精神病(せいしんびょう)という言葉はさまざまな意味で用いられる。精神症とも用いる。
対応する英語は、シュナイダーの意味(=精神疾患)では「mental disease / mental illness / mental disorder /
mental impairment / psychopathy[1]」、それ以外の意味では「psychosis / psychotic disorder[2]」が用いられる。
定義はさまざま [編集]
エミール・クレペリンは、精神病を、統合失調症・双極性障害・てんかん等の「内因性の精神疾患」と定義しこの3つを三大精神病と呼んだ。カール・ヤスパースもこの3つを「大精神病」と呼び、
「精神障害を伴う既知の身体疾患」「精神病質」とともに精神疾患のカテゴリーとした。
クルト・シュナイダーは、精神疾患一般を精神病と呼んだ。
重篤な精神疾患を精神病と呼ぶこともある(例えば強い心因反応は「反応精神病」「心因精神病」)。
ICD-10や『精神障害の診断と統計の手引き』 (Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)
(最新の版はDSM-IV-TR)では精神病は「精神病性障害 (psychotic disorder)」と表現され、気分障害
(注:例外もあり)・てんかん・不安障害・身体表現性障害・解離性障害などは精神病に含まれない。
精神病と原因 [編集]
精神病の原因には、内因・外因・心因がある。これらが複数重なって精神病が発症することもある。
この3つに環境因も加えることがある。
心因を主とする精神病 [編集]
心因性精神病は、ストレスなどの心的要因によって起こった、精神の強い反応である。反応精神病では、
人格の解体・現実検討能力の著しい障害が見られる。ICD-10では、症状に応じて急性一過性精神病性障害 (F23) や
感応性妄想性障害 (F24) などに含める。一ヶ月以内に症状が治まる場合、DSM-IV-TRでは短期精神病性障害に含めることになる。