ブータンのディスコで若者たちに聞いてみた「今、幸せですか?」
週プレNEWS 11月28日(月)14時26分配信
土曜の夜、ブータンのディスコ「エース」に集う若者たち。彼らに「今、幸せ?」と聞いてみたら、同じ答えが返ってきた
15日からの日本滞在を終え、20日に帰国したブータンのワンチュク国王夫妻。その穏やかながらも誇り高く知的な振る舞いに、日本中が魅了された6日間だった。
インドと中国にはさまれたチベット仏教の小国・ブータンは、人口約70万人。物質的に豊かとはいえないが、国民総生産に代わる概念として国民総幸福量を重視しており、精神的に豊かな国として知られる。
まさにワンチュク国王夫妻の幸せそうな振る舞いが、そのお国柄を表していたといえるだろう。
だが、本当にブータンの国民も幸福を感じてるのだろうか? 以下は、文筆家の佐藤健寿氏がブータンに行って聞いてきた、生の言葉である。
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ブータンという国は変わっている。隣国であるネパールやインドを除き、外国と交流を持ち始めたのはまだほんの30年前。急激な西欧化を防ぐため、長年、事実上の鎖国状態を続けてきたからだ。
しかし1999年以降、事情は急速に変化しつつある。テレビとインターネットが解禁されたのだ。都市部の若者たちはそうしたメディアを通じて、着実に外国文化を吸収している。
今では携帯電話も普及し、若者はネットでJ−POPや海外の音楽を聴く。子供たちはネットゲームに夢中だったり、若い女のコはストパーかけていたり、先進国への憧れみたいなものは普通の途上国並みには強い。
しかし日本のマスメディアはよほどブータンを牧歌的な国ということにしておきたいのか、そういう事実をほとんど報道しない。だが、例えば首都ティンプーには数軒のディスコさえ存在する。
町で一番の大ハコである「エース」は僕が訪れた土曜の夜、多くの若者でにぎわっていた。女のコたちはミニスカートやセクシーなワンピースを着て、男のコたちはB−BOY風のダボダボのジーンズとシャツを着ている。