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日経ビジネス11月11日号より:
「団塊の世代こそが本当の逃げ切り世代」
厚生労働省年金局年金課の朝川知昭課長補佐は「今後、年金改正がさらに進まないとすれば、
計算上、団塊の世代を含む現在の50代が今の60代よりも、月当たりの年金受給額が多くなる」
と指摘する。
一方、将来の年金負担額は、間違いなく現役世代の方が膨らむ。
年金財政そのものも一層厳しくなる。次の年金改正は2004年と見込まれているが、
「2004年の見直しで、年金支給開始を直前に控えた団塊の世代の受給額を大きく減らすとは
考えにくい」と野村総研の広瀬氏は見ている。
その結果、団塊の世代はその下の世代よりも、確実に多額の年金を受け取ることになる。
現在、60歳以上の世代は、年金財政悪化の影響をほとんど受けない「逃げ切り世代」とも
言われる。しかし、各種の統計数値を見る限り、団塊の世代こそが「本当の逃げ切り世代」と
言えなくもない。
ストックの面で団塊の世代が大きな存在であるならば、家計の収入と支出というフローの面では
どうか。結論から言えば、ここでも団塊の世代は逃げ切り世代だ。
(日経ビジネス2002/11/11号より)