610 :
名無しさんの主張 :2008/07/12(土) 07:19:49 ID:I/pSEr1l
611 :
◆JeacknUANQ :2008/08/03(日) 00:07:06 ID:Vpuq3kkb
/// 抱き込みの包囲網 1 //////////////// カレル・ヴァン・ウォルフレン著、原著1989年発行 日本 権力構造の謎〈上〉 ハヤカワ文庫NF、篠原 勝 (翻訳)より ・・・・・ 3章 抱き込みの包囲網 無数の政治的勢力が、しかも、それぞれがその気になれば国家を揺るがしうるだけの力を有し、 自分の利益を守ろうとひしめき合うなかで、責任をとるものがまったくいなくても社会的混乱が 起こらない。それどころか、社会の秩序正しさと人びとの規律正しさというのが、日本の 際立った特徴である。これでは、どこか別のところになにか非常に有力な政治的勢力があって、 それが結合力のもとになっているにおがいないと思ってしまう人もいるだろう。 日本人は、自分が生活していくうえでの大部分のことはだれかが決めて管理してくれる という考え方を、子供の時から無意識のうちに教え込まれる。また、日本人を取りまく環境は、 一般的に、臨機応変に行動することを奨励しない。 //////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
612 :
◆JeacknUANQ :2008/08/06(水) 10:45:40 ID:X/pqzB2S
/// 抱き込みの包囲網 2 //////////////// 心身を休めて楽しむ場合にも、えてして規律を重んじる。学校の行事から花見にいたるまで、 集団行動はほぼ例外なく苦心して準備され、本番はといえば予定どおりに進行される。 外部者の目から見ると、どんな楽しみもすべて周到な準備のためになくなってしまう。 個々の日本人は自分にどのくらいの自由裁量が許されているのかをつねに念頭に置いて 行動するようだ。これは、日本の組織についてもほぼ当てはまる。既存の社会的、政治的な 仕組みに対する抵抗が長続きすることはまれである。たしかに、日本の組織も、勢力拡大を 図ることもあるが、それはあくまでも、ヒエラルキーの中で自分の地位を確保する最良の方策だ というときのみである。通常、きわめて小規模な、少数の(誰が見ても)きわめて過激な小集団を 除けば、<システム>の秩序を乱すようなそぶりさえ見せるものはいない。 /////////////////////// 原書1989年刊 ///
613 :
◆JeacknUANQ :2008/08/15(金) 20:11:19 ID:8CQ/S1Py
/// 抱き込みの包囲網 3 //////////////// 政治的な競争の欠落 アジア諾国や西欧社会では、宗教担織や血縁同族集団などが、既存のエリート階級に挑戦し、 それらにとって代わろうとする勢力として存在してきたが、日本にはこのようなオルタナティプ (二つめの選択肢)の組織がまったくない。だから、既存の政治体制に対する長期的で粘り強い 反対をする伝統はなく、労働運動も、消費者運動という単純な現象すらうまれなかった。 いろいろな利益集団や、農業協同組合や労働組合もあるが、そのほとんどが<システム>に 取り込まれ、<システム>の目的に利用されてしまっているのだ。 ///////////////////////// 早川書房 ///
615 :
◆JeacknUANQ :2008/08/23(土) 20:49:53 ID:mB8MJiMR
/// 抱き込みの包囲網 4 //////////////// 骨ぬきされる伝統的挑戦 日本の権力保持者は、これまで何世紀にもわたり、自分を脅かしうる集団を無力化あるいは 吸収するという技に磨きをかけてきた。この歴史は、少なくとも、仏教が「既存の社会体制 および伝統的価値体系の中の単なる小道具の一つ」になった時代にまで遡る。他の多くの 政治体制では、宗教が世俗の支配者に対抗して権力を求める最も強い勢力をうみだしてきた。 それらはある程度、個人を権力保持者の支配から解き放つ役割を果たした。 したがって、インドでは武士階層に属するヒンズーの王侯は、つねに僧侶階層のバラモンに 目を光らせていなけれぱならなかった。プロヒタ(首相のようなもの)は宗教的に上位にある 僧侶階層を代表していたのである。彼の主な職務は形式的なものであったにもかかわらず、 王の意見に決定的な影響を及ぼすものとされた。 //////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
616 :
◆JeacknUANQ :2008/08/30(土) 20:38:35 ID:zED0hOmK
/// 抱き込みの包囲網 5 //////////////// 現代のインドでも、宗教的な配慮は政治生活の中で重要性を持ち、その傾向はより強くなって いるようだ。タイでは、仏教が、国民の価値観の根幹として王制と同等の価値があると考えられている。 フィリピンでは、カトリックの司教が普遍的な原理に訴えて一九八六年のマルコス大統領追放の 先頭に立って、重要な原動力となった。また、インドネシアやマレーシアの政府はイスラム教指導者の 不興を買うような危険は決して冒さない。というのはそれらは、イスラム原理主義勢力に支援されて いるからである。韓国の反政府運動は、全国に勢力を広げつつあるカトリックおよびプロテスタントの 教会を背景としておもに組織された。日本が主権在民の公式モデルとしている近代政治制度は、 いうまでもなくヨーロッパにならったものだが、これは何世紀にもわたりその時代の政治的論評の テーマとなってきた、政教分離というヨーロッパの基本的な前提から生まれたものである。 ///////////////////// 840円(税込) ///
617 :
◆JeacknUANQ :2008/09/04(木) 22:35:27 ID:3OV7y6K3
/// 抱き込みの包囲網 6 ////////////////// 中国の場合、宗教は世俗的な権威に対抗する力としてはあまりにも弱かったが、そのかわり、 高度に中央集権化された行政制度は、別の勢力からの挑戦を受けた。中国の国家は皇帝を 中心にすえて、マンダリンと呼ばれる官僚が運営にあたる大規模な官僚制度が首都から地方へ 向かって力を及ぼした。その一方、この権力機構に並立する、まったく異なる社会組織があったのだ。 つまり、氏族および地主階級が頂点に立つ地方権力機構である。この二つの体制の軋轢から 生まれる緊張感は、つねに紛争の火種になる危険性をはらんでいた。 ///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
618 :
◆JeacknUANQ :2008/09/13(土) 19:19:42 ID:rblmSfrT
/// 抱き込みの包囲網 7 //////////////// 日本の場合、社会的なヒエラルキーと政治的なヒエラルキーとが一致していた。中国では、 家族の成員であるかどうかを決めたのは血のつながりで、儒教でいちばん大切とされる「孝」が、 皇帝や国家に対する政治的忠誠より重要なものとされていた。それに対し、日本では「イエ」に 政治的重要性があった。その成員としての基本的条件は、仕事の分担であり、血縁関係は 必要条件ではなかったのだ。家長の座の継承も、養子縁組によってなされることも多かった。 徳川政権が、「イエ」をその政治機構の基本単位にしたことは重要である。その結果「イエ」は、 公的に認められた家長の力に従わざるをえない財産所有権のない成員で構成される企業のような 組織となった。中国では国家に対立して存在した「イエ」が、日本では、このように、国家に 吸収されてしまった。この重要な歴史的展開については、6章で詳しく見ることにする。 ////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
619 :
名無しさんの主張 :2008/09/13(土) 19:22:45 ID:117az/eN
>>618 いったい
いつになったら
この本読み終わるのだか・・・・・・・・
620 :
◆JeacknUANQ :2008/09/14(日) 22:01:46 ID:71oP2MGf
/// 抱き込みの包囲網 8 //////////////// 無カ化される市民運動 日本の政治的現状にさからって変革を試みる者が直面する相手は、変幻自在で、雲を つかむように実体がないから、結局は攻略もできないという難物である。日本の権力は 分散されすぎているので、対決するにも捕まえどころがないのだ。<システム>に対抗してくる 不平分子の主要なものはみな、そして小規模なものも大半が、<システム>の個々の構成員の 平和的手段によってその懐の中に抱き込まれてしまう。顕在化したものであれ、潜在的な ものであれ、反対勢力はすべて、すみやかに牙を抜か れて、忘れ去られる。また、 その規模からいっても声の大きさから見ても無視できないほど大きな勢力は、<システム>内の 一部として機能するよう、ごく自然に同化させられてしまうのである。 /////////////////// 原書1989年刊 ///
621 :
名無しさんの主張 :2008/09/17(水) 21:39:23 ID:K8Tj0Lyt
社会学講義 人と社会の学 富永健一 中公新書 第一章 社会の学としての社会学 社会学とは何か、社会学の研究対象、社会学の研究諸分野 第二章 理論社会学 ミクロ社会学 マクロ社会学(1)社会システム構造論 マクロ社会学(2)社会システム変動論 第三章 領域社会学と経験社会学 領域社会学 経験社会学(1)社会調査 経験社会学(2)計量社会学 社会階層調査のデータ解析 第四章 社会学史の主要な流れ 前史と社会学第一世代 社会学第二世代 現代社会学の諸潮流
622 :
◆JeacknUANQ :2008/09/20(土) 18:38:58 ID:dVfjAG7i
/// 抱き込みの包囲網 9 //////////////// たとえぱ、消費者運動を例にとってみよう。日本の中産階級の主婦は、政治的に見て 重要な役割をになう可能性のある存在といえる。自由な時間が増えた主婦は、地域活動に 熱心にとりくむので、婦人会のない地域はほとんどない。主婦連は、もっとも古くからある 圧力団体の一つで、戦後の闇取引に対する反対運動などの中から一九四八年に結成された。 そして一九六〇年代の終わりから七〇年代の初めにかけて、地婦連(地域の数多くの婦人会を 統括する上部組織)と提携して、消費者運動の先頭にたってきた。それは、新しい形の 政治運動かとさえ思わせるほどの動きであった。ところが、缶ジュースの果汁含有量の 表示を義務づける法律をつくらせたり、カラーテレピの値段を下げさせるといった、小さな 問題ではいくつか成功したものの、活動は次第に尻すぼみになってしまった。 ///////////////////////// 早川書房 ///
623 :
◆JeacknUANQ :2008/09/27(土) 19:57:40 ID:tSXrI35b
/// 抱き込みの包囲網 10 //////////////// いたるところに存在するが、とらえどころがなく、すべてを抱き込んで吸収してしまう 〈システム〉が、自身にとって害になると見て骨抜きにしてしまったのだ。一九七五年には、 財界の代表が、二五〇べージもの報告書を作成して関係省庁と企業に配布した。 その中で彼らは結論として次のように書いている。「住民運動、消費者運動などについては、 これを新しい経済社会運営のエネルギー源として、積極的に評価し、対応すぺきものである。 ……可能なかぎり政策などの企画、立案に反映させる努力が必要である」。しかし、 これら運動の「エネルギーのボルテージが上がりすぎて暴走するような場合には…… 阻止すべきである。そして政府当局は秩序を乱す行動に対しては断乎とした態度を とることが必要である」。 ///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
624 :
名無しさんの主張 :2008/10/04(土) 18:06:59 ID:mZ29ZqHm
思想としての社会学 産業主義から社会システム理論まで 富永健一 新曜社 序章 日本の近代化と西洋思想 福澤諭吉 第一部 サン-シモン、コント、スペンサー 第一章 産業主義の思想 サン-シモン 第二章 実証主義の思想 オーギュスト・コント 第三章 自由主義の思想 ハーバート・スペンサー 第二部 デュルケーム、ジンメル、ヴェーバー 第四章 機能主義の思想 エミール・デュルケーム 第五章 相互行為主義の思想 ゲオルク・ジンメル 第六章 理解社会学と比較近代化の思想 マックス・ヴェーバー 第三部 パーソンズ、シュルツ、ルーマン 第七章 行為と社会システムの思想 タルコット・パーソンズ 第八章 現象学的社会学の思想 アルフレート・シュッツ 第九章 「社会」の思想 二クラス・ルーマン
625 :
◆JeacknUANQ :2008/10/09(木) 22:54:53 ID:gwXdaPqe
/// 抱き込みの包囲網 11 //////////////// なるほど、彼ら社会の管理者は、みごとにその"エネルギーのボルテージ"をずっと低い レベルにまで下げさせたのであった。八○年代末現在、消費者団体の数は一万三〇〇〇 近くあると推定され、地婦連の主婦会員は六〇〇万人を越えると自称しているが、その存在は ほとんど目につかない。ほとんどの商品(特に食料品)の過剰な値上げをはじめ、不正商行為 (ボロ儲け)の横行など世論に訴えて騒ぎたてるに正当な理由がありすぎるほどあったのだ。 ドルに対する円の価値が急騰した(八五年から八七年にかけておよそ二倍になった)にも かかわらず、それを反映して価格が下がった主要輸入消費財はほとんどなく、その一方、 国内製品の価格はまったく変わらたかったばかりか"不安定な相場"を理由に値上がりした 商品すらあったというのに、なんの声も上がらず、ただ沈黙するだけだったのにはとくに 首をかしげたくなる。 /////////////////////// 840円(税込) ///
626 :
◆JeacknUANQ :2008/10/12(日) 20:15:03 ID:G+KBH0ec
/// 抱き込みの包囲網 12 //////////////// 一九七〇年代には、政策決定に市民の意見を反映させようとする態度を少しはのぞかせた 役人も、いまや、消費者団体を懐柔する必要には迫られていないように見える。一部の 地方自治体政策決定時に市民の声を申し訳程度に入れて、彼らの逃走心を鎮めてしまう。 竹内直一を代表とする日本消費者連盟は、農産物の輸入規制撤廃に反対し、外国製品の 輸入を促進するための製品規格見直しに反対している。つまり、消費者運動の中ではもっとも 有力な団体が、食料品の高価格の維持と、消費者の選択を国産食料品に限定するために 熱心に運動しているわけだ。 これは、消費者の利益のための深謀遠慮などではなく、この団体の代表者の力がなせる 業なのだ。竹内は農林水産省の高級官僚であった。同省の政策を批判して退職した彼を 天下りとはいえないが、彼が日本の官庁の中でももっとも保護主義的な役所の、昔の同僚に 背を向ける行為をするとは考えにくい。 //////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
627 :
◆JeacknUANQ :2008/10/18(土) 21:01:43 ID:gFlUTeFa
/// 抱き込みの包囲網 13 //////////////// 圧カ団体 政府の政策がいかにして形成されるかについて巷間有力な説は、"利益団体"や "圧力団体"は、必要な協力を得るため、役所の都署をなんとかしていわぱ"取り込もう"と するものだという。日本でまさにこの説どおりのことを、きわめて異例なほどにやってのけたのが 日本医師会(医師会)である。医師会は、圧力団体として日本以外の国では当然とされる 機能を発揮、あるいは、それを上まわる働きをして、一九五〇年代以来日本の圧力団体の 中でもっともはでな存在となった。他の多くの圧力団体とは違い、医師会は、官僚を 懐柔して意志を通すというやり方ではなく、官僚に真向から対決する姿勢をとった。 ////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
628 :
◆JeacknUANQ :2008/10/25(土) 20:34:36 ID:tBW+9nKM
/// 抱き込みの包囲網 14 //////////////// 一九八二年まで、武見太郎という高圧的な個性を持った会長に率いられた医師会は、 医療問題に関する政策決定を支配するため、新聞に一ぺージ広告を出してはげしく 政府攻撃をするというような攻めの手段に訴えると同時に、会の内部をもかためた。 医師会は経口避妊薬「ピル」の使用禁止を声高に主張し、その結果、利益の厚い 中絶医療産業を保護した。国政選挙にも独自の候補者を立てる一方、多数の有力 自民党候補者にも資金援助をしてきた。 ///////////////////// 原書1989年刊 ///
629 :
◆JeacknUANQ :2008/10/31(金) 22:55:44 ID:1J1sD9WS
/// 抱き込みの包囲網 15 //////////////// 医師会は、もし自分たちの儲けがあぶなくなると見れば、特定の医療機器の輸入を 阻止できる。だれの指示にももとづかない自由裁量の結果という形にみせかけて、 特定の医薬品や治療法を患者に処方させないようにすることもできる。また、 健康保険制度を悪用した診療報酬、薬価の不正請求が蔓延するのを放置している。 日本の医師は処方する薬の量を健康保険で決められた点数に換算して収入を得る ぱかりか、自分の医院でその医薬品を売る権利も持っている。このため医師と 製薬業界は癒着し、患者の薬づけや過剰診療がたえず一部の成金医者を つくり出している。 ///////////////////////// 早川書房 ///
630 :
◆JeacknUANQ :2008/11/06(木) 22:06:59 ID:1bw/aRbw
/// 抱き込みの包囲網 16 //////////////// 武見太郎亡ぎあと、医師会の力はおとろえたが、今も<システム>の小さな構成員の一つ ではある。厚生省の官僚は、医師会の意のままになることに慣れきってしまい、いまだに 医療関係の法案はまるで医師の発案によるかのように見える。欧米諸国でいう圧力団体 そのものの行動に訴える日本医師会ではあるが、日本では例外的な主要圧力団体として これほどまで過激になれるというのは、注目に値する。公共サーピスとしての医療を守るため、 政府が医師を管理しなけれぱならないはずのところを、当の医師たちが政府の仕事を 乗っ取ってしまったのである。 //////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
631 :
◆JeacknUANQ :2008/11/13(木) 00:49:02 ID:Gn7g09El
/// 抱き込みの包囲網 17 //////////////// 戦後の日本の社会には、圧力団体が雨後のたけのこのように続々と誕生した。主婦、 戦没者の遺族、退役軍人、傷痍軍人、戦後の農地改革で土地を失った旧地主、旧植民地 からの引揚げ者、そして売春業者など、よく知られているものをあげただけでこんなにある。 一九五〇年代のなかぱ以降、特に売春業者が売春禁止法案を阻止するために全国性病予防 自治会連合を結成したころから、こうした団体がたびたび新聞紙上で論評されるようになった (結局、この法案は成立し、ざっと五〇万人の夜の女たちが、自分の職業を新しい名前に かえなければならなくなった)。新聞で注目をあびた中でも成果を上げたのは、中政連 (中小企業政治連盟)で、これは後に中小企業の中核組織になった。 ///////////////////// 840円(税込) ///
632 :
◆JeacknUANQ :2008/11/15(土) 22:34:21 ID:M2ivI13E
/// 抱き込みの包囲網 18 //////////////// 政治の舞台に登場したこれらの新手の役者に対して、国民の反応は複雑だった。 一九五八年には、二つの復員軍人団体が軍人恩給予算の三〇〇億円増額に成功し、一方、 日本医師会も二一〇億円の上乗せを勝ちとった。政治評論家や新聞の社説は、このような ことは民主的政治をくつがえそうとするものだと論評した。圧力団体は全体のための福祉を 考える配慮に欠けており、自己の利益のみ図る、ごり押しをおこなうと非難された。ところが 皮肉なことに日本人が圧力団体を非民主的だと見ていた六〇年代に、西欧の観察者は、 圧力団体がでてきたのは、ようやく日本にも"民主主義"が根づき始めたことを示すなによりの 証拠として引き合いに出していたのである。八○年代になっても、圧力団体は西欧では、 より本格的な多元主義を進展させる力とみなされている。 ///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
633 :
◆JeacknUANQ :2008/11/20(木) 22:48:44 ID:qefDgvL+
/// 抱き込みの包囲網 19 ////////////////// しかし、さらに詳しく見てみると、日本では圧力団体がかなり変わった多元主義を推進して いるということが判る。医師会は例外としても、日本における力関係はちょうど逆の方向に 進展する。つまり圧力団体が政府を"とりこむ"のではなくいくぱくかの補助金と最小限の 譲歩と引換えに、官僚と自民党がそうした圧力団体を逆に利用することになるのである。 管理者と組織的に緊密につながりのある圧力団体をすぺて除くと、本当の意味での圧力団体は ごくわずかになる。さらに、<システム>の他の主要構成員となんらかの公的つながりのある 団体を除くと、さらに数は減る。結局残るのは、そのメンバーの多数の者が公然と反<システム> 活動をおこない、体制側には決して組み込まれないことを示威するため、ときどき機動隊と やりあう一握りの集団だけである。成田新東京国際空港の拡張工事に対する阻止行動を 続ける農民と過激派活動家との連合組織が、その最たる例といえよう。 //////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
634 :
名無しさんの主張 :2008/11/23(日) 22:55:44 ID:abYMwuZM
ウォルフレンは戦後日本の新聞記者は明治の先輩に比べて勇気がないと 書いてたけど、スキャンダリズムの鬼と化していた明治の新聞人を手放しで 賞賛することは出来ない。例えば公人の愛人住所を紙面に公表したり、権力者 の殺害を世間に訴えたりと現代の感覚からするとあまりに当時は異常すぎる。 結局こういう言論人のおかげで政府の弾圧が厳しくなったのはある意味 当然で、明治政府が徐々に抑圧的になったのにはそれ相当の理由があった。 だから明治〜戦前の言論弾圧で言論人が全員、本当に「被害者」だったのかは 当時の"自由"言論と弾圧の歴史を多角的に調べる必要があると思う。
635 :
◆JeacknUANQ :2008/11/29(土) 22:31:13 ID:oh86I5qs
/// 抱き込みの包囲網 20 ///////////// 公害と闘う活動家 戦後の圧力団体の中で、<システム>の外に身を置いてもっとも成功した団体は―― 〈システム〉が耳を傾けざるをえない状況をどの程度作りだしたかという基準でいって―― 産業公害の犠牲者のために立ち上がった運動だ。とはいえ、日本で深刻な公書問題が 本格的に検討されるようになるまで、およそ一〇年はかかった。後に世界中で環境汚染の シソポルになった水俣の間題にしても、水銀に汚染された魚を食べた猫が痙攣を起こし 海にとび込みはじめて、やっと一部の新聞が関心を示した。被害者の窮状が全国的な 間題になったのは、それからさらに数年後のことである。患者の数は急速に増え、 神径系銃を冒され、激しい痙攣に疲れ果てて死んでいった犠牲者もいる。 /////////////////// 原書1989年刊 ///
636 :
◆JeacknUANQ :2008/12/06(土) 21:28:06 ID:seLfAg/+
/// 抱き込みの包囲網 21 //////////////// 水銀を海にたれ流していた当の企業は、病気との因果関係を否定し、暴力団を使って 真相究明を求める患者やその家族に暴力を加えさせた。大半が貧しい村々に暮らしていた 患者たちは、自分の村で村八分にされた。まず、悪い報せをもたらした者、つまり水俣の ケースや、同様の水銀中毒症が発見された新潟の症例を研究していた医師たちが、 信用できないとされた。次に熊本大学の研究調査チームの報告書が公表されずに 握りつぶされ、研究費が削減された。 /////////////////////////// 早川書房 ///
637 :
◆JeacknUANQ :2008/12/14(日) 20:14:15 ID:ivN9wIjb
/// 抱き込みの包囲網 22 //////////////// 一方、富山県では、いわゆるイタイイタイ病の患者の治療をしていた萩野昇医師に対する 排斥運動も起こった。この病気は水田に流れ込んだカドミウムが原因で、骨がもろくなり 複雑骨折を起こす難病である。証拠は握りつぶされ、症状を訴えても、科学的な根拠が 欠けていると証言する医師が雇われるといったことがくり返されたのだが、水俣の 水銀汚染源の工場に犠牲者の家族や支援者がどっと押しかけ、全国紙が報道キャンペーンを 展開し、外国で広く報道されるようになって、やっとこうしたやり方は立ち行かなくなった。 ///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
638 :
◆JeacknUANQ :2008/12/23(火) 23:57:27 ID:bU5MT3Aj
/// 抱き込みの包囲網 23 ////////////////// 一九六七年、左翼系の弁護団が公害の被害者救済のための最初の訴訟を起こすと、 すぐに三件の公害訴訟が続いた。七〇年代の初期には、このような訴訟によって首都圏の 深刻な大気汚染に対する一般市民の不満が噴出し、政府はやむなく一部の政治家や企業と 共ども、なんらかの対策を講じなければならないという結論に達した。いくつもの厳しい 産業規制法が制定され、生活環境を犠牲にした産業拡大を糾弾することが一夜にして 流行となった。裁判所も結審までに一〇年以上かかるものの、被害者に損害賠償を認める 判決を出しはじめた。もっとも、ほとんどの場合、裁判所はあくまで脇役としての役割を 果たしたにすぎない。マスコミによって大きく増幅された激しい抗議に<システム>が反応した だけのことなのだ。これは不正が人目を引き、国民の怒りが社会全体に広がった場合に限り、 <システム>によって不正が正されるという証拠である。 /////////////////////// 840円(税込) ///
639 :
◆JeacknUANQ :2009/01/03(土) 21:24:06 ID:aQ9LRtw/
/// 抱き込みの包囲網 24 //////////////// 七〇年代後半になると、公害反対運動は日本の管理体制に対する新種の運動の前ぶれの ようにも見えた。市民運動によって地域レベルで政治への関心を目覚めさせ、恒常的な 変化が到来したのではないかと考えられたほどである。各地で革新市長が生まれた。 ところが一方で、革新勢力が提案した政策を保守系自治体が取り入れはじめたのである。 自民党としては、こうして革新勢力を吸収したわけだ。八○年代もなかぱに入ると、 市民運動グルーブはみずからを"冬の風鈴"にたとえるようになった。夏には心地よい 風鈴の音も、冬には耳障りなものだ。革新自治体は、一九七四年には一三六あったのが、 八八年には六〇に減った。地方の自民党候補者は選挙公約に手を加え公害対策をあわてて ねり直し、大型公共事業に必要な予算捻出は自民党しかできないと再確認することによって、 現状維持に反対をとなえる草の根運動に効果的にストップをかけたのである。 ///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
640 :
◆JeacknUANQ :2009/01/16(金) 00:03:41 ID:cCxmBpfl
/// 抱き込みの包囲網 25 //////////////// 選挙運動員としての圧カ団体 消費者運動や公害反対運動が政治の表舞台からしだいに消えていく一方で、他の 圧力団体は生き残り、政治的に重要な役割を果たしてきた。"圧力"を加えて、政治に 変化をもたらすのではなく、自民党議員の利益のために働くという意味においてである。 与党には草の根的な支持組織がほとんどないに等しいので、国政選挙の候補者は、 後援会とよばれる個人の支持者組繊に頼らなければならない。たいていの場合、現職議員が 国会に議席を温存できるかどうかは、なににもまして、自分の後援会の組織と影響力を 次の選挙まで持続できるかどうかにかかっている。圧力団体は設立当初からうまく操れば、 理想的な後援会になるのは明白だった。こうして、圧力団体が日本の政治活動の前面に 躍り出ることとなった。彼らは個々の自民党候補者のために投票を依頼して歩き、 資金を集め、その他ありとあらゆる雑務を引き受ける。 //////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
641 :
◆JeacknUANQ :2009/01/20(火) 22:43:33 ID:lHkah8kY
/// 抱き込みの包囲網 26 //////////////// 自民党議員にとっては、各省庁の官僚と友好的関係をもつことが、圧力団体との良好な 関係を保つためには決定的に重要になる。政治家は、少なくとも形だけでも見返りに 何かをおこなったということを証明しなければならないからだ。選挙区では、現職議員は あいまいなものの言い方はしない。もし、地元民が新空港を欲しいと言えぽ、当方には 運輸省と大蔵省とにつながる一番強力なパイプがあるからおやすい御用だと請け合い、 もし道路拡張や橋の新設の要望が出れば、他候補よりもたくさん建設省に友人がいるから 任せてくれと言う。同じ選挙区で複数の自民党候補が立つ場合には、他候補より自分の方が、 関係官庁につながる強いパイプをもっていると強調することになる。いずれにせよ、他の 少数党にはこうしたパイプがないことはみなが理解しているのである。 ///////////////////// 原書1989年刊 ///
642 :
◆JeacknUANQ :2009/01/24(土) 19:24:22 ID:TeUGdIrU
/// 抱き込みの包囲網 27 //////////////// 同じ選挙区の国政選挙で、自民党候補者が競合して戦う党内の"同僚"は、必ずといって いいほど別の派閥に属している。したがって派閥の領袖としては、各地の圧力団体や 陳情団を統率している全国組織とよい関係をもつことが重要になる。こうして、復員軍人団体、 傷痍軍人団体、戦没者遺族組織は、議論の的である過去の軍国主義を賞讃するための 象徴的活動に参加するよう、自民党に圧力をかける重要な勢力として存続することになる。 ある政治家が新しく自分の選挙区に加わった小さな村をはじめて回る時に、筆者も同行 したことがあるが、彼がまず訪ねたのは、両脚のない一人の男の家であった。その人は、 傷痍軍人会の地元代表だったのである。 //////////////////////////// 早川書房 ///
643 :
◆JeacknUANQ :2009/01/28(水) 21:53:35 ID:caMQeMcm
/// 抱き込みの包囲網 28 //////////////// 官僚の出先機関 圧力団体の多くは、手始めにまず協力してほしい関係官庁へ直接出向く。比較的 弱小の地方の商工会は、「会に法的裏付けをもたせ、会員に強制加入を義務づけるなど、 組織の基盤の弱さを公権カの支持を借りて補おうと」官僚の力を利用してきた。 農業や他の経済関係の圧力団体は、所轄省庁に出入り自由である。その団体が 大規模で相当な力を持つと官僚が見た場合は、官僚側が積極的に接近する。 /////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
644 :
名無しさんの主張 :2009/01/31(土) 18:22:29 ID:SbfX5KTZ
ウォルフレン氏が現在米国の諸大学で採用されている日本学の教科書(The Enigma of Japanese Power,1989)を、あえて茨城県盛金の隠れ家に一年以上こもって書き上げた のは興味深い事実だと思う。当時彼が『フォーリン・アフェアーズ』に発表した問題論文 (Japan Problem,1987)のために日本政府を激怒させた"筆禍事件"を起こしていたこと を考えるとなおさら興味を引かれる。日本語でいう「虎穴にいらずんば虎児を得ず」の諺 を地でいく大胆不敵さがあったからね。いつか彼が自伝を著した際には是非その辺の話を 明かしてほしい。また彼が主著を捧げたレオ・ラペッツとは一体何者なのかも。
645 :
◆JeacknUANQ :2009/01/31(土) 23:10:50 ID:hBzRexkh
/// 抱き込みの包囲網 29 //////////////// 団体側は提示した要望を配慮してもらうかわりに、地元の様子や関係者の横顔、 重要な出来事について詳しく知らせる。こうして、その団体は、官僚が〈システム〉全体の 舵とりをすることを可能にする"レーダー"の一部と化す。情報は一方向にのみ、つまり 東京に流れるため、管理者たちは、これまで制御しきれず、したがって<システム>に 完全に組み入れることができなかった地方の政治的、社会的営みを意のままに できるようになる。そして、多くの場合、その強化されたコントロールは、こうした 圧力団体を通しておこなわれる。 /////////////////////// 840円(税込) ///
646 :
◆JeacknUANQ :2009/02/06(金) 00:11:51 ID:IN0A1u1R
/// 抱き込みの包囲網 30 //////////////// 地方の圧力団体は通常、設立当初の存在理由がなくなっても、なお存続していく。 団体としての活動や目的は拡散し不明確になってしまっていることが多いが、大企業では なくとも何か大きな社会集団に属していたいという人びとにとって、その忠誠心をもっぱら 集中できる存在としての意味がある。大都市以外では、利益団体が政治家といったん 癒着すると、そのおもな機能は選挙運動を組織することだけになってしまう。ここまでくると、 元々の発起人たちは愛想をつかす。しかし、彼らにはもう当初の影響力もないし、 「結成の原点に戻れ」と訴えても理解は得られない。 ///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
647 :
◆JeacknUANQ :2009/02/10(火) 22:55:47 ID:wMVY33LC
/// 抱き込みの包囲網 31 //////////////// たとえ彼らが、役所との友好関係がもたらすメリット以上のものを欲しても、会員はすでに 確立した報償配分の仕組みを妨げれば恩知らずで危険でさえあると考え、「大人しく 物わかりのよい態度で臨むか、既存の仕組みに適応するしかないと考えるのである」。 <システム>に抱き込まれた圧力団体の支配権は、それを個人的目的に利用する 指導者に受け継がれていくことが多い。それでも、圧力団体は依然として会員の 熱い忠誠心をかき立てる。つまり、忠誠心そのものが最終目的になってしまうわけだ。 団体内に争いのきざしが見えると、官僚や政治家から植えつけられた団結第一という 考え方がたやすく優位になる。<システム>の代表が団体の指導者の交代に手を貸す、 ということさえしばしばおこなわれる。 ////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
648 :
◆JeacknUANQ :2009/02/12(木) 22:41:34 ID:09PfzFgo
/// 抱き込みの包囲網 32 //////////////// 圧力団体、あるいは、各種の経済団体が<システム>にとって重要な存在だと みなされると、まるで落下傘部隊のように官僚がそのトップに天下り、その集団は すっかり支配されてしまう。このような場合、圧力団体は官僚出身者の政界進出への 足掛かりとしての役割をはたすことが多い。自民党議員の多くが官僚出身だという 事実から、圧力団体の幹部と官僚と政治家との間にいかに密接な取引関係が 生じるかということは、明らかであろう。 ///////////////////// 原書1989年刊 ///
649 :
◆JeacknUANQ :2009/02/17(火) 22:54:24 ID:rCp91yJ6
/// 抱き込みの包囲網 33 //////////////// <システム>は、反対勢力をつぶし、金で黙従を買うために、行政上の柔軟性をかなり 犠牲にする。また、関係省庁は管轄下の団体とのつながりを深め、そしてその団体の 目標と自分たちのそれが一致していることを示す。だからたとえば、農水省が輸入食品の 自由化を阻む不動の障害として立ちはだかりつづけることにもなるのだ。こういったことは、 <システム>の他の構成員も必要と認めることであり、外国からの貿易問題がらみの 報復手段を未然に防ぐ対策として<システム>全体をよく守る働きをする。このように、 <システム>は、反対勢力や敵対する可能性のある団体を吸収することによって、 <システム>自体を維持しつづけようとするのだが、そのことが<システム>の一部を 麻痺させるのは皮肉である。 ///////////////////////// 早川書房 ///
650 :
◆JeacknUANQ :2009/02/21(土) 20:58:20 ID:WbrQHb/V
/// 抱き込みの包囲網 34 ////////////////// 政府機関が他の政府機関や<システム>の構成員との間でもめごとや権力闘争を起こした 場合に、可能な場合はいつも圧力団体が利用される。市場開放のキャンペーン中、当時の 中曾根首相のもとに、あまり急激な変革は避けるよう訴える電報やはがきが何千通も どっと届いたことがあった。嘆願状の文面がどれもひじょうに似かよったものであった ことからして、限られた数の農業団体と産業界の利益団体から出たものだということが すぐに判明した。その直後の閣議で中曾根は大臣に、中央官庁が産業界に頼んで 抗議運動を起こさせるとは不適切である、と怒りをあらわにして注意したということだ。 ///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
651 :
◆JeacknUANQ :2009/02/25(水) 22:50:04 ID:GCU4sLPG
/// 抱き込みの包囲網 35 //////////////// 圧力団体や陳情団は続々と新しく結成されているが、時にはこうした団体が 一般国民の声を<システム>に反映させる媒介をする。融通性のある<システム>の ことだから、あるていどこうした団体と妥協することもある。 ただ、現状の抜本的変革や、息の長い本格的反対行動に対しては容赦をしない。 /////////////////////// 840円(税込) ///
652 :
◆JeacknUANQ :2009/03/03(火) 07:39:22 ID:w6RfQGZb
653 :
◆JeacknUANQ :2009/03/07(土) 19:53:50 ID:Oh6E894g
/// 抱き込みの包囲網 36 //////////////// 自家製"反対勢力" 問題の芽を手におえなくなる前に摘みとり、まだ十分に掌握しきれない領域へも支配を 及ぼすための<システム>の常套手段は、お手盛りの"反対"団体を仕立てることだ。 一九五〇年代から六〇年代にかけて、経営者側が第二組合をつくり、潜在的に敵対する 恐れのあるマルクス主義に傾倒する全国組織の労働組合員を吸収しようとしたのが よく知られた例である。また同様に、一九六〇年代に農村地域の圧力団体を統合する 中枢的役割を果たしていた農政推進協議会は、農水省の官僚がその管轄下での支配力を 強化し、予算編成時期に大蔵省との交渉を有利にするため、知恵をしぼって作り上げた ものであった。 //////////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
654 :
名無しさんの主張 :2009/03/07(土) 23:59:17 ID:I6iDY7L5
賢い鳥は棲む木を選びます。賢臣は仕える主人を選びます。 日本を良くすることは不可能なので、もう見限りましょう。
655 :
◆JeacknUANQ :2009/03/13(金) 23:31:13 ID:iB05Jhcd
/// 抱き込みの包囲網 37 //////////////// 購収賄事件が明るみに出て、怒ったマスコミの一斉攻撃の影響で自民党に対する 激しい批判が広がり、有権者の不満が高まった時に、自民党にとってなによりもの 救いとなったのは、掌中で手塩にかけて育てあげた反対勢カグループの登場であった。 一九七六年、自民党の大領袖の一人だった河野一郎の息子、河野洋平に率いられて 六人の自民党員が脱党し、表向きには反自民を掲げる新党、新自由クラブ(新自ク)が 結成された。新自クが、時折野党のように騒ぎ、きれいな政治を提唱したことで自民党に 不満を持つ保守層の有権者が良心の呵責に悩まされずにすみ、かつまた、自民党からは 離れないですんだのである。 //////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
656 :
◆JeacknUANQ :2009/03/22(日) 01:20:28 ID:m7XeA/yp
/// 抱き込みの包囲網 38 //////////////// 実質的には、新自クは自民党の党外派閥であった。いかなる案件でも必ず自民党と 共同投票したので、自民党は国会で必要とされる過半数を割る心配がなかった。 自民党が記録的な議席減を喫した(ただし総得票数の減少によるものではない) 一九八三年一二月の選挙の後、中曾榎首相は新自クに入閣を要請し自治大臣の ポストを彼らに与えた。新しい傾向に拍車をかける重要なニュースはないかと ウの目タカの目で待ち受けていた内外ジャーナリストの多くは、期待されていた "連合政権"の時代がやっと来たとの結論を出した。 ///////////////////// 原書1989年刊 ///
657 :
◆JeacknUANQ :2009/04/01(水) 00:17:47 ID:hD1NWd6L
/// 抱き込みの包囲網 39 ////////////// ところが実際にはそうではなかったのだ。それから二年半後、自民党が圧倒的勝利を 収め、新自クの必要性が失われた時点でこの"野党"は静かに解散し、新自クの議員は 一〇年前の党離脱時と同様にスムーズに、自民党にもどったのである。日本一の 発行部数をもっ読売新聞の社説が述べている。 新自クは、自民党がロッキード事件によって失った都市部の票を吸収し、新たな保守票も 掘り起こした。さらに、国会の与野党伯仲時代にあって、与党自民党を連立で支え、政局 の安定に貢献した。 ///////////////////////// 早川書房 ///
658 :
◆JeacknUANQ :2009/04/04(土) 23:56:56 ID:8VOaCtvr
/// 抱き込みの包囲網 40 ////////////// 農村で機能する<システム> 多くの先進工業国と同様、日本でも、一般に農業従事者は政治的に優遇されているようだ。 日本の農業は超・過保護で、米は世界のほかの産地相場の少なくとも五倍は高い。 日本の消費者は、実際、ほとんどの農産物に法外な代価を支払っているのだ。 しかし、ことはそれほど単純ではない。日本の農業保護政策は、必ずしも農村部一般住民や 小規模の農業生産者の利益となってはいたい。農業生産はきわめて非能率である。 そして、農業全体を実質的に支配する巨大組織である農協がみずからの目的のために、 意図的にその非効率な生産性を放置している。農協は<システム>には不可欠な存在で、 これなしでは戦後の数十年もにわたって、今ある<システム>は生き残ってこられなかったに 違いない。農協は、農民が政治的行動を起こす前に、先制して、それを阻止する。 農協はまた、自民党の国会における不動の過半数を保証し、ひいては管理者の自由な 権力行使を可能にする働きをする。 ///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
659 :
◆JeacknUANQ :2009/04/08(水) 20:42:29 ID:zl6/4yH2
/// 抱き込みの包囲網 41 //////////////// いってみれば、"農協"は、"日本の農業"と同義語である。普通、"農協"という場合、 農業協同組合の中央組織のみならず、その関連事業組織および全国各地の農協支部など 農協関係のものすべてが含まれる。一般的には、この組織全体をひとまとめにして、 日本全国六三〇万の農民を代表する"圧力団体"とみなされている。ところが、これがまた、 日本の機関や組織の役割をわけの判らぬものにしてしまう、ことばの誤用の好例である。 利益団体に固有の反体制的要素というものが、農協の場合には失われてしまったという ことではない。そんな要素など、はじめから農協にはなかったのだ。 /////////////////////// 840円(税込) ///
660 :
◆JeacknUANQ :2009/04/18(土) 20:48:42 ID:BzC/ofYT
/// 抱き込みの包囲網 42 ////////////////// 農協は政府補助金を受ける非営利団体で構成されているが、この複合体は、(2章で扱った) 一つの系列グループとして考えるのがいちばんよさそうだ。農民は、この農業系列によって ほぼ完全に「捕らわれの身」ともいえる市場を形成している。現に、農産物の飯売、種子や 肥料の供給から、銀行取引、保険、そして結婚式のお膳立てまで、この系列が営む 諸種の営利サービスを利用する以外、農民にはほとんど選択の余地がないからである。 また農協は、農業行政の"補助機関"として見ることもできる。さらに、農協の主要機能の 一つはその集票能力にある。しかし、政府の補助金を受けている団体は一党一派に与しては いけないとされているのであるから、このような政治活動は、明らかに、法の枠を 越えていることになる。 ///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
661 :
◆JeacknUANQ :2009/04/25(土) 19:49:42 ID:d5Jz3xNr
/// 抱き込みの包囲網 43 //////////////// 村人たちの管理 農協が、<システム>のために果たす大きな役割をほんとうに理解するためには、歴史的に 見て日本の中央政府が地方におよぼす支配力がいかに限られたものであったかを、まず 見ておく必要がある。何世紀にもわたり、日本の村落はそれぞれに内部秩序を保つ という意味で、実質的には自治をおこなってきた。大半の村落にとって、徳川幕府の "共同統制制度"は単なる名目上のものにすぎなかった。地方によってかなりの違いはあったが、 多くの場合、村の自治の伝統は中央行政権力の介入を阻むうえでかなりの効果があった。 //////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
662 :
◆JeacknUANQ :2009/05/05(火) 20:18:01 ID:FpMMbUyh
/// 抱き込みの包囲網 44 ////////////////// この障壁に風穴をあけるため、明治政府は多様な全国組織をつくったが、効果は はかばかしくなかった。中央からしかるべき愛国的な考えを浸透させるため、地方の地主を 利用したこともある。地主は、村全体を従わせられれば自分の利益にもなる。またさらに 強大な権力をもっていた戦前の内務省は、川の氾濫に苦しめられた地域では治水対策費の 配分を通じて地主勢力を支配下におこうとした。そんなことがあっても、村は 独立自治体だとの伝統的な考えが、多くの村落で続いた。 /////////////////////// 原書1989年刊 ///
663 :
◆JeacknUANQ :2009/05/12(火) 23:23:37 ID:izwy6vcq
/// 抱き込みの包囲網 45 //////////////// こうした背景の中、今世紀の初めにできた農業協同組合の組織は、当然ながら農民管理の 新たな一つの手だてとして、政府と地主によって認識されることとなった。しかし、 一九二四年になっても、地方の農業協同組合に加入していたのは全農家の半分以下で、 それが約二〇〇の横断的連合組織に分かれていた。だが、一九四三年に、すべての協同組合が 中央の管理下におかれ、都道府県レベルの組織が解体されたことにより、村落のしたたかな 反抗もついにつぶされたのである。そして戦争協力の名目で、可能なかぎり多くの組合を 統合し、強化するための政策の一部として、農業会という大日本帝国の農業統制団体が 作られた。こうなると加入はもはや強制的なものとなった。 ///////////////////////// 早川書房 ///
664 :
◆JeacknUANQ :2009/06/02(火) 23:05:27 ID:FrvIFkZ7
/// 抱き込みの包囲網 47 //////////////// 先に述べた戦時中の農業会が、戦後の農協体制の組織的基盤になった。その設備、 従業員、そしてその役割の大半が、戦後の新組織にそのまま受け継がれた。"新組織"は、 占領軍の肝いりで看板だけ変えて設立されたものである。日本の農業従事者のほとんどが 農協の事業活動やサービスに依存していることを考えれば、戦後の組織は一〇〇パーセント 近い組織率をも戦中から受け継いだことになる。 ///////////////////////// 840円(税込) ///
665 :
◆JeacknUANQ :2009/06/11(木) 23:20:15 ID:S4iEfmlX
/// 抱き込みの包囲網 48 //////////////// 日本の農産物の価格を異常な高値に維持するのを助けている政府の食糧管理制度は、 農協の利益とわかちがたくからみあっている。同様に、農協にとって重要なのはアメリカとの 争いの骨格をなす、農産物に関する保護措置の障壁である。このことから、日本の "過保護農業"といえば、実は、農協体制のことを指しているのだが、それは一九七〇年代末以来、 産業界と通産官僚の攻撃にあってきた。彼らは自分たちに向けられている国際的批判の 鉾先をかわしたかったのである。 ///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
666 :
名無しさんの主張 :2009/06/13(土) 16:28:40 ID:86VAl3AF
test
667 :
◆JeacknUANQ :2009/06/21(日) 21:22:41 ID:Froqpzqa
/// 抱き込みの包囲網 49 ////////////////// だが、このような<システム>内での対立はあっても、問題の根本がどこにあるのかを 表立って解明しようとするところまではいかなかった。農協が農民を代弁してないことは、 早くも六〇年代に日本の専門家が指摘している。都道府県レベルの農協連合会は農協の 中央機関の下請けであるから、上部組織の利益にそった決定を推進しようとして、 県連と地元の単位農協とが相当にぶつかり合うことがある。農産物自由化の障害となっているのは、 農民の利益のためというより、農協と農水省が自分たちの利益を守ろうとする動きの方が 大きいと考えてよいだろう。 //////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
>◆JeacknUANQ もういいかげんブログでやれ
669 :
◆JeacknUANQ :2009/08/04(火) 21:55:10 ID:PehRE8lQ
/// 抱き込みの包囲網 50 //////////////// 農水省と農協の共生 農水省の"下請け"としての役割を、誠心誠意忠実に果たすことによって農協組織は 生き残ってきた。農民自身は、むりやり組み込まれたこの組織に対して大いに割り切れない 感じを持っている。特に、農協が政府資金を導入して推進した農業近代化計画の破綻に 対しては批判的である。農業のみで生計を立てていける農民は、ほとんどないに等しい。 五分の四を越える農家が兼業で、近くの町の工場や運送会社や飲食店、小売店などの サービス業に働きに出る人が多い。兼業農家の八五パーセント以上は、農業収入より、 いわゆる副業収入の方が多いのが現実である。 /////////////////////// 原書1989年刊 ///
670 :
◆JeacknUANQ :2009/09/02(水) 23:21:41 ID:87mHqBpT
/// 抱き込みの包囲網 51 //////////////// ところが、毎年人為的に高値を保つ米価決定の時期に、農協コングロマリットの中央本部である 全国農協中央会(全中)が大騒ぎするので、日本人も外国人も、日本の農民は政府まで 思うように踊らせる強い力をもっているという印象を受ける。実権を持つのは、農協と 農水省との連合チームである。このため、大蔵省とのかけ引きで、農水省ほど主張を通せる 省庁はほかにない。農水省が提出する予算案は神聖にして侵すべからざる神牛のようなものである。 そしてまた、全中管理下の事業体ほど、規制事項おかまいなしに自由に運営できるところもほかにない。 ///////////////////////// 早川書房 ///
671 :
◆JeacknUANQ :2009/10/12(月) 22:01:47 ID:uzj3Xk6s
/// 抱き込みの包囲網 52 ////////////// 政府は農協の集荷した米代金を農林中央金庫を通じて一括概算払いする。これが 「農協組織の各部署へ血液のように循環し、各部の栄養になる」わけだ。実際には、 政府から受け取った金を、農林中金が都道府県レベルの信用農協連合会を通して、米売渡し 各農家の預金口座に振り込むという方法がとられる。この自動振替払いという方式により、 農協系統の金融機関の資金コストは、市中銀行に比べてとるに足らぬほど低いものになっている。 ///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
ファンの会話 『昨日の○話最高だったよな』 「うんうんおもしろかった」 『▽がカッコいいんだよね』 「□もイイよな」 厨の会話 『昨日の○話の話は第○話のアレにかかってるんだよね』 「そう、そして○話の伏線の回収になっているんだ」 『だからこそのあの▽の台詞なんだよな』 『しかもあれは○話での□の台詞に対する揶揄でもあるのだよ』
ホラw 論理的に説明してみろよw
675 :
◆JeacknUANQ :2009/12/17(木) 22:27:10 ID:wqz5VNFS
/// 抱き込みの包囲網 53 //////////////// 貸付部門を通して農村住民へのローンという形で支出されたり、多種多様な農協の 営利サービスに対する農家の支払いなど、同じ金が農協系列の事業体間でやりとりされる。 農林中金は、全資金額のおおよそ半分を外部への投資資金として留保しておく。 全国キャンペーンの実施が農協の総会で承認されれば、本部が分担金を各担合員の 預金口座から自動的に引き落とすこともできる。こういう機構があるから、大蔵省や 自民党に向けた儀式化された陳情活動を、他の団体よりはるかに大規模におこなうのは もちろんのこと、国内外での農協の宣伝活動も充分にできるというわけだ。 /////////////////////// 840円(税込) ///
676 :
◆JeacknUANQ :2009/12/30(水) 00:07:07 ID:975AUVWO
/// 抱き込みの包囲網 54 //////////////// 日本各地の町や村にある一万以上の地方単位農協は、(米以外にも)農産物を農家から 買い付け、それを農協系列上部に位する商社を通じて販売する。これに加えて単位農協は、 農業に必要なあらゆる商品を農村住民に売りつける。農家の預金口座の内容がすでに 農協に把握されていることを考えれば、これこそ完壁な隷属的独占市場の典型といえる。 農協の傘下にある関連組織はまた、保健・厚生施設運営、消費者金融、貯蔵保管・倉庫業、 営農指導などもおこなうが、中でももっとも興味深いのは、今や世界最大の保険事業にまで 発展した"相互扶助"共済事業である。 ///////////////// K.V.ウォルフレン著 ///
部ログでやれよお前
678 :
名無しさんの主張 :2010/02/14(日) 11:23:56 ID:0n9cn6BI
海外で日本の大企業と競争する会社は、多くの場合、 非常に不利である。日本側の方は、経済的要因に影響 を受けにくいからだ。本拠地の日本は、他の人間的な 営みを犠牲にして経済成長を図る手段のある国であり、 それがまったく当然と見なされている。 『日本/権力構造の謎(下)』早川書房(1990年)p.266
679 :
◆JeacknUANQ :2010/03/03(水) 22:40:43 ID:drSTVOLV
/// 抱き込みの包囲網 55 /////////////////// 農協法が作られた当初、占領軍当局は、農協の共済事業は大蔵省の所轄にすべきだと 主張していた。ところが当時の農水省の官僚は、災害時には互いに助け合うという日本の 農民の伝統的慣習を法制化するだけのことで実際の保険業務ではないと、うまく説得した という経緯がある。農協の"相互扶助"事業の資産が八〇年代のはじめに、四兆九〇〇〇億円 以上に達するとは、当時の大蔵省も保険業界もまさか思いもしなかったであろう。 なんと、その資産は世界最大の生命保険会社、日本生命の総資産をはるかに上回り、 日本最大の損害保険会社、東京海上火災保険の資産額の五倍にあたる。組織の一番下の 農協一つ一つが、保険の取扱店になっているのである。そして農協の共済事業は、中央で 管理されている他の事業とともに非営利的事業として類別されているから、一般の 保険会社と違って生命保険と損害保険を一つの事業体が扱うことができる。ひとことで 言って、これほど驚くべき成功をおさめた産業コングロマリットは、おそらく日本でも ほかにないだろう。 ////////////// 「日本/権力構造の謎」<上> ///
680 :
名無しさんの主張 :2010/03/20(土) 18:33:31 ID:zkAZ+eo/
test
681 :
名無しさんの主張 :2010/03/24(水) 12:25:20 ID:fjG8Ze9x
age
682 :
名無しさんの主張 :2010/03/26(金) 15:52:58 ID:W4OLkuVd
ウォルフレンの分析を今日の日本に当てはめるのは少し無理だろう。 そもそもウォルフレンの視点自体が西洋的な価値観の一つの理想論に過ぎない。 過去を分析するのは有効だが未来を分析するには現在日本についての見方がステレオタイプで 出来上がってしまっている。だから、彼の言説は悪用されやすい。
683 :
◆JeacknUANQ :2010/03/27(土) 22:13:32 ID:lqhLneg2
/// 抱き込みの包囲網 56 //////////////// 農村の集票マシーン 選挙の時期がやってくると、農協の保険セールスマンも、ミカンの買い付け係も、種苗の 販売担当者も、農協のスタッフ全員が−−少なくとも、理屈の上では−−地元の自民党 候補の熱心な選挙運動員に変身する。農協の各組織は、終始自民党と共同作戦をとる 無敵の集票部隊だという前提のもとにその力が結集されるわけだが、実際に、どれだけ 彼らが票を動かせるかは地域によって大幅に異なる。総じていえば、自民党の農村票への 依存度は低下傾向にある。だが、一九八〇年代後期においても農家が全世帯の 三割以上を占める県が一一県あり、二割以上が一九県ある。 ///////////////////// 原書1989年刊 ///
図星突かれまくったので、なんとかウォルフレンの分析を
的外れだということにしたい
>>682 の図
685 :
名無しさんの主張 :2010/04/06(火) 16:48:29 ID:yOf+tF8U
686 :
◆JeacknUANQ :2010/04/06(火) 22:07:39 ID:F7/Xy3Zj
/// 抱き込みの包囲網 57 //////////////// 一九八七年に、ガット(関税および貿易に関する一般協定)にもとづいて一二品目の 農産物の輸入を日本が自由化するよう勧告された時、四四五人の自民党議員のうち 三五九人もが、ガットの裁定には従いかねるという宣言書に署名した。国内のコメ市場を 保護しつづけるという政治家の長年の決意が鈍らないかと心配した農協は、一九八九年の 参院選で自民党絶対多数を失わせる方に加担して同党に警告することにした。 地方農協組織が自分たちの態度に不満をつのらせた場合、時としてその対立候補を 応援することが前にもあったのを、自民党代議士連は知っているからだ。もちろん、 組合員も、さまざまな政治的信条をもつ者がいるが、組織としては自民党支持をやめる わけにはいかないという点では合意ができているのであろう。 ///////////////////////// 早川書房 ///
>>685 そういう頭の悪い返しをする自分に言った方がいいぞ
688 :
名無しさんの主張 :2010/04/09(金) 16:56:56 ID:qVu1jZi2
>>687 ウォルフレン氏の論文はイデオロギー色が強すぎて学術的な視点からは根拠が弱いので
政治的な意味しか持たない。政治雑誌向け。
689 :
名無しさんの主張 :2010/04/10(土) 22:00:52 ID:H1mlf10e
日本政治再生を巡る権力闘争の謎(その1)=カレル・ヴァン・ウォルフレン 2010年3月19日 中央公論
いま日本はきわめて重要な時期にある。なぜなら、真の民主主義をこの国で実現できるかどうかは、
これからの数年にかかっているからだ。いや、それ以上の意味がある。もし民主党のリーダーたちが、
理念として掲げる内閣中心政権を成功裏に確立することができるならば、それは日本に限らず地球上の
あらゆる国々に対し、重要な規範を示すことになるからである。
それは我々の住む惑星の政治の流れに良い影響を与える数少ない事例となろう。 (略)
検察とメディアにとって、改革を志す政治家たちは格好の標的である。彼らは険しく目を光らせながら、
問題になりそうなごく些細な犯罪行為を探し、場合によっては架空の事件を作り出す。薬害エイズ事件で、
厚生官僚に真実を明らかにするよう強く迫り、日本の国民から絶大な支持を得た菅直人は、それからわずか
数年後、その名声を傷つけるようなスキャンダルに見舞われた。民主的な手続きを経てその地位についた
有権者の代表であっても、非公式な権力システムを円滑に運営する上で脅威となる危険性があるというわけだ。
さて、この日本の非公式な権力システムにとり、いまだかつて遭遇したことのないほどの手強い脅威こそが、
現在の民主党政権なのである。実際の権力システムを本来かくあるべしという状態に近づけようとする動きほど
恐ろしいことは、彼らにとって他にない。そこで検察とメディアは、鳩山由紀夫が首相になるや直ちに手を組み、
彼らの地位を脅かしかねないスキャンダルを叩いたのである。
(一部)
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20100319-01-0501.html
690 :
名無しさんの主張 :2010/04/11(日) 02:16:34 ID:sz+5oh9b
>>689 ウォルフレンも錆びたねえ。むかしはしっかり踏み込んで論旨を展開していたはずだが。
政治宣伝の域をでないね。
692 :
名無しさんの主張 :2010/04/21(水) 08:59:52 ID:qqA0Io7d
>>691 ウォルフレンの論文そのものがレッテル張りと考えればいいんじゃない
レッテル張りとは根拠薄弱な上に断定することだからウォルフレン論文は
根拠がないが見立てはある。見立てはイデオロギーに立脚しているということだよね
>>692 レッテルはりしてないで、どこがウォルフレンの論文がレッテルはりでしかないのか
説明してごらんよ
もちろん一例だけ抜き出さずにな
ほらほら
694 :
名無しさんの主張 :2010/04/21(水) 15:36:15 ID:2TXeLQkY
>>693 ウォルフレン論文は論拠を論証できないので学術的に確かめられない。
論証できないものは反証も出来ない。だから政治的な宣言としては読めるが
学術論文としては読めない。理解できますか?つまり言いっぱなしの政治論文
ということです。本人が行っていることを読んだ者がそのように感じる信じる
くらいにしかいえない。つまり事実と確認する術がないわけです。だから肯定も
反論も出来ないのです。信じるか信じないかしかできないということです。
695 :
文責・名無しさん :2010/04/24(土) 09:53:19 ID:J2JBE5bZ
ウォルフレン寄稿論文は信じる者には気持ちのいい世界ですよね。
696 :
文責・名無しさん :2010/04/27(火) 18:36:38 ID:4B8vahlB
行政機構である検察が「嫌疑不十分」で「不起訴」としたものを検察審査会で市民が「起訴相当」 とした。行政は政治権力の影響を受けても市民社会が成熟していればそれと逆のことも可能に なっている。これこそまさに「真の民主主義」でありウォルフレン氏は日本社会の成熟した 姿を調査しきれていなかったということになりますね。
697 :
名無しさんの主張 :2010/05/02(日) 08:45:20 ID:VAPd/aUb
>696
>市民が「起訴相当」とした。
>>689 >検察とメディアにとって、改革を志す政治家たちは格好の標的である。
それは小沢一郎であり鳩山総理である。
その市民が検察メディアに操作、洗脳されたのだ。
カレル・ヴァン・ウォルフレンは今の日本の構造がわかっている。
日本の評論家は機密費などをもらっており腐っている。
698 :
名無しさんの主張 :2010/05/02(日) 15:13:00 ID:npRixDB8
>>697 影響受けやすい方ですね。「操作、洗脳」なんて言葉を気軽に使っていると周囲に怪しまれますよ。
699 :
名無しさんの主張 :2010/05/07(金) 18:15:36 ID:Y5mgjGCu
テレビの洗脳なんて当たり前だろ。なにいってんだか
700 :
名無しさんの主張 :2010/05/10(月) 11:10:06 ID:nKzVfreB
テレビで洗脳なんていいはじめたら学校なんて洗脳そのものということになってしまう。 洗脳をあまりにも広く捉え過ぎ。
701 :
名無しさんの主張 :2010/05/11(火) 20:23:12 ID:TRsPeCs6
シェイクスピアがどうして世界で読まれているかというと これは大英帝国の自国文化普及のための戦略でもあったのです。
702 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/05/21(金) 07:37:02 ID:eveLRY+B
ウォルフレンは目が啓くだろうか。民主党政権の幻想に気付いたはずだ。
703 :
文責・名無しさん :2010/05/29(土) 15:33:21 ID:EYpEhmYA
ウォルフレンの言い訳が聞きたい
704 :
◆JeacknUANQ :2010/07/14(水) 23:10:36 ID:IXLd5tvg
/// 抱き込みの包囲網 58 //////////////// だが、複数定数選挙区で自民党候補がぶつかる場合、どちらの候補者を応援するかは、 まだ選択の余地が残されている。一九七六年に宮崎県であったように、地域農協が選挙運動に 本気でとりくめば、自民党本部の意志に反対する勢力として大きな力を発揮することができる。 この時、東京の党本部の選んだ候補者に反発した宮崎県の農協は、別の自民党候補を後援する ことにしたのである。選挙運動期間中、毎日、四〇〇〇人から五〇〇〇人の農協職員と 組合員が、対立候補のために働いた。党公認候補が、二〇〇〇人の集会を企画したその当日に、 農協候補は農協の貸切りバスで集められた一万人の集会をぶつけるなど動員力で圧倒した。 農協チームは地元のあらゆる農協店で選挙運動を展開し、終盤戦では婦人部、青年部を 動員して、実に六万人の運動員を動かした。 ///////////////////// 篠原 勝 (翻訳) ///
705 :
名無しさんの主張 :2010/07/15(木) 20:17:41 ID:2zqsHFde
>>700 学校は洗脳そのもので有っているよしかも悪い洗脳
フーコーは「学校は刑務所」だと言ったしな。
707 :
◆JeacknUANQ :2010/08/04(水) 21:50:26 ID:PUVUxK1v
/// 抱き込みの包囲網 59 //////////////// 宮崎県の農協は、かなり活発な集票マシーンとして知られているが、通常、約三〇〇〇人の 運動員を無償で提供する。選挙公示の直前に、地区グループに分かれての集会が、 各地で開かれる。養豚農家やミカン栽培農家など、専門農家のグループについても、 農協の傘下の機関がこの時期に集会を開く。厳しい公職選挙法のため、あからさまな 選挙運動は禁止されているので、このような集会では農協はどの候補を支持することに 決めたかが"報告"される。法に違反しない範囲で、侯補者自身も"研究会"を開き、 その席で、自分がイニシアチブを取って中央でどれだけのことをしてきたかを報告する。 /////////////////////// 840円(税込) ///
708 :
計札工作員え なぁ? :2010/08/04(水) 22:19:45 ID:QsVSIhgq
大丈夫か? それてきてないか? しっかり たのむよ
709 :
名無しさんの主張 :
2010/08/07(土) 21:04:48 ID:DdHh1VCI ウォルフレンのいう権力構造って思考盗聴システムのこと?