コサック。それは南ロシアの大地に独自の伝統文化を築いた戦闘集団である。
帝政ロシア時代、勇猛果敢な騎馬軍団としてロシアの領土を守り、拡張してきた。
しかし1917年のロシア革命によって、コサックは歴史の闇の中に封印された。
ソ連が崩壊した今、再びコサックの過激で戦闘的な民族主義がロシアに台頭した。
コサックの男たちは、旧ユーゴ内戦において、同じスラブ人であるセルビア人勢力に志願兵・傭兵として赴き、
スラブ人的な選民思想の元、死を恐れず各地の戦いや他民族弾圧に加担した。
それは、コサックの男たちにとって何よりも名誉な行為なのだ。
このドキュメンタリーは、「栄光の歴史の復活」「死を神聖化する宗教」「武力崇拝」などによって
正当化される熱狂的で過激な民族主義が、いかに世界を危険に陥れるかを物語っている。
皆さんは、本作のコサックの人々を観て「こんな危険な人たちが本当にいるのか?」と慄然とするだろう。
しかし、コサックは厳然と存在し、政治・軍事・宗教面で大きな力を振るっているのが今のロシアである。
よみがえるコサック 〜ロシア民族主義の台頭〜 (1994年)-50分-
http://www.megavideo.com/?v=SE179MXB --余談--
日本でも一部の人たちが、コサック化したロシアのような危険な国を目指している。
言うまでも無く、私は、靖国神社を“崇める”ネットウヨや田母神系自衛官にコサックの姿を見る。
靖国神社は、「歴史を取り戻せる場所」であり「旧軍の神格化」であり「武力を賛美」する崇拝施設である。
ネットウヨや田母神系自衛官の“コサック化”という不気味な日本の将来を予想するのは難しい。
しかし、確実に言えることがある。それは、靖国“崇拝”は、かつての破局の重篤な健忘症であり、
同じ過ちを繰り返すことによって、今度は本物の日本滅亡への道につながるということだ。
本作品を冷静に観て欲しい。