「これでは困る韓国」呉善花、崔吉城 1997 より
呉「在日の人たちにしても、植民地時代も自分の意志で積極的にきた人のほうが
ずっと多いんじゃないですか。強制連行で連れてこられた人たちはほとんど帰っ
てしまったわけですから。」
崔「そこはいいポイントです。事実はまさしくその通りなんです。ところが、
そうであるにもかかわらず、意識としてはそうじゃなくなっているんです。
自分も植民地のときに強制的につれてこられたのだと、これはアイデンティティ
としてそうなってしまっているんです。」
呉「なるほど、意識と実際は違うということですね。」
崔「実際は強制されてきたのではなくても、我々は強制されてきたんだという、
そういう物語をつくってそれを自分の意識としてもつんです。
ここが在日韓国・朝鮮人を考える場合のかなり大きなポイントです。
(中略)それで一世たちはそういう物語を二世、三世に懸命に教えるんです。」
呉「なんのために教えるんですか」
崔「民族意識を守り、それを子孫に伝えるためです。」