自己愛性人格障害(じこあいせいじんかくしょうがい、Narcissistic Personality Disorder)とは、ありのままの自分を愛せず、
自分は優越的で素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込む人格障害であるとされるが、過度に歪んだルールである
内的規範が弱いケースであるため、精神病的に扱われる事もある。
概要
境界性人格障害とセットにして扱われる事もあるが、自己愛性人格障害の方が内的規範は比較的高いとされる。
また、境界性人格障害の回復期には、一過性の自己愛性人格障害を経るケースが多いという報告もあり、より安定した状態であるとも考えられる。これとは逆に、自己愛型防衛に失敗した自己愛性人格障害の患者が、境界性人格障害同様の状態を呈した例も報告されている。
自己愛性人格障害はどちらかと言うと男性に多いとされる。WHOのICD-10では正式な精神障害としては採用されていない。
境界性人格障害でも原因として日本では過保護、アメリカでは虐待が多いという指摘があるが、
自己愛性人格障害に関しても似たような言説がある。
しかし、果たして本当にそうなのかは専門家の間ではコンセンサスが取れていない。
過保護が虐待の可能性もあるという指摘もある上、境界性人格障害でも脳の脆弱性が問題となっているようにそうした
生理学的要因も考えられる。主に虐待としては暴力ではなく、多忙な親に放置される、無視される等の不満が原因である場合が多い。
実際に社会的に評価されたり、ルックスや家柄が良い、IQが高い等、常に多大な賞賛を浴びる状態が幼少期から続く、
など本人の素質よりも周囲の行動によって自己愛性人格障害になる場合が多い。
自己愛性人格障害の万能感は母子関係によってさらに強化されることがある。
境界例的な親自身や周りの家族や友人が見捨てられる不安から、子どもを甘やかす等である。