◆警察統計は、警察の方針次第で動く面がある。
かつて公安警察が主流で世界一の検挙率を
維持するのが目標だった時代(特に70年代後半〜80年代)がある。
そのために「違法駐車、引っ手繰り・空き巣狙い、自動車窃盗、万引き」等
軽犯罪の取り締まり強化を使った。
例えば暴走行為した若者や
放置自転車やバイク・盗難車を含む違法運転を
職務質問して止めるとそれで、認知イコール解決で、
検挙率100%。どんどん解決する。統計のマジックだ。
一方、男女や親子の争い、児童虐待などは民事不介入が原則だった。
1988年の警察改革によって、それが変わり、
1999年は今度は桶川ストーカー事件が起き、
警察の対応の悪さが厳しく批判された。
それ以降「告訴・告発は全件受理しろ」と指示を徹底し、
一変した。男女や親子間のもつれ、
ヤミ金融など全部受けて、ものすごく忙しくなった。
「オイ、コラ」の警察が泣き寝入りしていた被害者の訴えを聞くように
なったのは良いことだが、おかげで余罪捜査がほとんどできなくなった。
刑法犯の8割以上が窃盗で100件以上、余罪のあることが多い。
検挙率が急に低下したのも当然だ。
日本のおとなから見て「えたいが知れない」という点で共通していると思う。
非難されても何も言わないし、何も言えない。
だから言いたい放題になりがちだ。
刑務所に入っている外国人は、言葉が通じないので扱いは面倒だが、
居心地は福祉施設並に改善されている。
また犯罪の「低年齢化」は少年非行の専門家なら誰でも否定するはず。
非行は14〜16歳でグンと増え、
その後、高校に進学して就職すると落ち着く。
ところが今は就職できず、
フリーターになる。
暴走族も足を洗えない。
若者の失業でむしろ少年非行が「高年齢化」している方が問題だ。