知的障害の分類 [編集]
原因による分類 [編集]
病理的要因
ダウン症候群などの染色体異常・自閉症などの先天性疾患によるものや、出産時の酸素不足・脳の圧迫などの周産期の事故や、
生後の高熱の後遺症などの、疾患・事故などが原因の知的障害。
脳性麻痺やてんかんなどの脳の障害や、心臓病などの内部障害を合併している(重複障害という)場合も多く、
身体的にも健康ではないことも多い。染色体異常が原因の場合は知的障害が中度・重度であることが多く、
外見的には特徴的な容貌であることも多い。
生理的要因
特に知能が低くなる疾患があるわけではないが、たまたま知能指数が低くて障害とみなされる範囲(IQ70または75以下)
に入ったというような場合。生理的要因の知的障害がある親からの遺伝や、知的障害がない親から偶然に知能指数が低くなる
遺伝子の組み合わせで生まれたことなどが原因である。合併症はないことが多く、健康状態は良好であることが多い。
知的障害者の大部分はこのタイプであり、知的障害は軽度・中度であることが多い。「単純性精神遅滞」などともいう。
心理的要因
現代日本ではあまり見られないが、養育者の虐待や会話の不足など、発育環境が原因で発生する知的障害。リハビリによって
知能が回復することが可能。関連用語に「情緒障害」がある[5]。また、離島や山岳地帯や船上などの刺激が少ない環境で成育した児童の場合も、
IQが低い場合が多い(知能指数#生活環境参照)。IQテスト自体○や△など抽象的な図柄を見分けるといった文明社会に馴染んだ者にとって
有利な問題となっている。従って、都会生活を経験したことのない先住民族などには不利な評価が下されることになる。このことは意図的に
アメリカで有色系移民を排除する目的で誤用されたことがある。