プリオン持たない牛の飼育に成功 BSE解明に有用
http://www.asahi.com/science/news/TKY200612310215.html 2007年01月01日
キリンビールなど日米の研究チームが、牛海綿状脳症(BSE)の発症に
関係するたんぱく質「プリオン」を持たない牛を、遺伝子操作などで
誕生させ、20カ月間、健康に育てることに成功した。
BSE発症の仕組みを解明する手がかりとなるほか、BSEの心配がない
家畜づくりにもつながるとみられる。31日付で米科学誌ネイチャー
バイオテクノロジー(電子版)に発表する。
プリオンを持たない牛は、05年2月に12頭生まれた。
体細胞クローン技術を利用して、核を抜いた牛の受精卵に
プリオン遺伝子の機能を失わせた牛の繊維芽細胞の核を移植。
これを雌牛の子宮内に戻して出産させた。
この牛は、医薬品開発に役立てるモデル動物としてつくられた。
実験のために安楽死させた3頭を除き、残った9頭すべてが
20カ月を経過し、特に異常のないまま成牛にまで育った。