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名無しさん@入浴中:
以前は、人格統合を行うのが最善の治療であると考えられていた。人格統合とは、人格を1人ずつ消していく
(医師・セラピストの中には人格に自殺をさせたり、悪霊払いのような手法をとるものもある)、
あるいは似通った人格同士をカウンセリングにより統合することで最終的に1人の人格に戻すという治療法である。
しかし、最近ではこの治療法については否定的な意見も多く、複数の人格はその必要があるから存在しているのであって、無理に消去することはかえって患者の状況を悪化させると考えられている。人格統合の手法を取らず、人格同士がお互いに協力し合って生活を送れるようにする
「共存」を目指す治療法も存在する。
現在では、まず患者の状態を正確に把握すること、次に人格同士の誤解や対立をなくすと同時に主人格を含む各人格の精神の安定を
目指すことが第一だとされる。つまり、システムの把握と安定であるが、これには長い年月を要する場合が多い。
ほとんどの場合、主人格の知らない心的外傷(いわゆるトラウマ)体験の記憶を交代人格が別個に持っており、
その場合交代人格に対しても別個に心的外傷の処理が必要とされる。患者の安全を考えた場合、
この作業は人格同士の統合や共存よりも優先されるべきであろう。
喪失した記憶を無理に引き出すことは良くないとされる。交代人格から聞いた心的外傷体験を、
その体験の記憶のない人格に知らせることも同様である。この疾患を持つものは心理的に非常に不安定な状態にあることが多く、
また、抱えている心的外傷も長期にわたる凄まじいものである場合が多いので、いたずらに心的外傷を想起させることは、
パニックや自殺などの大きな危険を伴うからである。
このようなさまざまな理由から、患者とセラピストの信頼関係の確立も重要な要素となる。システムの安定に伴い、
心的外傷体験の想起と再記憶といったPTSDの治療に似たプロセスが慎重に行われる。
投薬は、対症的に抗不安薬や睡眠導入剤などが多く使われる。症状が重い場合は抗精神病薬が用いられる場合もある。
しかし、この疾患の治療には非常に長い時間がかかるため、身体への負担を考慮してなされるべきであろう。