つ訳ではないが)
個々の局面における政策判断もさることながら、深層深部の問題として、わが国には
「市場」の機能そのものが失われており、またそのことに対する問題意識が決定的に
欠落していることである。つまり、資本の拡大再生産がない官制経済の下では、
「利息」が生まれるまでに経済は活性化しないのだ。
////// ¥1,785で発売中 ///