鬱鬱鬱鬱日本て国はさ鬱鬱鬱鬱

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315お☆所のいじめ  起
    「官★に告ぐ!」1996年刊 ★本 政於 ★高 信 対談より

 <佐高> ・・・・『お役所のおきて』の中に昼飯の話が出てきますね。課長が飯を食いに行こ
うと言うと、部下はみんなくっついてくる。でも、宮本さんはついていかなかったわけですね。
 <宮本> このごろはどうか知りませんけれど、精神保健課に配属されたとき、一人で昼食を取
ろうとすると、これだけでもう目立ってしまいました。課長からすれば「あいつは自分の意見を
無遠慮に言うし、飯に誘ってもついてこない。可愛くないヤツだ」と映るんですね。でもどこで
誰と食事をしようと個人の自由です。それを「可愛くないヤツだ」と思うこと自体、傲慢な発想
じゃないですか。
 <佐高> 宮本さんに対して「実は、俺も本当は行きたくないんだ」と言う人はいなかったんで
すか。
 <宮本> いました。ただ「宮本さんはアメリカ帰りだから自分の好きなところへ行くけれども、
みんなと一緒の行動を取ったほうがいいですよ」というアドバイスも何度となく受けました。
アドバイスをする人たちも不平はこぼすんですが、結局は金魚のフンのように課長についていき
ました。そしてしゃべるのは課長。話といっても多くは自分の自慢話か愚痴です。さもなければ
プロ野球や相撲など、とりとめのない話がほとんどです。部下は従順そうにうなずくだけ。たま
に意見が出てきたとしても、課長のご機嫌取りです。
 <佐高> これぐらい、時間のムダはありませんね。何人ぐらいで行くんですか。
316お☆所のいじめ  承:02/08/13 21:34
 <宮本> 私が最初に配属された精神保健課では六、七人が連れ添ってお昼を食べに行ってま
したね。それも週に二、三回はありました。昼飯代はそれぞれが払うのですが、昼食にかける
時間はせいぜい十分ほどです。動物園の動物のほうがもっと時間をかけて食事をしますから、
当初は驚きの毎日でした。面白いことに昼食にはひとつのパターンがあるんです。昼食が終わ
ると、みんなでぞろぞろとコーヒーショップにコーヒーを飲みに行くんです。そこには暗黙の
了解があって、コーヒー代は課長が持つことになっていました。
 <佐高> 大勢で和気あいあいとしているように見えるんだろうけど、個人の顔はやっぱり見
えてこないね。
 <宮本> それでも若い人は結構、自分の好みに応じた行動を取ろうと努力をしていたようで
す。でも、そうすると課の中の軍曹的な人から意地悪な指導を受けるんです。まず嫌みで始ま
り、次には「いじめ」にエスカレートします。そうして若い人も次第にムラの掟を覚えていく
わけです。
 <佐高> 宮本さんもいじめにあったの。
317お☆所のいじめ  転:02/08/13 21:34
 <宮本> いや、それは凄いものでした。アメリカに住んでいた十年間、いじめの経験は一度も
なかったのに、突然、徹底したいじめを受けました。入省一年目、何人かと残業したとき、係長
がみんなの分もどんぶりものを取ってくれたんです。温かいうちに食べようと、当然のことなが
ら仕事を中断しました。すると、課のボス的存在の人が、僕を名指しして「新人のくせによくみ
んなと一緒に食事できるね。仕事に一区切りつけてから食べたらどうだい」と言うのです。そん
なこと言われたのは初めてでしたから、腹が立つ前にびっくりして仕事に戻りました。「新人は
冷めてまずくなったものを食べ、そのつらさを味わえ。我慢を重ねていれば、そのうちムラの一
員として認めてやる。」という「でっち奉公」の世界なんです。「いじめ」はこんなものだけで
はありませんでした。ある時、審議会の資料をコピーしろ、と上司に言われました。当然、手渡
された書類のページは順番どおりだと思い、そのままソーターにかけて持っていくと、驚いたこ
とに、書類の一部のページの順番が変えてあったんです。すると彼はコピーをちょっと見て「お
い宮本、何だこれは。順番が違っているぞ。初めに調べなかったのか。やり直せ」と言う。審議
会の時間は迫るし、僕の仕事も山積みになっているそこでコピーを取り直そうとすると、彼は「
紙のムダだ。手作業で整理し直せ」と言ってきた。僕が時間に追われて苦しんでいる姿を見て喜
んでいるわけです。あれはどう考えても嫌がらせでした。
318お☆所のいじめ  結:02/08/13 21:35
 <宮本> 二年目に防衛庁に出向したとき、総務担当補佐に「弁当を買ってこい」と使い走り
を命じられたこともあります。僕が断ると、「あなたは役所に入ってまだ一年ちょっとだ。多
少の下積みの経験は重要だ」と、いかにも僕の将来を思っているような答えを返してよこしま
した。でも、ホンネは私に「ムラには掟というものがあるのだ。それをきちっと覚えろ」「お
まえもムラに住み続けたいのならマゾヒストであるという証拠を見せろ」とのメッセージを送
っていたんですね。
 <佐高> 組織に忠義なマゾヒストね。
 <宮本> そうです。新聞を読んだり、お茶を飲んだりしてもいいから、始業時間前に席につ
いて自分がいることを周りに知らしめる。有給休暇はできるだけ取らない、病気になっても、
熱で苦しんでいるところを同僚に見せつけてから休む。バカげているのを通り越して、この人
たちは少しおかしいのではないかと思ったこともありました。・・・・