<名古屋地下鉄談合>高速道でも実施 5件192億円
名古屋市発注の地下鉄工事を巡る談合事件で、複数のゼネコンの営業担当幹部が公正取引委員会などの調べ
に対し、名古屋都市圏の交通網整備を行う「名古屋高速道路公社」が発注した5件計約192億円の工事でも
談合したことを認めていることが分かった。名古屋地検特捜部の捜索容疑となった地下鉄分と合わせると、不正
入札は計10件384億円余に達する。いずれも、大手4社による談合決別の合意(05年末)後で、悪質な実態
が一層鮮明になった。
今回明らかになった高速道路分も地下鉄と同様に、大林組名古屋支店元顧問、柴田政宏被告(70)=競売入札
妨害罪で起訴=が仕切り役を務めており、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で調査を進めている公取委など
は重大な関心を寄せている模様だ。
関係者によると、談合の疑いがあるのは昨年3月8日と同8月9日にあった地域高規格道路「県道高速名古屋
新宝線」(名古屋市中村区―愛知県東海市、約14.3キロ)の5件の入札。大林組、大成建設、清水建設、前田
建設工業、奥村組の各社を筆頭企業とする共同企業体(JV)が、総額192億3900万円で落札し、予定価格
(上限価格)に対する落札額の割合を示す落札率は最高で96.49%に達した。
入札に参加した複数の企業の営業担当幹部は、公取委の調べなどに「談合決別合意前の05年12月ごろ、柴田
被告が5件の入札すべてで本命JV(チャンピオン)を配分した。その後の入札でも、配分通りの本命JVが落札
した」と談合を認めているという。
地下鉄工事でも、柴田被告が05年12月ごろ、本命JVを決定し、一部を入れ替えるなど隠ぺい工作をしたうえ
で、昨年2〜6月に5件計192億2000万円の不正入札が繰り返された疑いが持たれている。同じ構図である
ことから、公取委と特捜部は、高速道路分も並行して解明を進めているとみられる
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070123-00000019-mai-soci