第二十二話:誘われし者たち【二】
「キミなかなかやるじゃないか」
「オッサンら何モンや?」トモヲタが血を拭いながら聞く
「俺たちか?実はなこないだ総社で寺尾くんたちと喧嘩してただろ
あの現場を見てな、詳しい話は飯でも食いながらでいいだろう?」
「解った、その代わり俺一人でもええか?」
「ああ、キミなら一人でも構わないよ」
「シンジ、ボンドを病院に連れていってやってくれ。それからゴキジェットくんは
篠塚とケイボンの見張りを頼む」
「解った。気をつけろよトモヲタ」
トモヲタは北野たちについて行った
「実はな、今瀬戸内海のある島でサヴァイヴァルゲームをやる計画があるんだ
寺尾君もそれに参加してくれると言ってる」
「寺尾が!」トモヲタが身を乗り出して言う
「ああ、そうだ。でな、そのゲームで優勝したらなんとその島をプレゼント、さらに
永遠の命が手に入るんだ」北野がここまで告げるとトモヲタは
何を言ってるんだ?という顔をして戸惑った
「はははwみんな同じ顔をするなあwまあ無理もないよな。でも本当なんだ
キミには何か野心はあるか?」
「野心?そんなもんはないです。せやけどもしそれが本当なら…」
「本当だったら何かやりたいことがあるのか?」
「…はい!ともか姉さんと二人で国を作りたいです!」
「ともか姉さん?キミのお姉さんかい?」今度は北野が不思議そうに聞いた
「いえ、違うんです。福原のソープで働いてる凄く綺麗で優しい女性なんです
せやけどこのままずっとあんなところで働いとっても幸せになんかなれん…
やから僕、その人と一緒に暮らして幸せにしてあげたいんや!!」
「おもしろい!少年の数ほど夢や野心があるんだなあ。でもキミみたいなのは初めてだ」
「それが本当なら僕は参加したいです!」
「決まりだ。ただし参加するには条件があるんだ…」
つづく